『シリーズ 記者が見たヲタ的台湾旅行記』~第2回 食べ物~
一流キャリアはもちろんのこと、LCCも就航する台湾。
気軽に行ける旅行先で大人気なのはすでにご存じだろう。
3泊4日の台北取材旅行で記者が見たヲタ的旅行記を、時系列ではなくカテゴリーに分けて紹介する「シリーズ 記者が見たヲタ的台湾旅行記」全3回。
シリーズは「乗り物」、「食べ物」、「宿泊・観光」というカテゴリーで紹介する。
なお、今回は現地取材でお世話になった『Dr.データ復旧』東京オフィスの渡辺さんが通訳と案内をしてくれた。
(参考記事)
東京で対応できない場合は台北で! “HDDの病院”『Dr.データ復旧』台湾本社に行ってみた
https://getnews.jp/archives/1189262
第2回は食べ物編。ツアー参加者の中には不評が伝えられる台湾の食。
見た目ではなく、日本人の口に合う、味で勝負の台湾の美味しいものを捜し歩く。
火鍋は辛くない
いきなり看板で申し訳ないが、火鍋屋の人材募集看板。
日本語では「人材」と書くが、台湾では材木や材料の材ではなく、才能の才と書くところが面白い。
しかも募って集める募集ではなく、招いて募ると表現するのが、日本語と異なる。
聞いたところによると、台北の最低賃金は時給換算で100元とのことだから、最低賃金よりは少し高いということになる。
日本でもおなじみの火鍋。
辛そうに見えるが、そんなことはなく見た目で判断してはいけないのが台湾料理だ。
日本人では苦手な人が多い香辛料はさほど多くなく、漢方薬系の材料が最初から入っているのが日本との違い。
鉄瓶にお茶が入っていて、まずはお茶で一息つくのが台湾流の火鍋なのか。
洗濯物のような肉と、写真手前はつくね。
台湾のつくねは、どこで食べても、ものすごく美味しい。
肉は肉の味、エビはエビの味がちゃんとする、まやかしのつくねではない。
エビは台湾ではポピュラーな食材で、日本のように高くないのか、どんな料理でもふんだんに入っている。
台湾の瓶ビールは漢字で「生」と主張している。
肉の置き方にこだわりがあるのか、こちらは巻いている。奥のガラス急須はドライアイスが入ったただの演出。
試験管に入った「飲むお酢」、と説明されたが、醸造酢ではなく少し甘い美味しい酢としか表現のしようがない。
こってり火鍋の後にはさっぱりして胃にもやさしい。ストローで飲む。
コンビニは日本語だらけ
ホテル近くのセブンイレブンにあったおでん。
だけど、色は少し赤い。食べてないのでわからないが、ピリ辛なのかもしれない。
リプトンのなんだかよくわからないコーヒー系の飲み物か。
缶ビールは日本のブランドが大半を占める。
おなじみカラムーチョ。漢字も当て字でカラムーチョと読むらしい。
日本のメーカーが進出しているから日本のおなじみブランドが多いのは当たり前として、日本語をそのまま使うのは理由があって、メイドインジャパンであることがわかるのだという。あえて平仮名やカタカナを残すことによりメイドインジャパンの質の良いものであることを暗に示している戦略なのだそうだ。また、台湾の人々も日本語が書いてあると安心すると聞いた。
初めての朝ごはん専門店
台湾には朝ご飯屋というものがある。
カフェやコンビニではなく、伝統の朝ご飯屋だ。
早朝から昼まで営業している朝食専門飲食店で、店頭に並んでいるものを選んでもいいが、作りたての温かいものが必ず出てくる。
台湾の人は水や牛乳はあまり飲まないという。多くは豆乳を飲む。街で大きなドリンクカップを持って歩いている人を見かけたら、午前中なら大半は豆乳だという。しかし、これだけは日本のものよりも断然おいしい。甘くさっぱりした誰でも飲める美味しいドリンクだ。
写真上の長いものは日本で言うと揚げパン。これがまた美味しい。家庭で作ることは難しいので、台湾の人はこういった朝ご飯屋で食べることが多い。
写真左は大根もちでそのまま食べる。右はチジミのようなものを砂糖しょう油のたれにつけて食べる。
いきなり、でかい太巻きのようなものが出てきて面食らったが、のりで巻いているわけでもないし、炊き立てのご飯のようで熱くて持てない。
日本にはない食べ物なので、説明が難しいが、炊き立てのご飯をお店の人がラップの上で具だくさんに巻いた太巻き大のおにぎりと言うしかない。
中には肉のそぼろや、小エビのフライがこれでもかというくらいに、たっぷり入っている。ご飯と具が同量くらいだが、これ一つで茶わん一杯のご飯とおかずが取れる。店舗によって具材は違うようで、好みの店を見つけるのも楽しい。
小籠包は注文を受けてからせいろで蒸されて出てくる。
ほとんど肉で詰まった小籠包の中身。
