[Alexandros]川上洋平 『ALXD』インタビュー

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世界一のバンドになることを公言して、インディーズ・バンドにして、2014年に初の武道館公演を行うまでに上り詰めた4人組バンド、[Alexandros]。その活動のフィールドをメジャーに移した彼らのメジャー・ファースト・アルバム『ALXD』は、多彩な音楽性をメロディアスな楽曲に集約したバンドにとって、さらなる飛躍となる作品だ。この入魂の作品を前に、ヴォーカル、ギター担当にして、ソングライティングを手掛けるフロントマンの川上洋平に、バンドの過去、現在、未来について、話をきいた。

 

――前作アルバム『Me No Do Karate.』から2年弱。その間、初の武道館公演とバンド名の改名、そして、2014年末にメジャーとのグローバル契約を結ぶという大きなトピックが続きましたが、そうした一連の流れを振り返ってみていかがですか?

川上「バンド名改名に象徴されるように、この2年間はバンドの様々な部分を一新するタイミングだったのかもしれないですね。スタッフはもちろん、お客さんも新鮮に捉えてくれたと思います。ただ、その一方で当事者の僕らは結成15年目、初めての作品から5年が経っているバンドですから、自分たちにとっては、あまり節目の意識はないというか、その活動は途切れることなく、地続きなものだと感じていますね」

――そんななか、ニューアルバム『ALXD』は時間をかけて、レコーディングを行ったそうですね。

川上「自分たちの音楽をただ単に勢いのあるものということではなく、もっと、しっかりした中身にしなきゃなと思って、アルバム制作に臨んだんですけど、そう考えながら、自分たちがやってることを俯瞰して見られるようになった気がしますね。今回は前作から2年という長いインターバルがあったので、実際の作業の流れとしては、一回、デモを作ってから、冷静にそれを見直す期間を設けて、その曲が自分たちにとって本当にいいと思えるものであるかどうかを確認したんです」

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――今回の作品は、[Alexandros]が持つ多彩な音楽性が反映された作品ですよね。「Adventure」や「ワタリドリ」のようなポップな曲から「Run Away」や「Oblivion」のようなダンスビートが立った曲。はたまた、ライヴ映えする「Dracula La」や「Droshky!」といった曲まで、多様な表現は意識的に盛り込んだんですか?

川上「もちろん、このアルバムはバンドの多彩な側面を表現したかったということもあります。ただ、それ以上に、自然と生まれる多彩さを隠さず、そのまま見せることに、ためらいがなくなったんだと思います。どういうことかというと、例えば、「ワタリドリ」という曲は、自分のなかで『すごい曲が出来たな』という手応えがないまま、作ったものなんですよ。でも、この曲のデモをメンバーに聴かせたら、『これ、すごくいいじゃん!』って言われて、半信半疑のまま、バンド・アレンジを完成させて、ライブで演奏してみたら、すぐにライブの人気曲になったんです。そういう経験を踏まえて、無理に考えて作らず、出てくるままに曲を形にしたほうがいい曲になるのかもしれないって思ったんです」

――生のまま、素のままのメロディを極力活かした曲作りを行った、と。

川上「そうです。今回はピアノから作った曲が増えた一方で、この2年間はポップな曲が沢山生まれたので、その反動でレコーディングの後半はほんとにわずかなアイディアをもとにセッションで曲を作ったんです。「Boo!」とか「Famous Day」はそうやって出来た曲ですね。ただ、自分たちのやっていることを俯瞰で見ようと心がけつつ、自分のことだったり、自分の曲を客観視するのはすごく難しいんですよね。自分がいいと思っていて、人はそう思わないこともあれば、その逆もあったりしますし、そういう意味で、いい曲につながっていく可能性を見逃したくなかったので、自分だけじゃなく、4人のメンバーが判断を下す感度の高さは、このアルバムにおいて非常に大事なポイントでした」

――そして、作った曲をアレンジする際にはどんなことを意識しましたか?

川上「何も考えずに作った素の状態の曲をどう料理するのか。そのアレンジの作業に力を入れるために、今回はメンバーだけじゃなく、過去にMr.ChildrenやSalyuさんを手掛けてきた森安(裕之)さんというアドバイザー的な方を迎えたんです。そして、それこそ、武道館やアリーナ、東京ドームのような大きな会場で、一番いい形で音を鳴らすにはどうしたらいいかということを含めて、アドバイスをいただきましたね」

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――大会場でのライヴをイメージした作品制作を行いながら、[Alexandros]は、イギリスやアメリカ、アジア各国でライヴを行う海外進出に意欲的なバンドでもありますよね?

