堀江貴文被告緊急記者会見(3) 「日本では、お上に逆らったら首を切られる」

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 堀江貴文被告は2011年4月26日17時から、都内で自由報道協会の主催により開かれた記者会見に出席。堀江被告は、最高裁から上告を棄却されたことにより近く収監される見通しとなっている。証券取引法違反の罪に問われていることに対して無罪を主張するだけでなく、日本の検察・司法制度そのものにも異を唱える堀江被告。会見では「日本の司法制度の根底にある大きな流れは江戸時代の『お白洲』。お上がすべてを決めて、お上に逆らった奴は首を切られる」と語った。

堀江貴文被告緊急記者会見(2) 「マスコミの歪んだ正義感で犯罪者にされる」

 以下、本記者会見全文。

フリーランス・畠山理仁氏
 先ほどテレビや新聞の報道がイメージを作ってしまうということで、堀江氏のイメージはかなり新聞テレビで作られた部分もあると、本人も思っていると思う。収監されるとテレビや新聞が自由に見られなくなるがどう思うか。困るのか、困らないのか。

堀江貴文氏(以下、堀江氏):
 逆に最近テレビ、新聞見ていない。新聞はだいたいネットで見る。テレビも面白そうな番組だけ、ネットで流れてくるものをチェックして見たりすることはたまにある。基本あまり見ないので、逆に久しぶりに接してみるかというのもある。なぜか拘置所はテレビを見られないのに刑務所の中では見られるらしいが、ゆっくり本を読む機会だと思う。自宅に溜まっている本、3ヵ月で前回は200冊読んだが、今回2年半あるので、2000冊くらい読めるかと思っている。

司会・自由報道協会暫定代表・ジャーナリスト・上杉隆氏(以下、司会・上杉氏):
 自由報道協会の会員はお金を払っており、本日の会見もその会費から運営している。申し訳ないが、最初は自由報道協会のメンバーから質問に当てる。その後、皆全員に当てるので理解をお願いしたい。

フリーランス・シマダ氏
 会見を今見ていて、実刑が出たといういことで、運命を受け入れているという雰囲気を感じるが、今の感情的な気持ちはどのように受け止めているか。

堀江氏
 高裁判決を受けたときは正直結構ショックだったが、最高裁は最後なので結構ボーとしている感じ。やっとひとつプロセスが進んだということで、こういう気持ちになるとあまり思わなかった。正直言って割とスッキリしたというか。悪い結果で非常に残念だし悔しいけど、悔しいとか残念だという気持ちはあまり湧き上がってこず、なにか人生ゲームの駒が一個進んだような感じ。

司会・上杉氏
 そちら、2列目の一番奥の方。

フリー・ふじいりょう氏(以下、ふじい氏):
 先ほどテレビや新聞に触れてみようかなという話があったが、逆にインターネットに触れられなくなるということに関してどう感じるか。

堀江氏
 ネットに触れられない時期もあった。一度3ヵ月くらい拘置されていた。だいたいなんとなく気分的にはこんな感じだと一度経験済のことなので、それは特に心配してない。なんせ僕は人と喋るのが好きなので、あまり喋られなくなることが、一点嫌だなと思っている。

 むしろ、最近ちょっと疲れてきたというか、ツイッターをやっていて楽しいしすごくやりがいもあるのだが、たくさんの人たち、68万人くらいフォロワーがいるのだが、彼らと会話をすることはすごく楽しいし充実はしているが、逆に大変だなと最近思ってきた部分もあるので、なかなかネット環境を断たれたところに行く経験はこれからまずないだろうと思うので、いい機会。一番いいのは多分パソコン打てないこと。手紙とか字を書かなければいけないので、腱鞘炎にならないように注意しようと。

ふじい氏
 もう一点。保釈されてからの5年間の間で、一番印象に残っている出来事を教えて欲しい。

堀江氏
 何だろうな。結構色々なことがあって刺激的だった。一番が何かはわからない。

司会・上杉氏
 隣の方。

livedoor BLOGOS・田野氏
 今回の事件でライブドアの株主だった方、またニッポン放送の社員が多数フジテレビに移籍になったりと、良くも悪くも大きく人生が変わった方々がたくさんいたと思う。そのような方々に一言お願いしたい。

