ドーナツの歴史、そして最新のトレンドとは?
今や知らない人はほとんどいないほど、身近な食べもの、ドーナツですが、その歴史は遥か先史時代にまで遡るといいます。
本書『ドーナツの歴史物語』は、知られざるドーナツの歴史をさまざな文献を参照しながら探っていき、なかでもドーナツはなぜアメリカを象徴する典型的な食べものとなり得たのかについて、”ダンキンドーナツ”や”クリスピー・クリーム・ドーナツ”といった大手ドーナツチェーンの歩みを紐解きながら迫っていきます。
1929年から39年にかけての大恐慌の際にも、低価格のカロリー源として普及し、労働者階級にとってなくてはならない食べものだったというドーナツ。低価格・大量生産できる食べものとして定着していたドーナツですが、2000年頃からは、高級志向・健康志向のドーナツが登場。「最高級の地元産の、なるべく有機栽培された卵や牛乳、小麦粉を材料にした高品質の手づくりドーナツ」(本書より)が続々と生まれてきているそうです。
たとえば、アメリカの”ベストドーナツ店”上位に頻繁に選ばれる、ポートランドの”ブルースタードーナツ”の成功の秘訣は、高品質の材料を使って一貫した水準でつくるブリオッシュ生地の手づくりドーナツにあったといいます。
そして、そのなかでも人気なのは、ブルーベリーバーボンバジルグレーズド、マイヤーレモン、ケリーライムカード、コアントロークレームブリュレといった、定番のドーナツに新たな解釈を加えた、新発想のフレーバーなのだといいます。
“ドーナツプラント”の生みの親、ニューヨークのドーナツの名職人マーク・イズリアルさんもまた、「私たちが情熱を傾けて目指しているのは、お客様に世界最高のドーナツを毎日、手に入る最高級の材料を使って提供すること」と述べているように、最新のトレンドは「高級かつオーガニック(有機栽培)の厳選された原材料をもちいてつくる、新発想のデザイナードーナツ(ドーナツシェフによるグルメドーナツ)」(本書より)にあるようです。
ドーナツをめぐる歴史と、新たなトレンドの誕生。単に”揚げ菓子”という一言では片付けられない、意外にも奥深いドーナツの世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。
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