日本人は企業からの圧力で英語ができなくなった――英語公用語化の是非
あなたは英語を使えますか――グローバル化が進む中、英語の必要性がますます高まっている。すでに楽天やファーストリテイリングが社内の英語公用語化の方針を打ち出しており、武田薬品は新卒採用の、三井住友銀行は総合職の条件として「TOEIC」を用いるという話も出ている。はたして、英語ができない人はどうなってしまうのだろうか。2011年2月14日のニコニコ生放送「ニコ生トークセッション 『英語公用語は必要か?』 ひろゆき×鳥飼玖美子」では、立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科教授で、『「英語公用語」は何が問題か』などの著作がある鳥飼玖美子氏と、アメリカへの留学経験があるひろゆき氏が語り合った。
鳥飼氏は、英語の公用語化について懐疑的だ。
「英語のプロはできなきゃいけない。でも、普通の人は自分の必要に応じてできれば良いんじゃないですか。会社の公用語にするほどかなって思いません?」
鳥飼氏が強調するのは、「英語力=仕事力」ではないということだ。英語が話せるだけの「使えない」人もいれば、ただ英語ができないだけの人もいる。また、英語の必要性は部署によって大きく異なり、日本人同士が英語で話すことで、かえって仕事が進まないこともあるだろう。近年は企業内通訳者や翻訳者を抱える会社も増えており、全員に英語を課すのではなく、そうした人材を用いるのも1つの手段だという。
これに対して、ひろゆき氏は、
「会社は10年後にどう変わっているか分からない。いざ変わったときに、切り替えができて努力ができる人が管理職じゃないと会社が止まってしまう」
と、英語能力そのものよりも、新しいものに挑戦・努力できるという人間性の「ふるい」として英語が機能するという考えを披露した。
■英語ができない真犯人は企業
中学校から何年も勉強しているのに、なぜ英語ができるようにならないのか。鳥飼氏は「犯人は企業」だと指摘する。
日本では企業側からの圧力によって20年以上、文法よりも会話に重点を置いた英語教育が行われてきた。しかし、海外では Eメールでのやりとりが多く、どれだけ話せても最後は書類にまとめなくてはならない。そこで必要となるのは会話能力よりも軽視されていた文法や語彙力のほうだ。
「今、企業の人にどういう英語力が必要ですかというアンケートをすると、みんなEメールで英語を書けるようにするべきと言うんですよ」(鳥飼氏)
これを聞いたひろゆき氏は、英語を勉強するツールとしてアメリカ発のソーシャル・ネットワーキング・サービスFacebookに触れ、「Facebookとかで友達を作るとよさげ」と視聴者にアドバイスを送っていた。
ニコ生トークセッション「英語公用語は必要か?」 ひろゆき×鳥飼玖美子
「英語力不足の真犯人」部分より再生
http://live.nicovideo.jp/watch/lv40005365#36:00
(番組はタイムシフト機能で2011年2月21日まで視聴できる)
(野吟りん)
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ウェブサイト: http://news.nicovideo.jp/
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