オジサンは薄いのが好きなんです 最薄Androidスマートフォン『MEDIAS N-04C』製品レビュー

まず「オジサンは薄いケータイが好き」と断言しておきます。女性は携帯電話やスマートフォンをカバンに入れて持ち歩きますよね。オジサンはスーツの内ポケットやシャツの胸ポケット、オフにはジーンズの尻ポケットに入れて持ち歩く人をよく見かけると思います。ガジェットは肌身離さず持っておきたいのが男性の習性なのかもしれません。ポケットに入れるには、ゴロゴロした厚みのあるケータイより、薄いケータイが好まれるのは道理。筆者もスマートフォンに乗り換えるまでは、薄型の携帯電話を愛用しておりました。ビジネスユーザー向けに薄型携帯電話をシリーズ化しているNTTドコモは、ついにスマートフォンでも“世界最薄”とうたうNECカシオモバイルコミュニケーションズの『MEDIAS N-04C』を3月に発売。製品をお借りして、その“薄さ”を体感してみました。
・薄さを際立たせたデザイン
『MEDIAS N-04C』は、4.0インチ、854×480ドットのフルワイドVGA液晶を搭載し、厚さ7.7mm、重量105gを実現した“世界最薄”のスマートフォン。「@docomo.ne.jp」のメールアドレスやキャリア決済が利用できる『spモード』に加えて『おサイフケータイ』、ワンセグ、赤外線通信という携帯電話向け機能にも対応します。

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その薄さは側面から見ても写真では分かりづらいのですが、背面から見ると画面側の側面がさらに薄くエッジ状になっていることが分かります。これにより、手に持ったときにエッジが引っかかり、さらに薄さを感じさせる効果が。手になじむというよりは、薄い板を持っている感触が引き立つ外装になっています。
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上面にはワンセグのアンテナ、カバー付きのminiUSB端子、電源ボタンを配置。

下面にはストラップホールを配置しています。持っている様子から、薄さが感じられるのではないでしょうか。記事の終わりにガジェット通信サイトへのリンクを掲載していますので、すべての写真が表示されない場合はガジェット通信でご確認ください。

「メニュー」「ホーム」「戻る」のハードウェアキーも、本体の薄さを重視した構造。画面と同じ平面上でフラットに配置してあり、押し込むようにして操作します。
手に取ったらすぐに「薄い!」と感じるインパクトは、これまでのスマートフォンになかったもの。薄いケータイが好きなオジサンだけでなく、「ゴツい」「重い」というイメージの従来のスマートフォンを敬遠していた女性ユーザーにもアピールしそうです。
・薄さが電池を犠牲にしない工夫
薄型にしたことは、バッテリーのサイズと容量にも影響するはず。『MEDIAS』が搭載するバッテリーは1230mAhの容量。決して大容量とは言えませんが、そこはあらかじめ工夫が施されています。
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『MEDIAS』は、最初に起動した状態では『ecoモード』という省電力モードに設定されています。こちらは、画面の輝度を抑える、壁紙で動画を再生する『ライブ壁紙』をオフにするという初期設定になっており、消費電力を抑制。『ecoモード』の設定画面ではBluetoothやWi-Fi、GPSをオフにする、同期を停止するなど設定項目があり、『ecoモード』に切り替えることで一括して消費電力を抑えるように設定できます。

省電力の工夫がもうひとつ。画面上部には照度センサを搭載し、周囲の明るさに合わせて画面の明るさを自動で調整できます。同じ場所には近接センサも搭載。こちらは、通話中に顔を近づけると、画面からタッチが有効なアイコンを消すことで誤動作を防ぐというもの。
これらの工夫により、フル充電してから1日持ち歩いても、ほかの端末と比べて早く電池がなくなるという印象はありませんでした。スマートフォンはもともと電池を食うもの。自宅とオフィスで充電して使えば、問題なく利用できるでしょう。
・すばやく撮影できる『クイックショット』
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500万画素CMOSを搭載したカメラは、タッチパネルのみで操作する形式。本体にシャッターボタンは搭載していません。
特筆すべきは『クイックショット』のモード。通常の撮影が「カシャー」というぐらいの長さだとすると、『クイックショット』では「カッ」ぐらいの早さで撮影できます。撮影間隔は最短で1.1秒のスペック。連続撮影や、短時間に枚数を多く撮影したい場合に重宝しそうです。
・Android 2.2+“日本流”の多機能スマートフォン
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OSのバージョンはAndroid 2.2。夏には2.3へのバージョンアップを予定していますが、現行のバージョンでも『Flash Player 10.1』(レビュー時は10.2のリリース前)に対応し、『ニコニコ動画』や『ニコニコ生放送』も楽しめる十分なスペック。

アンテナを伸ばせばワンセグを視聴可能。こんなに薄いワンセグテレビと考えると、それだけでも価値が感じられます。

日本語入力システムには『ATOK』をプリインストール。ケータイ入力、ジェスチャー入力、フリック入力から入力方式を選択でき、入力中に変換候補から選んで文字を入力できます。
『GALAPAGOS SoftbBank 005SH』の製品レビューでも触れたように、グローバルモデルとは異なる“日本流”の進化を遂げつつある国産スマートフォン。『MEDIAS』は、薄型化を進めてきた“ガラケー”の流れをくむ、正統な進化を遂げた最先端スマートフォンと言えるでしょう。薄いケータイ好きなご同輩は要注目ですぞ。
……と言いつつも、早くもドコモは夏モデルとして防水機能を搭載した『MEDIAS』を発売することが明らかになっています。リーク情報によると、こちらはほぼ同じサイズで防水機能を搭載するだけでなく、Android 2.3を搭載し、スマートフォンをWi-Fiルーターとして使えるテザリング機能にも対応するというウワサ。製品サイクルが早いAndroidスマートフォンは、買い時の判断が難しいですね……。現行製品でもAndroid 2.3へのバージョンアップは予定されているので、防水やテザリングは要らない、という方は、まずショップで手に取ってその魅力を確認してみてください。
※記事のすべての写真が表示されない場合はガジェット通信をご覧ください。
『MEDIAS N-04C』主な仕様
サイズ:約W62×D127×H7.7mm(最厚部約8.7mm)
重量:約105g
3G連続待ち受け時間:約360時間
GSM連続待ち受け時間:約220時間
連続通話時間:約250時間(3G)、約250時間(GSM)
ディスプレー:約4.0インチ 480×854ドット フルワイドVGA TFT 26万2144色
外部メモリー:microSD(2GB)、microSDHC(32GB)
カメラ:CMOS 有効画素数約500万
カラー:MEDIAS Black、MEDIAS White
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宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
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