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永井豪先生“ぶっちゃけ”1万字インタビュー 『サイボーグ009 vs デビルマン』上映記念

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『サイボーグ009 vs デビルマン』が、2015年10月17日より2週間限定で上映スタートした。『サイボーグ009』そして『デビルマン』と言えば、日本漫画界の巨匠である石ノ森章太郎先生、そして永井豪先生の代表作である。

幾度となく映画やTVアニメ化がされたこれらの作品が、なんとコラボ作品として発表されたのだ。

日本漫画史に深い深い痕跡を残した『デビルマン』。その作品の印象から作者である先生には“強面”な印象があるが、ご本人は極めて柔和で、笑顔の絶えないインタビューとなった。(もっとも、『ハレンチ学園』や『けっこう仮面』といった作品もあるので一概に強面と決めつけるのは間違いだが)
かつて、石ノ森章太郎先生の元でアシスタントをしていたという永井豪先生に、今回の映画をはじめ、石ノ森先生との思い出や、デビルマンにまつわる裏話など、様々なお話を伺うことができた。

サイボーグ009を全部殺しちゃうんじゃないかと心配していた

― 今日はとても緊張しています。よろしくお願いいたします!

永井豪先生(以下永井豪):あははは。よろしくお願いいたします。

― 『サイボーグ009 vs デビルマン』、先生は既に全てご覧になられたとうかがいました(※)。ご覧になられた感想をお願いします。
※『サイボーグ009 vs デビルマン』は3話構成。フライヤー制作時点で先生は第1話しかご覧になっていなかったが、インタビュー時点で全てご覧になっていた。

永井豪:とにかく面白かった! あと、サイボーグ(009)たちのキャラクターを壊さないで済んだ、と(笑)。
最初は本当、全部全員殺しちゃうんじゃないかと心配していました。デビルマン強いからねえ(笑)。そこらへん、うまいこと、やってくれていて。ギリギリまでどうなるかわからないみたいなところが、展開の仕方もうまかったと思いますね。「良くできたなあ」、という思いです。

それぞれのキャラクターの違い、作風の違いみたいなのも含めて、きちんと出ていたなあと思って。その辺も良かったですね。『サイボーグ』も『デビルマン』も、キャラ壊されずに済んだ、という(笑)そういう気持ちがあるんじゃないかと思う

「キャラクター的なイメージが変わっちゃうんじゃないか」、みたいな不安を持つ方も安心して観れると思います。

「アニメはアニメとして面白ければいい」から口出ししない

― 石ノ森先生の作品も、永井先生の作品も、数多くアニメ化されてきました。原作者の立場から見た“アニメ化”について、どういった感じでお考えですか。

永井豪: アニメって一人で作れないので、アニメのどなたかに委ねる形になります。ですので、(原作者としては)完全にコントロールが出来ないものと思っています。石森先生がどう思っていたのかはわからないですけれども。僕は最初から、ハッキリ、アニメは自分の作品、漫画とは一緒にならないとすごく自覚していましたので、アニメはアニメとして面白ければそれでいいんだ、というスタンスでしたね。

自分は自分で頑張って面白い漫画つくるけど、アニメはアニメで「題材提供したんで好きに面白くしてください」って。あんまり口出ししない、っていうか、下手に口出しすると、自分(原作)に寄せようとし過ぎて、(アニメの)監督なりの個性を損なってしまう可能性があるから。監督自身が「俺はこう作りたいんだー!」というのを思う存分作ってくれたら、必ずいい作品になると思うんで。ほとんど口出ししないんです。

― 『デビルマン』も、漫画とアニメでは確かに随分違うところがありました。両方ともそれぞれ、いい作品として独立しています。

永井豪: ええ、そこは、はっきり分かれてていいと思います。

― 手塚治虫先生はかつて、ご自身でアニメも作っちゃいたい、とスタジオも作られてましたね。

永井豪: 手塚先生は全てご自分で、ひとりで描けるなら全部自分でやっちゃう。(僕は)そこまでは出来ない、って割り切ってますけどね。

シレーヌとデビルマンが……×××

― 過去のアニメ作品に関しても、永井先生は全く口を出されなかったんですか?たとえば、『マジンガー』シリーズにしても、『デビルマン』にしても。

永井豪: 一応、設定の段階では「こうしてほしい」という希望は言うんですけど、スタートしたら極力言わないようにしていました。『マジンガー』なんかでも「重みが出るように」とか「大きさが感じられるようにしてください」とか、細かい注文含めていろんなこと言ってましたけど。スタートしちゃったらあまり言わない。むしろ向こうの方から注文が来るので、それに沿って色々作ったりとかしていました。

「こういう話をシナリオライターが書いたんで、それに合うようなキャラを作ってください」とかね。そういうのが来るんですよ。結構あります。だから、敵のキャラを次から次へと作っていました。

(アニメの)『デビルマン』の時もシレーヌなんかは辻さん(辻真先さん)が「女のデーモンのシナリオ書いちゃったんですけど」って言ってきたんだけど、その時点で女のデーモンって(僕は)作ってなかったんだよね。じゃあ、こんなのでどうですか、っていうことで作ったんですよね。最初に背中に翼付けてて当たり前だな、って思って、(翼を)頭持ってきたらこれは面白い、って(笑)。 自分でも気に入っちゃってね。スカートとかつけるのは違うなと思ったんですが仕方なく描きました。本当はもっとエロっぽい格好で(笑)。

― 漫画版ではシレーヌとデビルマンでヤラせちゃおう、なんて話もあったとか聞きました

永井豪: ああ、それは、頭の中で思ってたことで(笑)。実際はそんなことやったら大変です(笑)。さすがに編集部でも無理なのはわかってましたから、そこまではやろうとは思ってなかったけど、頭の中では「やってみたいなあ」、「描きたいなあ」と、本当は思ってました(笑)。

美樹ちゃんのお母さんが“真っ二つ”で編集部激怒

― 当時の編集部では、やはり作品の表現をめぐって議論なども起こってたのでしょうか。

永井豪: 多分、大変だったと思いますよ。何度も、これは(表現を)押さえてくれとか、その都度、突っ張ってはやって、どうしてもダメだったら、何回か電話が来て。
(現在連載中の)『激マン!』では描きましたけど、美樹ちゃんのお母さんが真っ二つになってるシーンとか(笑)。
僕が「真っ二つになってる方が、どんだけひどい目に遭ってるかわかるじゃないですか!」って言ったら「真っ二つじゃなくてもわかります!」って(笑)。

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記者:

「予備校生のような出で立ち」で写真撮影、被写体(スチル・動画)、記者などできる限りなんでも、体張る系。 「防水グッズを持って水をかけられるのが好き」などの特殊な性質がある。 好きなもの: 食べ物の写真、昔ゲーム(の音)、手作りアニメ、昭和、穀物

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