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国境越える都条例問題、アメリカでも議論に

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 過激な性表現を含む漫画やアニメの販売を規制する「東京都青少年健全育成条例」が物議を醸しているが、それは日本国内だけの話ではないようだ。アメリカの大手新聞社ニューヨーク・タイムズは2011年2月9日、「東京で青少年の性的画像取り締まり(In Tokyo, a Crackdown on Sexual Images of Minors)」と題して、一連の都条例問題について報道。賛成派と反対派の意見を交えながら詳しく紹介している。同記事は大きな反響を呼び、ニューヨーク・タイムズ公式ホームページのビジネスカテゴリーのデイリーランキングでは”最も人気のある記事”となっており、コメントも150件近く寄せられている。(2011年12月10日17時現在)

 都条例問題を報じるニューヨーク・タイムズ記事において、賛成派としてまず紹介されているのは、都条例の改正案可決を推進してきた石原慎太郎東京都知事。「(規制対象となるようなマンガは)異常な人間や変質者のためのものだ」、「(日本の)他に、このような下品な商品の存在を許してる国はない」といった趣旨の都知事の発言が伝えられている。また、言論の自由は尊重するが、ゾーニング(区分陳列)の重要性を強く主張するという東京都小学校PTA協議会会長の新谷珠恵さんの意見も掲載されている。

 一方、規制反対派としては、石原都知事が実行委員長を務める「東京国際アニメフェア」へのボイコットを表明している大手出版社「講談社」の取締役の清水保雅氏を紹介。「日本のマンガが持つ創造性は”何でもあり”の精神によって支えられている」との主張だ。また、弁護士の山口貴士氏の「犯罪を描写することと、犯罪を実際に犯すことは全く異なる。それはミステリー作家を殺人で有罪にするようなもの」という発言も掲載。さらに「セーラー服と重戦車」で知られるマンガ家・野上武志氏の「法律家がマンガを軽視していると感じる。彼らはマンガを読むことが人間を駄目にすると思っている」といった意見も伝えられている。

 この記事のコメント欄には、読者から様々な反応が寄せられている。「ただコミックを描いただけで犯罪者扱いは怖い」、「コミックが児童虐待を誘発すると主張するのなら、統計的な証拠を示すべき」、「弁護士の山口氏はすばらしい指摘をしている」といった都条例反対派を擁護する意見が見られる一方、「日本のマンガは昔から好きだけど、女性を性の対象物としたり、不平等に扱うといった側面は子供に悪い影響を与える」「日本のような近代国家が、未だに児童の性的描写を含む商品を容認し、促進していることにうんざりだ」といった批判もあるなど賛否両論だ。海外でも話題になるほどの「東京都青少年健全育成条例」問題。改正案が既に可決されたといえども、国内外で反響を読んでいるだけに今後の展開に目が離せない。

【関連サイト】
In Tokyo, a Crackdown on Sexual Images of Minors – NYTimes.co 東京都青少年健全育成条例の話題を報じたニューヨーク・タイムズ

(三好尚紀)

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