投稿者の半数以上は10~20代女子!? 画像投稿サイト最新事情

pixiv

今回はブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』のParsleyさんからご寄稿いただきました。

投稿者の半数以上は10~20代女子!? 画像投稿サイト最新事情
今、『Facebook』の話題で持ちきりだ。創始者マーク・ザッカーバーグをモデルにした映画『ソーシャルネットワーク』の公開とともに日本でもユーザーが増加し、2月の時点で約218万人に達したという。しかし、日本にも同規模のユーザー数を誇るSNSがあるのをご存知だろうか。それが画像投稿型SNSの『pixiv』*1 だ。「お絵かきがもっと楽しくなる場所」というコンセプトから2007年9月にオープン。イラスト・マンガ・小説などのコンテンツを発表する場所になっており、ユーザー数は270万人を突破、月間20億PVを誇る巨大コミュニティになっている。

投稿されるイラストのレベルも高く、商業メディアで活躍するユーザーも登場するようになっている。また、ユーザーのアイデアから生まれた企画が、新たな作品を生み出す“協創(co-creation)”も盛んだ。

*1:『pixiv』
http://www.pixiv.net/

「“pixiv”はオープンした時期に恵まれましたね。それまで画像投稿サイトといえば“Flickr”などがありましたが、ユーザー同士が交流する機能がなかったですから。SNSを組み合わせることによってそれができるようになりました。あとインターネット文化の後押しがありましたね」。

片桐孝憲代表取締役社長はそう述べて、『東方Project』や初音ミクのようなボーカロイドの登場の時流に乗れたことを強調した。

主な収益源は“広告収益、有料会員、物販、イベント”という『pixiv』。『pixivフェスタ』や村上隆氏率いるアーティスト集団『カイカイキキ』との『piχkiki アナログ展覧会(ピクカイキキ アナログ展覧会)』など、独自のイベントの他、コミックマーケット(コミケ)に出展するなど、リアルイベントにも積極的だ。

「おもしろいからやっている」と笑う片桐代表は、今後は海外展開を見すえているという。

「既に台湾では2010年7月に現地版をオープンしました。これからも世界中のクリエーターが作品を投稿してくれて、交流してくれる場を目指します」。

tinami

日本が誇るコミケ文化。『pixiv』に続く画像投稿サイトも、様々なサービスを展開している。『pixiv』開設よりもずっと早い1996年にオープンしたサイトを元にした『tinami』*2 では、『Twitter』と連動したコミケ用ソーシャルMAP『twitcomike』を2010年7月にオープン。コミケの会場マップにサークル情報をユーザー自身が投稿できる仕組みになっており、冬コミでは登録サークル数が9000件を突破した。

*2:『tinami』
http://www.tinami.com/

自身も大学生時代は絵描きだったという篠田匡弘代表は、「ソーシャルグラフに乗っかる形で、コミケを盛り上げることができればとリリースしました」と語る。

また、編集プロダクションとしての事業も展開しているのが『tinami』の特徴。

「2002年頃より出版社から声がかかるようになりました。最初は同人サークル“TYPE-MOON”のゲーム“月姫”のアンソロジーコミックからはじめて、今では700名以上の作家さんにお仕事の依頼をさせて頂いております」。

クリエーターを商業デビューさせることができたのは、長年培ってきたネットでの旬のコンテンツに関して知識があってこそ、という篠田代表は、「真剣にものづくりをしている人をがっかりさせたくない」と述べ、丁寧なユーザー対応を心掛けているという。

「アドバイスをするラウンジを用意しているのですが、荒れることがあっても対話を試みればわりと納得してくれますね。“話せば分かる”というコミュニティを大事にしていきたいです」。

ポタグラ

一方、『openCanvas』というペイントソフトをダウンロード販売し、ユーザーの投稿コミュニティサイト『ポタグラ』*3 を運営しているのがピージ―エヌ。

「“openCanvas”はイラストを描いたフローを保存することができます。2009年からはブラウザ上の動画で絵が完成するまでを観ることが可能になりました。現在はバージョン5ですが、機能が上がると投稿されるイラストのクオリティも上がっていますね」。

事業を担当する柳澤和起氏はそう話す。

また、同社では、イラスト系専門学校に対してソフトの普及に努めているという。

「コミックアートに力を入れる学校は年々多くなっています。“ポタグラ”に集まっている10代の子に専門学校の存在を知ってもらう場としてお役に立てればいいと考えています」

*3:『ポタグラ』
http://www.portalgraphics.net/pg/

特筆すべきは、この3社共通して、女性のアクティブユーザーが5~7割を占めているということだ。

「コア層は10代後半から20代。投稿は女性、閲覧しているのは男性という傾向になります。また女性の方が平均的に上手です」(『pixiv』片桐代表)

「世代でいうと25歳から34歳が一番多いです。アクティブユーザーは女性の方が多いですね」(『tinami』篠田代表)

「ウチの場合、女性が68%です。ひたすら絵を描いている、という子が多いのではないでしょうか」(『ポタグラ』柳澤氏)

このように、若いクリエーター女子が多数集まる画像投稿コミュニティサイト。どのサイトも閲覧だけならユーザー登録せずに可能。『Facebook』で流行の波に乗るのも悪くないが、日本独自のコミケ文化がネットで花開いている様子を楽しむのもいいかもしれない。

執筆: この記事はブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』のParsleyさんからご寄稿いただきました。

文責: ガジェット通信

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