接待に! 営業に! 笑いと仕事が取れるカラオケ活用術
部署の懇親会や接待の2次会など、社会人であれば仕事上の付き合いで行く機会が多くなるカラオケ。気心知れた仲間と行くカラオケとは少々勝手が違いますよね。仲間内での鉄板の曲を歌っても反応がイマイチだったり、得意の一発芸を披露したけど不発に終わったり……などなど、苦い経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
一方で、取引先のお客様と一緒にカラオケに行ったことがきっかけで気に入っていただき、受注が困難と思われた大きな案件を受注できたという経験をもつ営業マンの話もあります。カラオケは、振る舞い方一つでお客様との心の距離をグッと縮めるきっかけにもできるのです。
今回は、基本的なマナーから得意の芸を最大限活かす方法まで、ビジネスの場面におけるカラオケ活用術をご紹介します。
【事前準備編】お客様の音楽の趣味を押さえておく
カラオケに行く前に、お客様の音楽の趣味は、事前にある程度押さえておきましょう。
これにより、誤ってその方の十八番を先に歌ってしまうという失敗は避けられます。また、その方の歌う曲特有の節などがあればそれも覚えておくと、盛り上げに一役買えます。
矢沢永吉の『止まらないHA~HA』、長渕剛の『とんぼ』、浜田省吾の『悲しみは雪のように』など、ライブでファンと一緒に歌う箇所がある曲は、一緒に歌うなどして盛り上げましょう。
初めて一緒に行くカラオケであれば、お客様も少々緊張しているかもしれません。せっかくなので相手の方が少しでも歌いやすい雰囲気を作るよう努めてください。みんなで楽しめる空間にするという意識を持つようにしましょう。
【基礎編(これをやったらNG!)】
ここでは本当に初歩的な心構えとして、ビジネスカラオケでのNG行為を挙げていきます。いい大人ならばできて当然のことばかりですが、酔った勢いでついやってしまわないよう気を付けてください。
◆入室して真っ先に歌う
言うまでもありませんが、接待の2次会など、ビジネスカラオケでこれは論外です。あなたが初めにするべきことは、全員の一杯目の飲み物を聞き、素早く注文することです。それまでにいくら飲んでいても、ここは絶対に外さないようにしましょう。
◆トップバッターを頼まれて、いきなり鉄板曲を歌ってしまう
乾杯後、『○○くん歌ってよ』と言われた場合には、最初の1曲を歌っても良いでしょう。トップバッターで歌うのを恥ずかしがる方も少なからずいらっしゃいますからね。
ただし、ここでひとつ注意点があります。どんなに歌いたい曲や、絶対に盛り上がる鉄板曲があっても、1曲目ではグッと我慢し、温存してください。
1曲目は誰もが知っていて、口ずさめるような曲を入れて、その後に誰でも歌いやすい雰囲気を作ることが重要です。たとえばカラオケに行ったメンバーが20代〜30代前半であれば、その世代が中高生だった時に流行した19の『あの紙ヒコーキくもり空わって』や、ZONEの『secret base~君がくれたもの~』、TOKIOの『love you only』などは、その世代であれば誰もが知っているのでいいでしょう。一発芸のような曲はあとで歌うことにして、序盤に部屋の一体感を作っておいた方が後々あなた自身が楽だということを頭に入れておいてください。
◆2曲連続で歌う
接待カラオケで自ら2曲連続で歌うのは論外です。一度歌ったら、基本的には全員が最低一度ずつ歌い終えるまで順番を待ちましょう。
あなたの歌唱力が好評だったり、場を盛り上げるのが上手だったりする場合には『もう1曲歌ってよ!』と言われるケースもあると思いますが、初めのうちは遠慮しましょう。それでもなお、強い要望があった場合には連続で歌うのもアリです。
◆ハモれないのにハモろうとする
これは多方面から頻繁に聞かれる意見です。『人が歌ってるのに勝手にハモってくるな!』というご意見はごもっともですよね。
でもこれ、実はちゃんと綺麗にハモれていれば嫌な顔をされることはほとんどありません。どんな曲でも綺麗にハモることができるの人は、お客様の方から『○○くんハモってー♪』と頼まれることもあります。
必要なのは「特別良い声」ではなく、正確な和音でハモれること。主旋律を歌っている方気持ちよくなれることが重要です。また「ハモるときはマイクを使わない」のも実は重要なポイント。“ハモりはあくまでも曲を際立たせるための黒子”という姿勢を示すと好感度アップが期待できます。
つまり、裏を返すと嫌われるのは「大して音感も無いのにマイクを持ってハモってくる奴」です。不協和音になってしまってはもはやハモりでも何でもなく、ただの雑音になってしまいます。マイクを握りしめ、メインの人よりも大きな声で歌いだした日には目も当てられません。
ここまでにあげた当たり前ともいえる最低限のマナーを守り、なおかつ誰もが知っている歌を数曲レパートリーに持っていれば、ビジネスカラオケで困ることはあまり無いでしょう。
【応用編】
これらの最低限のマナーを守った上で、「君、おもしろいね!」と相手に気に入ってもらうための方法を、応用編としていくつか紹介していきます。