前述の太巻き風おにぎり専用の調理台。
普段漢字を使う日本人なのに、漢字のメニューを見てもさっぱりわからないのが悩ましい。
台湾では焼きギョウザもポピュラーで、よく食べられるという。
ショッピングセンターのフードコート
フードコートにも日本語が並ぶ。というか、これは大阪のお好み焼き屋。日本語があると行列になる。
記者が入ったのは、多国籍ワンプレートランチの店といったところか。
シンガポール風とんかつプレートというしかない、ランチセット。これにつくねの入った肉のスープが付く。
ドリンクは水ではなく、梅のジュースがついていた。
食べ歩きは大歓迎
台湾では屋台に限らず、店舗でもテイクアウトして路上で食べることが多い。食べ歩きというよりも、歩きながら食べるのが台湾流。
コンビニで売られているようなカップドリンクだがさにあらず。
ちゃんと店で好みに合わせてオーダーする黒タピオカのミルクティ。
持ち帰り用に密封してくれるので、ストローを刺してもこぼれない。
しかし、サイズはでかい。全部飲むのに一苦労するほどでかい。
嫌なにおいが漂ってきたと思ったら、「臭豆腐」と書いてあった。これは日本語でも同じ意味だろう。
一刻も早く立ち去りたいが、通訳兼案内役の渡辺さんと、同行中のお友達数人から、是非とも日本人に食べてほしいとリクエストが来る。
記者たるもの、食わずしてにおいだけで食べ物を評価するのは「食わず嫌い」となり、主義ではない。
これは日本人としてやらねばならぬことだろうと、オリンピック選手の気持ち…はわからないが、ともかく食わねば日本人の名折れと、1つだけ飲み込まずちゃんと味わって食べた瞬間。
拍手喝采雨あられ。日本人がちゃんと食べてくれたと周りに言いふらしている。
実際の味は、素揚げにした匂いのきつい豆腐で、食べてしまえば匂いは気にならないが、20メートル風下に立てばわかるほど強烈なにおいなので、唯一あまり食べたくない台湾料理となった。
大行列のお店で立ち止まり、ここも美味しいから食べなさいと持ってきたカップ麺のようなもの。
日本のそうめんのような麺なのだが、カツオとしょうゆだしで煮込んであってとろみがある。具はホルモンという不思議な取り合わせ。
日本人も食べていたが、結構おなかいっぱいになる。
いい加減に食べ歩きは疲れたので、休息しようと入ったのが、かき氷専門店。
記者がオーダーしたのはパッションフルーツソースがかかったもの。
やはりでかい。どんぶり1杯くらいは軽くある。
同行してくれたリン・シュインさん(27)がモデルとなって器を持ってくれたので、そのでかさがわかるだろう。
コンビニで買い物
コンビニでお弁当とおやつを買ってみた。
日本でもお弁当を買うと温めてくれるが、それは台湾でも同じ。しかし、日本のお弁当用ビニール袋はよく工夫されているがそれでも他の荷物と持っていると倒れてしまう。
台湾はこのような編んだ不織布でできたかごに入れてくれる。これならば倒れることはない。
台湾ではご飯は暖かいものと相場が決まっているので、お弁当はあまり流行らないという。
手軽に温かいものが外食で安く食べられるので、コンビニと言えども弁当の種類は多くない。
日本語で書くと「新国民便当」となる。名称もパッケージのイラストも戦時中のようなノリだが、台湾では弁当とはそういう認識なのだろう。
他にビーフジャーキーや豆菓子を買ってみた。
レシートに明細は書いてなく、専用アプリでバーコードを読み取ると表示される仕組みのようだ。
QRコードを読み取ってもそれらしきものは出てきた。
弁当は、東南アジアで最も多い弁当のスタイル。ご飯の上に肉が1枚乗ったもの。味は悪くなく、日本でも好まれそうな甘辛い味付け。
朝ご飯を再考する
台湾の人は言う。「日本人は早朝から深夜まであんなに一生懸命に働いているのに、朝ご飯を食べない人が多いのが信じられない」と心配された。
言われてみれば、脳の唯一の栄養源であるブドウ糖は、本来はお米(ご飯)を消化分解して供給される。それを忙しいとかダイエットだとかで、朝から絶ってしまえば脳がまともに働くはずはないのだが、台湾の人に心配されている日本人の朝ご飯。
台湾の食レポのはずだったが、今一度見直してもいいのかもしれない。
第3回(最終回)は、宿泊・観光編をお伝えする。
※写真はすべて記者撮影
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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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