手塚治虫“幻のアニメ”が46年ぶりに復活! 清水富美加が人生初のアフレコに挑戦

アテレコ

DVD化されていない、VHSに録画していたけどテープがダメになってしまった、などなど、もう一度見たいけど、どうしても見ることができない……。皆さんにもそんな番組はありませんか?

そんな貴重な映像を再び世に出すため、NHKが2013年からスタートした『番組発掘プロジェクト』。このプロジェクトは、NHKに保存されていない“幻の名作”を、家庭用のVTRなどで録画した人がいないか調査したもの。出演者、制作者、一般視聴者にも広く呼び掛けた徹底的な調査の結果、この2年で発掘された番組は全部でナント4000本にのぼるそうです。

この貴重な映像を紹介するのが、9月25日(金)の夜19:30~20:43にNHK総合(関東甲信越地域)にて放送となる『金曜eye 幻の名作 発掘大作戦!~あなたの“見たい”がよみがえる~』。『仮面ライダーフォーゼ』や朝ドラ『まれ』などで人気の、女優・清水富美加さんがナビゲーターを務め、自身初のアテレコに挑戦します。

発掘されたものの多くは、1960~70年代のもの。この時期は多くの名番組が生まれた“TVの青春時代”でありながら、当時は放送用テープが高価で、繰り返して再利用したため、ほとんどの番組が消えてしまった“失われた時代”なのだそう。

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中でもガジェット通信読者必見なのが、手塚治虫先生、幻の名作『ワンダーくんの初夢宇宙旅行』(1969)。本作は、アポロ月面着陸に先駆けて、アニメと実写の融合で宇宙旅行を描いた実験作で、46年ぶりに復活する貴重なもの。しかし、見つかったのは映像のみで、“完全版”を再現するために、当時のスタッフが集結。さらに主人公の少年の声を清水富美加さんが「人生初」のアテレコに挑戦するという、楽しい企画です。

清水富美加さんのコメントは以下のとおり。

清水富美加さん2

Q1:初めて挑戦してみたアテレコはいかがでしたか?

これまでに自分の演技に声をあてた経験はあるけれど、自分ではないキャラクターへのアテレコは初めて。年下の、しかも男の子の役ということで難しかったけれど、やってみたら思ったより自分の素に近い形で演じることができました。アニメのキャラクター(ワンダーくん)とかけあうのは面白かった。これからもチャンスがあれば挑戦してみたいと思います。  

Q2:番組で紹介される映像について、それぞれ印象的だったことはありますか?
   
手塚治虫さんの作品『ワンダーくんの初夢宇宙旅行』は、今ほど宇宙のことが分かっていない時代だからこそ見る人の想像をかきたてるような構成になっていて、ワクワク感がありました。

山田洋次さんのドラマ『遺族』は、特攻隊の遺族の悲しみを描いたドラマです。私にとって、「ドラマは娯楽」というイメージが強かったけれどこんなにはっきりとしたメッセージがこめられた作品があるんだ、と驚きました。この番組は、これまで自分にとって遠い存在だった戦争について考えるきっかけになりました。私と同じような若い人たちに見てもらえたらいいなと思います。

Q3:60~70年代の映像をご覧になって、ご自身の中で新たな発見はありましたか?

昔は生放送でドラマを演じたり、映像を保存できなかったり、「そんな風に作っていたんだ!」という発見と驚きばかり。でも、今より制約が多い時代だからこそ、今の時代にない熱量があるように思います。自分もしっかりがんばろうと思いました。

今より制約が多い時代だからこそ、今の時代にない熱量がある。どんな映像なのか、そして“ふみカス”のアフレコがどのような完成となるのか、期待がふくらみます!

裕次郎さん

番組ではその他にも、歌番組にめったに出なかった石原裕次郎さんが全11曲を熱唱した『ビッグショー』(1975)、『花燃ゆ』の原点とも言える明治維新を描き、名作の誉れ高い大河ドラマ『花神』(1977)などが放送。黒澤明さん、つかこうへいさん、伊丹十三さんなど巨匠たちの貴重なインタビューも登場し、見逃せない内容となっています。

番組ナビゲーターは、先にもご紹介した女優の清水富美加さんと謎のモグラ。トークゲストに、石坂浩二さん、ロバート・キャンベルさん、渡辺満里奈さんが登場し「テレビも、日本も熱かった時代」からの熱いメッセージを受け取ります。永久保存版です!

NHK『金曜eye 幻の名作 発掘大作戦!~あなたの“見たい”がよみがえる~』
放送日時:9月25日(金)19:30~20:43(総合、関東甲信越地域)
http://www.nhk.or.jp/shutoken/eye/

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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