引越し前に要確認!「ハザードマップ」活用法
8月から9月にかけては、台風が多くなる時期。突然の豪雨で駅や道路が浸水、冠水することもあるが、住宅エリアの水害対策はどうなっているのだろうか? そこで、隅田川、荒川、東京湾に囲まれ水が豊かな東京都・江東区役所に詳しい話を伺った。
自然災害のためにある「ハザードマップ」を活用しよう
日本全国の市区町村ごとに存在する「ハザードマップ」。名前は知っているが、どんなものかはよく分からない。そんな人も少なくないだろう。そもそも「ハザードマップ」とは、どういうものなのだろう?
「ハザードマップとは、自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所、避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図のことです」(同所・土木部河川公園課)
ひと口に「ハザードマップ」といっても、津波や土砂災害など、さまざまな自然災害に対応した種類があるそう。今回はそのなかから、江東区の『洪水ハザードマップ(下画像)』に関して教えてもらうことにした。
【画像1】「ハザードマップ」は、各市区町村のウェブサイトで見ることができる
このハザードマップは、国土交通省・荒川下流河川事務所が発表した『荒川浸水想定区域図』をもとに作成しているそうで、荒川が氾濫した場合の同区の浸水の深さが色分けされている(黄色エリア:浸水の深さ0.5m未満、青色エリア:浸水の深さ3.0m未満、ピンク色エリア:浸水の深さ5.0m未満)。
同課によると「洪水ハザードマップを見る際は、荒川が200年に1度の大雨によって氾濫した場合を想定していることをご理解いただいた上で、ご自宅周辺の浸水の深さや避難場所の位置などをご確認ください」とのこと。
200年に1度であれば、そんなに心配する必要もなさそうだが、知らないよりは知っていたほうが万が一の際に安心。では実際に、避難しなければならなくなったら、どんなことに気をつければ良いのだろうか?
「避難する時間が十分にある場合は、「ハザードマップ」上に記載してある避難地区への避難をお願いします。浸水が始まっている場合は、浸水区域内にある公共の建物の3階以上へ一時避難してください。また、避難生活が長期化することが想定されるため、非常用持出品(貴重品や生活用品など)は普段から身近に置き、日ごろから利用する習慣を付けましょう」(同課)
公共の建物の3階以上と言われても、どこにあるか分からない場合もあるが、「ハザードマップ」には赤色でしっかりと表示されているので、迷うことなく一時避難ができるようになっている。
とはいえ、「ハザードマップ」で浸水の深さがピンク色5.0m未満になっている地区は、正直不安……。良い物件があったとしても引越しを躊躇してしまうが、安心して暮らせるような対策はされているのだろうか?
「江東区は地盤が低いエリアが多いため、過去にはたびたび洪水や高潮による水害に見舞われてきました。国や東京都はこうした水害から街を守るため、高潮防御施設の整備、江東内部河川の整備、下水道の整備などの各事業を実施し、近年では大きな水害は発生しておりません。今後も耐震補強を含めた整備を推進し安全性を高め、区民のみなさんが安心して暮らしていけるように努めております」(同課)
過去のさまざまな経験があるからこそ、水害に強い街になっているようだ。ちなみに、台風やゲリラ豪雨などで水害が発生しそうな場合の、警報システムについても教えてもらった。Jアラートなどで即座に緊急情報をお知らせ可能
「災害など緊急情報の伝達には特に力を入れています。区はJアラート(全国瞬時警報システム)と連動した情報伝達の仕組みを構築しており、数十年に1度の大雨で特別警報が発令された場合には、区内153カ所に設置した防災行政無線が自動的に警告放送を行います。また、区内に避難勧告を発令する場合には、防災行政無線からの放送のほか、区の登録制メールである『こうとう安全安心メール』、携帯電話会社経由で避難情報をお知らせする『緊急速報メール』『エリアメール』など、あらゆる手段を使って即座に災害情報をお知らせすることができるようになっております」(同所・総務部防災課・危機管理課)
自然災害はいつ起こるか分からないため、江東区のように街全体が災害対策を強化していると、住民は安心・安全に暮らすことができそうだ。
ハザードマップは市区町村により内容が異なるため、全国同じ内容とは限らないだろう。今後、自然災害の不安がある地域に引越しを考えるなら、市区町村が用意しているハザードマップを見たり、どのような災害対策がされているのか、調べてみるといいかもしれない。●江東区役所
土木部河川公園課
江東区総務部防災課・危機管理課
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/08/20/95889/
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