堀江氏
 ライブドアの株主だった方々は本当に申し訳ないことをしたと思う、本当に。色々民事裁判は粛々と進んでいるし、これからもライブドアだった会社もそれなりに健全にやっているので、その辺でなんとか勘弁して欲しいと思う。ニッポン放送とフジテレビに関しては、僕は多分あまり関係なくて、ライブドアが来ようが来るまいが、ニッポン放送はフジテレビ傘下になることは決まっていたわけだから。それは、僕は関係ないと思う。頑張ってとしか言いようがない。

司会・上杉氏
 続いて一番前の方。

フリーランス・前田真里氏
 先ほども調書の話でも出たのだが、取り調べの全面可視化や証拠の開示について、率直にどう考えているか。そして、「2000冊の本」と言っていたが、今読みたい本があるかを教えて欲しい。

堀江氏
 読みたい本は科学の本とか工学系の本とかも読みたいし、歴史、小説とかそういうものも読みたい。読みたい本は山ほどある。ただ時間が無いので読まずに山積みになって本用の部屋がパンクしそうになっている現状だったので、その本が読めればいいと思う。

 取調べの全面可視化は、これは皆が考えているより、僕は広範囲に考えている。被疑者、被告人の任意捜査の段階から当然可視化をするべきだと思う。ただ、それははっきり言って守らせる方法はないだろう。なので、弁護士の同席を100%認めることがまず必要だし、国民の間にそうなった場合には必ずICレコーダーとかそういったものを持ち歩くことをおすすめしたい。ただ、それは弁護士会とかがそういったところが啓蒙活動していかなければいけないと思うし、そういった刑事被告人か刑事参考人になった場合の対応の仕方をもっともっとPR費をかけて皆やって欲しい。そうしないと一番危険なのは取調室に入る前。取調室に入った後、つまり拘置なり留置なりされて検察官に取り調べられている時は、鈴木宗男氏や佐藤優氏の尽力もあって、かなり刑事裁判のノウハウは共有されてきている。もちろん可視化したほうがいいが、それよりも任意の段階が一番怖い。その辺の対策をしっかり進めて欲しいと思う。

 検察からは独自捜査権限を絶対に剥奪すべきだと思う。検察じゃないと捜査できないということはあり得ない。それに、検察官は人数が少ないから、人数の少ない人たちが金融商品取引法から多岐に渡る山ほどある法律をすべて網羅してちゃんと運用できるとは思えないので、それぞれに特化した形で捜査チームを作るべきだと思う。SESC(証券取引等監視委員会)を拡張するなり、公正取引委員会を拡張するなり、警察庁を拡充するなりして、必ず捜査は独立しておかなければチェックは働かないので、それは絶対にやって欲しいと思う。

司会・上杉氏
 大手メディアの方もぜひ質問して欲しい。

日本テレビ・カトウ氏
 今まで話した部分と重なる部分もあると思うが、私も読んだ『徹底抗戦』という著書があった。今回のこのきっかけは、ひとつの区切りになるのか。それとも今後直接の当事者とならない、例えば、(刑務所から)出てきた後にライフワークとして今言ってきたことは主張し続けていくのか。

堀江氏
 正直、他にもいっぱいやりたいことがあるので、あんまりやりたくはないが、もう渡りかかった船というか、乗りかかった船というか、もう仕方がない。やるしかない。そんなに好きな世界でもないし、あまり関わるとまたとばっちりを受けそうな気もするので、あまりやりたくないが、乗りかかった船なので、ある意味僕の人生の時間の全部はもちろん使わないが、ほんの少しだと思うが、それを使って訴えていきたいと思う。

 そういう声がもう少し広がっていかないと、そもそも検察制度そのものは欧米から単にコピーをしてきただけの制度で、もともと日本に根ざす、これは僕が確信していることだが、日本の司法制度の根底にある大きな流れは江戸時代の「お白洲」なので、お上がすべてを決めて、お上に逆らった奴は首を切られる。これは根底だから、この根底をまず変えること。これは明治維新でも変わらなかったので、明治維新でも変わらなくて、その後欧米から導入した検察という殻をかぶせただけなので、一回ゼロリセットをして、一から理想の司法の形、検察の形を国民全員で考えなければいけないと思う。できないと思うけど。

堀江貴文被告緊急記者会見(4) 「テレビの仕組みを変えたかった」

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]堀江貴文被告緊急記者会見、記事内全文起こし部分から視聴
http://live.nicovideo.jp/watch/lv47840618?ref=news#32:30

(山下真史/宮川幸輔/三好尚紀/土井大輔/丹羽一臣

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