北極圏の巨大カニ「キングクラブ」とタラバガニの意外な関係と文化の違い

北欧、特に最北の北極圏では「キングクラブ」が名物グルメ。キングの名が付く通り、とても大きなカニで、長い足や大きな爪などが特徴だ。

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しかしこの大きなカニ、どこかで見たことがあるかもしれない。そう、日本の「タラバガニ」にとても似ている。

実は、北欧のキングクラブとタラバガニは、ルーツが近い。タラバガニが日本だと北海道が本場なのに対し、キングクラブはロシアのカムチャッカ半島が原産。つまり、ほぼ同じカニと言っていい。

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北極圏のキングクラブは1960年ごろ、ノルウェー対岸のロシアで、カムチャッカ半島から持ってきたキングクラブを放流し、海に天敵がいなかったために大繁殖し、ノルウェーにも歩いてたどり着いた。

夏は白夜、冬は極夜とまさに極地だった北極圏の漁村は、キングクラブで一気に繁栄。現地を訪れる観光客の名物グルメとなったのに加え、世界の主要都市にある高級レストランにも輸送されている。

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北極圏では、「キング・クラブ・サファリ」というツアーが人気。ボートに乗り、海で養殖するキングクラブを水揚げし、生きたキングクラブをその場で解体し、茹でて味わう。その味はもちろん新鮮でとてもおいしい。

大きなキングクラブを包丁でさばく様子は圧巻だが、もっと驚くのは、甲羅の部分を海に投げ捨てること。日本人が好む「かにみそ」は、コレステロールが多いとのことで食べずに捨てるのだ。

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ツアーでは、キングクラブは食べ放題。とはいえ、1本の足からとても大きく、身が詰まっている。筆者は結局、最大5本が限界。大人の男性でも5、6本食べられれば御の字だろう。それほどこのカニは大きかった。

なお、このツアー参加は1人4~5万円はする。タラバガニが1kg1万円ほどからあるとすると、ノルウェーの物価高もあり、かなり高いグルメだ。それでも世界中からキングクラブを食べに旅行者が訪れるという。

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なお、置いてあった調味料は、マヨネーズとレモン。北極圏ではパンに乗せてマヨネーズをかけて食べるのが一般的とのことだった。

日本人だと、しょうゆやポン酢が欲しいところ。しょうゆが置いてあるツアーもあったが、ポン酢はさすがに北極圏では見かけなかった。どうしてもポン酢で味わいたかったら、船に乗る前に必ず持参を。

(Written by AS)

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