【編集部訪問】ムカデリーダー・北村昭博さんと純国産“ムカデ人間”を作ったぞ! あの名場面も完全再現[ホラー通信]
8月22日にいよいよ公開となる映画『ムカデ人間3』。複数の人間の口と肛門をつなぎあわせ、ひとつの生命体にしてしまうというカルトホラーシリーズですが、今作で大団円の完結となります。
第一作目『ムカデ人間』で大きな存在感を放っていたのが、哀しくも“ムカデ人間”の先頭にされてしまった日本人ヤクザ・カツローです。ムカデ人間創造を夢見るハイター博士を大阪弁で怒鳴り散らし、人間の尊厳をうったえる強烈なキャラクターで、映画『ムカデ人間』の大きな見どころでもありました。
そんなカツローを演じた、アメリカ在住のカルト俳優・北村昭博さんがこのたび来日。自身も囚人役で出演する『ムカデ人間3』のPRのためにあちこち奔走するなか、『ホラー通信』の編集部にも遊びに来てくれたのです。やったー!
……で、北村さんが目の前に現れたら、やることってひとつしかないよね? そうそう、“ムカデ人間”の再現ですよ……。
北村昭博さんがやってきた!
編集部を訪れた北村さん。スタッフに笑顔で熱い握手をしてくれるなど超気さくな対応。
北村:「もしもし、俺だけど。A社の株を買っといてくれる?」
かかってきた内線にも出てくださる。アッ、勝手に株を買う指示を出さないでください!
北村:「“ムカデ人間”の撮影は、お尻にシリコンをかぶせていて、シリコンについている突起を次の人が咥えているんです。意外とラクなんですよ」
撮影裏話まで話してくれる北村さん。意外な話にスタッフは感心しきり。
お願いがあるんです
北村さんに会えたなら、是非やりたいことがある……。『ムカデ人間』シリーズ大ファンである『ホラー通信』記者は、この日を待っていたのです。自前の“ムカデ人間・囚人つなぎ”(ハードコアチョコレートより販売中)を着て北村さんを待ち構え、無謀なお願いをしました。そのお願いは、もちろん――
記者:「いっしょにムカデ人間になってください!」
なんというぶしつけなお願いであろうか。映画の中で“ムカデ人間”にされる人は誰しも泣き叫ぶというのに。
悩む北村さん。
北村:「マネー(高いギャラ)が出るなら話は早いんだけどな」
さすがアメリカで活躍する人気俳優、こういったお願いごとにはハリウッドスタイルで応戦するのである。
記者:「金……やはりこの世は金がものを言うのか……」
あきらめかけたその瞬間……
北村:「うそうそ!オッケー!」
記者:「やったー!」
なんと快諾! 歓喜する記者はいそいそと自前の“ムカデ人間セット”(ただのガーゼ)を取り出し、“ムカデ人間創造”を進めるのだった――。
純国産の“ムカデ人間”ができました
そして、できたのがこちら! ほ、ほんもののムカデ人間だァ~~~~!
『ムカデ人間』第一作目で北村さんの後ろにつながったのはアメリカ人女性2名だったため、すべて日本人の純国産ムカデ人間はこれが史上初。偉大なる記録を打ちたて、興奮の止まない記者ですが、せっかくムカデ人間になったんだから、あの名場面を再現しないと!
北村:「あぅ、ごめん ごめんよぅ ごめん……」
第一作目のハイライト、先頭のムカデリーダー・カツローが後ろの人に謝り倒すあの名場面を完全再現!(※なぜ謝っているのかは『ムカデ人間』第一作目を観てね!)
この北村さんの悲痛な表情、映画のまんまではないですか。自身の演技力をこんなところでも惜しみなく使う北村さん、絶対いい人だろ……。
そして、つながれた3人がハイター博士の元から脱走を試みる名シーンも再現しました。つながれると移動もままならないムカデ人間ですが、先頭のカツローがリーダーシップをとり、「いち・に!」の掛け声で前進していく、涙なくして見られない感動のシーンです。ウッ……これも映画のまんまだ……。
ありがとう、北村さん……ありがとう……!
おおっと、ここで終わってはいけません。北村さんに『ムカデ人間3』の話を聞かないと!
北村昭博さん インタビュー
北村:『ムカデ人間3』は、撮影の一週間前にトム・シックス監督にスカイプで「出てくれないか」と言われたんですよ。なかなかオファーがこなくて、「どういうことだ!? 『ムカデ人間3』には俺を出すべきだろう!」と思ってたんですけど。ただ、トムの映画に出るのは怖くもあるんですよ。映画には出たいけど、“ムカデ人間になりたいか”と聞かれるとなりたくない(笑)。ムカデ人間になるのって精神的にも肉体的にも辛いんです……。ただ今作では僕はムカデ人間にはならないということだったので。(※どうしてならないのかは映画本編を観てね!) 「あーよかった!」と安心して引き受けたんですけど、そのリアクションを見たトムは「お? ムカデ人間にならないって聞いて安心してるな?」と言ってましたね(笑)。
記者:『ムカデ人間3』撮影時の状況はどうでしたか?
北村:一作目を撮ったときは配給も決まっていなくて、完全にアングラ映画になってしまうかもと思ってたんですけど。3作目は何百人ものエキストラがいて、ハリウッドのスタッフが集まって、という状態ですからね。トムも「どうだ!」って感じですごいドヤ顔でしたね(笑)。僕とトムはすごく仲がいいんですけど、今回僕にオファーした理由として、大きく成長した『ムカデ人間』の最後の場をいっしょに見てほしかったんじゃないかなぁ、というのもありますね。
記者:『ムカデ人間』シリーズの魅力ってどんなところだと思いますか?
北村:オリジナルのアイデアをきちんとお金をかけて作ってるところが魅力だと思うんですよね。低予算で済ませず、お金をかけるところはきちんとかけて、トムのビジョンを大切にして作ってるんです。作品の内容やキャスト選びについても誰にも口を挟ませず、100パーセント、トム・シックス監督の意思です。彼は今後の作品でもそういうスタイルを貫いてくれると思う。トムは人を怒らせることもいとわないから、批評家に嫌われて攻撃されたりもするんですけど、そういったバッシングを受けても結果的に『ムカデ人間』という映画はすごく愛されてますよね。配給の人もメディアの人も愛を持ってこの映画を広めているし、そうして映画ファンにも広まっていく。みんなで盛り上げることに適した映画だから、こうやって人気が高まっていったんだと思います。
記者:最後に、『ムカデ人間3』を楽しみに待っているファンにメッセージを!
北村:この映画を愛してくれてありがとうございます! 『ムカデ人間3』はムカデオールスターが総出演です。トムのアイデアがクレイジーすぎて、ホラーを超えてコメディになってしまっているような、ハチャメチャな作品になりました。ファンが「ムカデありがとう! さらばムカデ!」と言い合って、大団円で終われる最後の作品です。怖がったり痛がったり笑ったり泣いたり、色んな楽しみ方ができるので、リラックスして是非エンジョイしてください!
記者:北村さん、本当に本当にありがとうございました!
映画『ムカデ人間3』は8月22日より、新宿武蔵野館ほか全国にて上映。ムカデの最後を絶対に見逃すな!!!
『ムカデ人間』シリーズ公式サイト:mukade-ningen.com[リンク]
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