ほぼ日・糸井重里氏「”転がすアイデア”を大事にしている」
「ほぼ日刊イトイ新聞」を運営する糸井重里氏は2011年6月18日、東京都内で開かれたトークイベント「いま、立ち上がること。つながること」に出演。この模様がニコニコ生放送でも中継された。糸井氏は冒頭、「リーマンショック以後の日本はずっと不安の中にいて、このままでいいのかと思っているところに3月11日がやってきた。このままでいいんだろうかと悩んでいるどころではなく、次のステップをもう踏み出すときじゃないか、という状況になったのが今」と述べた。さらに自身の活動を振り返りながら「”転がすアイデア”というのをものすごく大事にしている。パスするアイデアというのは、もうすでに一人ぼっちじゃない」とアイデアの生かし方や、動き出すときのヒントについて語った。
このイベントには宮城県職員の山田康人氏(写真右)が同席。山田氏はNPO法人ファイブブリッジの事務局長でもあり、地元の若者の交流サロンを運営している。震災後は、地元の企業を支援するための「セキュリテ被災地応援ファンド」立ち上げに関わった。この山田氏の二つの行動に共通しているのは「人とつながる」ことである。例えば、「何かをしよう」と思いついたアイデアは、一人だけで考えて具現化できればよいが、独善的なアイデアに陥りやすい。山田氏は「実はそれって面白くない」とし、人と関わりながらアイデアを共有する中で一番いいものができたと話す。さらに山田氏は「他人との関わり合いなしには、あり得ないのかなと思う」と語った。
この考え方に糸井氏は深く同意し、その上で、自身はアイデアが出た時に、
「”転がすアイデア”というのをものすごく大事にしている。ボールと同じで。ボール一個あったらあらゆる遊び方ができる。四角い立方体の箱があったら、あらゆる遊び方というのはボールに比べるとだいぶ少ない。(したがって)ボールみたいなアイデアというのがやっぱり素敵だ」
と話し、生姜を例に出して
「生姜がポンと放り出されたときに、『変な形』という人もいれば、『土の中にあるね』という人、『体にいいんだよね』という人、『辛いよね』『寿司を思い出す』『シロップをつくる』『育てたことあるんだよ』『俺は谷中生姜が好き』と、ひとつ生姜を出しただけで、皆がころころパスをする。パスするアイデアというのは、もうすでに一人ぼっちじゃないんですよ。そのアイデアを持っている人には。つまり、『俺も乗せてくれ』って(人が自然に現れる)」
と述べた。また糸井氏の話を受けて、葉っぱビジネスで有名な「いろどり」の横石知二氏(写真左)も
「つながることっていうのが、すごく今は大事。ボールを転がして、そのボールがいろんなところでつながっていく、はねていく。それがすごく大事だなと思う」
とつながることの重要性を説き、次のステップに踏み出す際の動き方や考え方などのヒントを、三者三様に答えていた。
(山下真史)
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