向き合うことでメンタルヘルスへの理解が深まる アイトラッキング技術を活用した最新型写真展が開催中
10月10日(土)の世界メンタルヘルスデーに合わせ、東京駅近くの丸の内オアゾ1階OO広場(オーヒロバ)では、『向き合うと、変わりはじめる写真展』が開催されています。「向き合うと、変わりはじめる~」とは果たしてどういうことなのでしょうか。さっそく写真展に足を運んでみました。
脳やこころに起因する精神疾患(うつ病、統合失調症、不安障害など)、およびメンタルヘルスへの理解促進を目的とするNPO法人シルバーリボンジャパンが主催したこの写真展は、“知療”、つまり周囲の人が理解しようと向き合うことが患者の回復のサポートになる、という認識を社会に広めることを目指しています。
会場には大きなパネルと、その前にそれぞれ椅子がひとつ用意されています。パネルに写る人たちは皆うつむいて暗い表情。そして、顔の部分がモニターになっているようです。
実は、彼らは精神疾患から回復を果たした元患者たち。来場者はひとりずつ椅子に座り、彼らと「向き合う」ことで写真展を体感するのです。
この写真展ではアイトラッキング技術が活用されており、モニター下のセンサーが来場者の視線を感知し、今どこに目が向けられているかを認識します。
モニターに文字が表示されましたが、向きがバラバラでうまく読むことができません。
しかし、読みたい個所に目を向けると、その視線をセンサーが感知して徐々に文字が整列していき、「当時は病気の情報が少なく、友達にも病気を打ち明けられなかった」などのリアルな体験談を読むことができるのです。
一度読んだ文章は消えていき、代わりに元患者の表情に変化が……。
目と耳を向けることで彼らの思いを理解し、文字通り悩みを“解消”していくというワケです。
『向き合うと、変わりはじめる写真展』デジタルサイネージ(YouTube)
https://youtu.be/TuMfAKWYMZU
その後は彼らが変わることができた、回復に向かうようになったきっかけの話を聞くことができ、最後には笑顔で「向き合ってくれて、ありがとう」の言葉が。ノンフィクションだからこそ伝わる精神疾患のつらさ、そして話を聞いてあげることの大切さを体験として理解できる写真展になっています。
シルバーリボンジャパン代表の関茂樹氏は、「まだまだ理解が進んでいるとは言い難いメンタルヘルスに関する諸問題に対して、先進的なイベントを開催することで、今まで無関心だった人たちにも目を向けてもらいたい。理解が促進され、精神疾患を抱える当事者が回復しやすくなる社会の実現を目指していきたい」と、写真展開催の理由を語りました。
『向き合うと、変わりはじめる写真展』は、10月11日(日)までの期間、10時から20時(最終日は18時)まで開催されています。
シルバーリボンジャパン イベント紹介ページ:
http://www.silverribbon.jp/event.php
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