◆ダンスを踊りたい人は本人映像を選択すべし
歌って踊れる特技をお持ちの方は、せっかくなのでその特技を最大限活かしましょう。
まず、自分が踊る曲の本人映像が用意されているかどうかを確認してみてください。三代目 J Soul Brothersの『R.Y.U.S.E.I』や、一昔前だとモーニング娘。の『LOVEマシーン』のように、一般にかなり知れ渡った振り付けの場合や、ご自身のダンスのクオリティが相当に高い場合は、本人映像が無くても問題ありませんが、基本的には本人映像と共に踊ることをお勧めします。
なぜなら、見ている人たちが“本人映像とあなたのダンスがシンクロしているのを確認できる”状態で見せるのがウケる鉄則だからです。本人映像ではない、ただのカラオケ映像が流れる中で踊られても、本当にその振り付けで合っているのかどうかが見ている人たちには分かりません。AKBやEXILEなどであれば大半の曲が本人映像ですし、ライブ映像が用意されている場合もあるので、良さそうなものを選びましょう。
◆踊りたければ迷わずモニター近くの席を取れ
次に席の選び方ですが、ダンスを踊りたければモニター近くの席につくのが鉄則です。部屋内のポジショニングによって、盛り上がり方は大きく変わりますので、ここの判断は超重要です。
部屋に着きドアを開けたら、まずはモニターの位置を確認してください。モニターが部屋の奥にある場合は自ら奥に詰め、手前にある場合は「私はトイレ行くので、皆さん先に入っちゃってください」とか適当な理由を付けて他の人を先に入れ、自分は一番最後に入室しましょう。こうすれば、自分が予約した曲がスタートするタイミングでその場で立つだけで、モニター横の絶妙のポジションを確保することができます。
あなたがモニターの横で踊れば、見ている人たちはモニターに流れるアーティスト本人のダンスと、あなたのダンスを同時に視野に収めながら快適に楽しむことができます。あなたの動きがモニターの中のメンバーとシンクロすればするほど、部屋の熱気を急激に高めることができるでしょう。またこの際、モニターを見るために振り向く回数を極力少なくできるよう、歌詞はある程度覚えておくことも強くお勧めします。
◆時間差でマイクスタンドを頼め
カラオケによってはマイクスタンドの貸し出しを行っている店舗があります。借りれば手軽に“ライブ感”を演出できますし、バンドの曲などにはぴったりです。
その際のポイントは、入店後少し経ってから、周囲にバレないように注文すること。店員さんが「失礼しまーす!」と言って持ってきたスタンドをあなたが「あ、はいはい頼んでたやつね、どうも~」と当たり前のようにスマートに受け取れば、『いやいや、何でそんなの準備してるんだよ(笑)』という感じでひと笑い取れます。場を盛り上げるのは、何もパフォーマンスだけではないのです。
◆ペンライトはカラオケでも大活躍
アイドルのライブイベントなどで多用されるペンライトですが、カラオケでもタイミング良く使えばかなり強力な盛り上げツールとなります。
マイクスタンド同様、最初から出してしまっていては何も面白くありません。出すタイミングとしては、“その日最初のみんなで歌える盛り上がり曲”が来たときです。事前に包装を剥がした状態で手荷物に入れておき、いざその時が来たら手際良く折ってササッと周りに配りましょう。歌い始めた人も、突然のカラフルな灯りに驚くこと間違いなし。カラオケをライブハウスにしてしまいましょう。
年末の忘年会シーズンには、パーティグッズを揃えてくる人もよく見掛けますが、有名人の変装マスクのような出落ちにもならないグッズを買うお金があるなら、ペンライトを用意する方がよほど効果大です。
◆楽器を使う
ここ数年、カラオケのライブハウス化が進んでいます。ステージやミラーボール付きのパーティルームを完備する店舗も増えていますが、実は楽器の使用ができる機種もあるのです。
例えばJOYSOUND f1では楽器とシールド(楽器とアンプ等を繋ぐケーブル)を用意すれば、簡単にカラオケ機器に楽器を接続することが可能です。エレキギターを繋いで間奏でギターソロ、なんてこともできます。
ただこれは荷物が大きくなりますし、その日の流れや全体の雰囲気をよく観察して使わないと出過ぎた行為になってしまう危険性がありますので計画は慎重に。社内の大忘年会など内輪の集まりで、ここぞというときに飛び道具として使ってみる方がいいかもしれません。
まとめ
いかがでしたか? 当たり前ともいえる最低限のマナーを守り、なおかつ自分なりの盛り上げ方を知っていれば、ビジネスカラオケで困ることはあまり無いでしょう。ぜひみなさんも、カラオケで笑いと仕事を取ってきてくださいね!
<文・福田 悠>
1985年11月29日生まれ。法政大学社会学部を卒業後、新卒で入社した大手文具メーカーを4年半で退社し、2012年にフリーライターに転身。執筆活動の傍ら、最近はギター片手に都内でのライブイベントにも出演しており、“シンガーソングフリーライター”として活動の幅を広げている。
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