川上「僕らは昔から海外に出たいと言い続けてきましたけど、日本から飛び出して、本当の意味で世界一になったアーティストは見たことがないし、僕が影響を受けたのはアメリカやイギリスの音楽だったりし、子供の頃にシリアで暮らしていたこともあって、海外で僕たちの音楽を披露したいなと思うのは自然なことなんです。そのためには演奏技術や演出力はもちろんのこと、もっともっとセンスを磨く必要があるなと思いますね。なんだかんだ言って、音楽の最先端はイギリスやアメリカだし、海外で活躍するためには、それよりさらに新しいものを作らなきゃいけないと思うんですよ。それに対して、今の日本は海外の最先端の音楽が、2、3年遅れて入ってくる状況じゃないですか」

――海外の最先端と日本の最先端はイコールではなく、海外のスタンダードと日本のスタンダードがそれぞれ存在しているダブル・スタンダード化した状況で、その両方のスタンダードを満たす音楽を作るのは難しいことですよね。

川上「だから、海外で通用するセンスを磨くためには、まとまった期間、現地で生活しながら音楽を作る必要があるのかもしれませんね。それくらい難しいことだと思います。ただ、そう思いつつも、実際に海外でライヴをやってみたら、洋楽っぽい曲より日本っぽい曲、日本語の歌詞で日本のキッズたちに好まれる曲の方が受けたんですよ。自分でも驚きだったんですけど、海外では『[Alexandros]の曲はメロディが繊細で、テンポが速いところがすごく格好いいし、他にはない音楽だ』って言われて、海外に対しては、僕らの音楽のそういう部分が強みなのかなって思ったんです。そんな経験を踏まえながら、この作品では、海外を意識して作った曲もあるんですけど、ほとんどの曲が日本を舞台にしているし、日本らしい表現にためらいがなくなったことが我ながら新鮮でしたね」

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――7月には2度目の武道館公演を控えてますが、今後のバンドの目標は? 

川上「インディーズ時代の最初の方は誰からも注目されていなかったし、華々しい作品デビューを飾ったわけでもなかったので、アピール出来る場所でみんなを振り向かせるために、『ナンバーワンになりたい!』っていうことを繰り返し言ってきたし、ライヴでも勢いに重きを置いてきたんですよ。いま振り返ってみて、それはそれでよかったと思っているんですけど、武道館でライヴをやったり、ようやく、みんなに振り向いてもらって、そこからさらに多くの人にアピールするためには、音楽の中身ですよね。その質の向上を重視していかないとなって思ってますね」

――つまり、バンドとして、さらに成長、成熟していきたいと。

川上「フェスの規模を考えると、日本のロック好きは恐らく5万人くらい。そこからさらに色んな人に聴いてもらうには、それだけ届きやすいものが求められると思うんです。それは周りに迎合するということではなく、あくまで自分がいいなと思う音楽を広く提供したいんです。その課題は多くのロック・バンドが試行錯誤していることでもあるんですけど、僕らはロックだけじゃなく、ポップなものも同じように愛しているし、先日も台湾ででんぱ組.incや仮面女子が出るイベントにトリで出させてもらいましたからね(笑)。だから、壁を作らずに、僕らなりに出来ることをやっていきたいと思っていますね」

 

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撮影 吉場正和/photo Masakazu Yoshiba

文 小野田 雄/text  Yu Onoda

 

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shirts  ¥21,000   pants ¥19,000(soe/M.I.U.)

shoes ¥28,500(FACETASM×CONVERSE WEAPON/FACETASM)

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shirts ¥34,000(FACETASM)

pants ¥19,000(soe/M.I.U.)

shoes ¥31,320(COLE HAAN/COLE HAAN JAPAN)

INFO

M.I.U.   03-5457-2166  http://www.miu-tokyo.com

FACETASM   03-6434-9893  http://www.facetasm.jp

COLE HAAN JAPAN   0120-56-0979   https://www.colehaan.co.jp

 

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後日当選された方にはいただいたメールアドレス宛にNeoL編集部よりご連絡させていただきます。

 

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[Alexandros]

『AXLD』

6月17日発売

2015年6月17日(水)発売

■初回限定盤

3,800円 (税抜)

CD/DVD

This Summer Festival 2014から、12/20 Zepp Tokyo LIVE映像7曲&副音声と、ALXDセルフライナーノーツ座談会の計71分を収録

■通常盤

3,000円 (税抜) CDのみ

■アナログ盤 2枚組

2015年7月15日(水)発売

4,000円 (税抜)

※完全受注生産商品となりますので、確実にご入手をご希望の場合早めのご予約をおすすめいたします。

 

アルバム特設サイト

http://sp.universal-music.co.jp/alexandros/

 

[Alexandros] TOUR 2015

“ご馳走にありつかせて頂きます”

10/09(金) 横浜BAYHALL

10/17(土) 富山MAIRO

10/18(日) 金沢EIGHT HALL

10/25(日) 静岡SOUND SHOWER ark

10/31(土) 広島BLUE LIVE

11/01(日) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM

11/03(火・祝) 高松OLIVE HALL

11/07(土)・08(日) 新潟LOTS

11/12(木)・13(金) 仙台Rensa

11/15(日) Zepp Sapporo

11/19(木)・20(金) Zepp Nagoya

11/23(月・祝) Zepp Fukuoka

11/25(水)・26(木) Zepp Namba

12/05(土) 沖縄ナムラホール

12/19(土) 幕張メッセ国際展示場

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