タイムズに聞くカーシェア最新事情。“若者の車離れ”はウソ?

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タイムズに聞くカーシェア最新事情。“若者の車離れ”はウソ?

都市圏を中心に、すっかり定着した感のある「カーシェアリング」。名前を聞いたことはあっても、実際にはどんな使われ方をしているのか、知らない人も多いはず。買い物やドライブ、さらには鉄道+カーシェアまで、カーシェアリング最大手のタイムズカープラスに、カーシェアの使いこなしテクを解説してもらった。
ファミリーはカーシェアしてイケア&コストコに行く!

そもそもカーシェアとは、会員登録をした人が利用したいときに車を借りて使う仕組み。タイムズカープラスの場合、車は主にタイムズの駐車場内に置いてある(この場所をステーションという)。予約はスマホなどから行い、専用のICカードでロックを解除して利用する。15分206円〜で、ガソリン代や保険料は利用料金に含まれている。

「弊社のサービス開始から7年が経過し、現在、会員は53万人まで増えました(2015年9月末時点)。弊社では全国津々浦々に1万3000台の車を配備しているので、“1枚のカードで1万3000台が利用できる”とアピールしています」と話すのは、タイムズカープラス事業部企画グループ・グループリーダーの亀田真隆さん。

利用傾向として多いのが、空港などへの送迎、イケアやコストコへの買い出しだという。これはレンタカーを借りるほどではないものの、「多人数で移動したい」「荷物などの運搬が必要」などの理由で、「車があったら便利」というときの需要を掘り起こしているかっこうだ。ちなみに筆者もタイムズカープラスユーザーだが、カーシェアを利用して家族でイケアに行く。特にファミリー世帯では、こうした「欲しい大型家具・家電がある」「友だち家族と出かけるので大型車を借りたい」などのシーンで役立っているようだ。帰省先、旅行先で。おトクなレール&カーシェアとは?

また、マイカーの代わりとしてではない、新しい使い方をされているケースもある。

「多いのは帰省先での利用です。地方では、車がないと移動が不便なこともありますよね。そうした際の足として利用されています」(亀田さん)。また、旅行などでも活用している人が増えているとか。

「仮に箱根に行くとしましょう。まずは電車で箱根湯本・小田原まで行き、そこからカーシェアを利用するんです」(亀田さん)。確かにこの方法だと、行き帰りの渋滞や長距離運転を避けることができるほか、レンタカーよりも割安というメリットもある。帰りの電車でアルコールも飲めるし(!)、運転手に負担が集中しない。これは賢い活用法といえそうだ。

ビジネスシーンでも同様の使われ方が増えていて、「弊社の法人契約でも、レール&カーシェアといって、まずは鉄道で移動し、駅からカーシェアで移動することを提案しています。この方法だと、社員の交通事故のリスクを減らすほか、渋滞なども避けられるメリットがあるんです」(亀田さん)

24時間予約でき、また予約開始時間の1分前までならキャンセルフィーもかからない手軽さ、時間にしばられないことを考えると、このレール&カーシェアの需要は今後も高まっていくと思われ、タイムズカープラスでは、まずは新幹線の駅周辺には、必ず車がある状態を目指しているのだという。

「現在、東海道・山陽新幹線の駅周辺には、ほぼステーションがあり、カーシェアが利用できる状態です。最近では、北陸新幹線が開業した金沢駅周辺にも車を配置していますし、今後も増やしていく予定です」(亀田さん)と意気込んでいる。若者もクルマが好き&カーシェア→マイカー所有者へ卒業することも

カーシェア事業を展開してきたことで、意外なことも分かってきたらという。一つは、「若者の車離れ」はウソということだ。

「弊社のデータを見ていると、若い人も車に乗っています。それもドライブにいくとか、予定が空いているから乗るなど、車に乗りたいから利用しているというのが分かっています。手取り収入が減っていることや、維持費のコスパを考えて、車を所有するのは難しくなっていますが、利用できる状態になれば、若者も車に乗ることは好きなんです」(亀田さん)

また、ドライブの楽しさの価値も失われていないようだ。「カーシェアというと、ちょい乗りのイメージが強いのですが、みなさん東京から御殿場(100キロ程度)くらいなら、当たり前のように利用されるんです。この場合、6時間パック(4020円/ガソリン代込)がよく利用されています」(亀田さん)

カーシェアでドライブすることで、車が欲しくなってしまい、「カーシェアを卒業」なんて人も珍しくないのだそう。「実際には、弊社顧客の14%がマイカーを所有しています。セカンドカーや運転しやすい車の確保という意味合いも多いようですね」(亀田さん)

多種多様な使われ方をされているカーシェアだが、一つカギになっているのが、自宅からのステーションの近さだ。いくらカーシェアの仕組みが便利でも、ステーションが遠いと利用されづらい。
「ユーザーアンケートでも自宅から徒歩5分圏内にステーションがあるのが、理想とあります。実際には徒歩10分程度で利用されていますね」(亀田さん)

なるほど、開始から10数年で、「カーシェア」は新しい「交通インフラ」として定着しつつあるようだ。これから住まいを探す人は、カーシェアの有無やステーションの場所を念頭に入れて、家探しをしてみるのもいいかもしれない。●取材協力
タイムズカープラス
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/11/16/100709/

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