枝野長官、福島第2 汚染水放出検討に「慎重な取り扱いを」
枝野幸男官房長官は2011年6月8日午後の会見で、東京電力が福島第2原発のタービン建屋などにたまった放射性汚染水約300トンを海に放出する検討をしていることについて、国で定められた排水基準値内であっても漁業、水産業関係者等に対して「丁寧な説明や方法の工夫」を行い、「慎重な取り扱い」をすべきとの見解を示した。
東電によると汚染水は放射性物質の放出限度以下まで処理する方針で、ゼオライト等で放射性物質の除去等を行った後、全国の原発で従来から行われているように海に放出する。現時点では正式決定ではなく実施時期も未定となっている。
枝野長官とニコニコ動画記者(七尾功)とのやりとりは以下のとおり。
七尾記者: 原子力安全・保安院が東京電力側からの報告を受けて、福島第2原発のタービン建屋などにたまった放射能汚染水を海に放出することを検討しているとのことだが、このことについてご見解を。
枝野官房長官: 従来の原子力発電所では平時においても、放射性物質の量が一定水準以下のものについては、そういった(海への放出等の)処置がなされていたと承知をしている。ただ事故以来の様々な状況の中で、特に漁業、水産業関連の皆さんをはじめとして、風評に対する心配を含めてお持ちになられるのは当然だろうと思うので、環境に対する影響等についての十分な説明とご理解を求める努力を、まずはする必要があるだろうと思う。
七尾記者: 政府としては海洋放出という点についてどの考えているか。
枝野官房長官: ご承知のとおり原子力発電所事故とか、原子力発電に関係がなくても我々の社会は放射性物質が平時から水であれ空気であれあるわけで、そことのどれくらいの違い・・・つまり環境に対する影響がどの程度かということで、低レベルの放射性物質についての処理については様々な基準やルールが決まっていると承知している。
当然のことながら平常時においても許容される範囲というのはあるわけで、そうした範囲であっても今般の事故以来の状況を踏まえるならば、漁業、水産業関係の皆さんをはじめとして、風評等への不安など様々なことがあるので、ここは丁寧にご説明を申し上げたりあるいはやり方等についても工夫の余地はあるだろうということで、慎重な取り扱いをしていただきたいと思っている。
(七尾功)
◇関連サイト
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・[ニコニコ生放送]福島第2の海洋への放出に関する質問から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv52559015?ref=#26:05
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