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ドキュメンタリー番組「先生のいないようちえん」に「子どもを見守れる大人の大切さ」を痛感する

ドキュメンタリー番組「先生のいないようちえん」に「子どもを見守れる大人の大切さ」を痛感する

昨今、至れり尽くせりな環境で育っておきながら、成人になっても意志が弱く、権利ばかり主張する大人が増えているように思う。7月9日(木)の深夜に放送されていたFNSドキュメンタリー大賞ノミネート番組「先生のいないようちえん」(東海テレビ制作)は、そんな疑念を抱く僕にとって天啓のようなものだった。

名古屋市天白区の里山にある、風の子幼児園。ここに1年にも渡り、ドキュメンタリーのカメラが入った。施設の見た目はキャンプ場のよう。普通の幼稚園のような遊具は見当たらず、子どもたちはそこら中を大騒ぎしながら駆け回っている。
元高校教師が私費を投じ幼児教育を立ち上げ

ある子は泥にまみれ、ある子は包丁を使って料理をし、ある子は火を起こし、またある子などは屋根の上を猛ダッシュ。カメラマンが行く道の邪魔になっているとみると、即座に「邪魔!」と言い放つ。

この幼稚園には、いわゆるもやしっ子はいない。どの子も自分の本能のままに、やりたいことを思いっきりやる。一般的な幼稚園でやるようなお遊戯も、お昼寝もしない。時には大怪我を負う子も出てくる。傍目にはまさに無法地帯にも感じられる。

一体なぜこのような施設が誕生したのか。31年前にこの保育施設を立ち上げた仁藤清司氏は、子どもたちからは「ニトー」と呼ばれている。仁藤氏は幼児園を運営する以前、高校の教師として思春期の生徒たちを指導していた。

教え子と合宿に出向いた際、宿泊先の旅館の厚意で餅つきの用意をしてくれていたのだが、せっかく臼も杵もあるのに、生徒たちは全く触れようとしなかった。何度呼びかけても、のれんに腕押しだった。

物事にチャレンジする意欲や積極性の原点を、幼児期に培う必要性を感じた仁藤氏は、高校教師を辞めて一切行政からの支援も受けず、退職金を投じて風の子幼児園を作った。
アメリカ帰りのひ弱な子どもも数か月でたくましく

スタンスはどこまでも放任主義。仁藤氏いわく「放任という言葉は悪く聞こえるが、『放って任す』ということで、ある意味では大切。自分で危険から身を守る術を知っていく」。

時間割のない風の子幼児園では、のこぎりを使って工作もするし、植物を食べ比べて、口にしても害のない食べ物を自然から学ぶ。おやつすら自分で用意する。自分で火の中にじゃがいもを投げ込み、焼いて食べるのだ。

ここには現在、わが子を入園させたいと考える父兄からの連絡が殺到している。実際に見学に訪れる親子も少なくない。しかし、いくら両親が入園を希望しても、当の子どもは大いに戸惑うようだ。

番組の中盤、1人の男の子が入園してくる。アメリカから引っ越してきた、じゅんのすけ君。野山を駆け回る他の子どもたちとは違って、性格もややおとなしく、そのために苦労している様子が見ていて切ない。

ケンカの度に実力で押し込められ、悔しくて泣いてしまうじゅんのすけ君。ところが数か月もすれば、集団の中で徐々に受け入れられるようになり、みんなに混じってのこぎりで工作をし、指を切っても泣かないほど逞しくなっていく。

仲間たちに混じって、手作りのボールを裸足で蹴って遊び、大声で笑うようになっていく。これを見ていると仁藤氏の言うところの「積極性の原点」は、やはり幼児期に培うべきかと納得する。
その「親の愛」はエゴではないだろうか?

番組を観ていて分かったのは、仁藤氏は先生ではないということだ。徹底して子どもたちに寄り添い、しかし手助けはしない。子どもたちがどんなに危なっかしい状態にあっても、常に見守り、手出しして子どもの努力を台無しにせず、失敗を責めない。

仁藤氏が傍にいて見守っているから、怪我をしても時間がかかっても、子どもたちは取りかかった物事をやり遂げることができる。「やればできる」という実感。それが自信になり、自主性を培って物怖じをしない人格が形成されていくように思えた。

誰でも、わが子は可愛い。だからできるだけ危険を取り除きたいと考える。ただ、それって突き詰めれば「自分の可愛い子どもが怪我をして泣いてしまう顔を見たくはない」という大人のエゴじゃないだろうか。

小さな頃から塾に通わせるのも知識の蓄えになるけれど、人格形成にはあまり結びつかないように感じる。それよりも、体感しておくべきなのは土の感触、怪我をしたときの血の色と痛み、自分が作った料理の味だ。

虫にも触れられず、仕事で自分の意見を述べることが苦手で、好きな異性に好きとも言えない大人にならないためにも、子どもたちを文字通り見守ることの大切さを知る大人は、もっと増えるべきかもしれない。(文:松本ミゾレ)

あわせてよみたい:米研究者が証明する「三つ子の魂、百まで」
 

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