ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

ゴーカート感覚で楽しめる軽スポーツカー! HONDA『S660』試乗レビュー

DATE: BY:
  • ガジェット通信を≫

新車に対して“注目度”という基準を設定できるとするならば、今回レビューを行ったHONDA『S660』は、おそらく今年度No.1と言っても過言では無いかも知れません。

どうやら年内納車すら危ぶまれるほどの大人気車種となっているようで、東京都内を走行中、いたるところで感嘆の言葉をいただいてしまいました。なかには、狭い道を通る際に追い越した歩行者の方が後から追いかけてきて、「いやー、良い音が出ていたよ!ベリーナイス!!」と賛辞を頂くことも。前代未聞とも言うべき事態に戸惑いつつレビューしてきましたので、ご覧ください。

※すべての画像が表示されない場合は下記URLからご覧下さい。
http://getnews.jp/archives/950258 [リンク]

HONDA S660

『S660』は、エンジンを車両後方に搭載したミッドシップレイアウトが採用されています。そのため、通常トランクルームとなっているリアハッチを開けると、エンジンが顔を出します。

運転席のすぐ後にエンジンルームが位置するので、エンジン音やターボの吸排気音など、メカニカルな音を存分に楽しむことができます。運転席真横のピラー位置にエアインテークが配置されていることもあり、アクセル操作時に大音量で聞こえてくるシュコー!という“バックタービン音”が悶絶するほどカッコイイです。

フロントは収納スペースになっており、取り外したロールトップやカバンなどをしまうことができます。

スーパーで買い物した袋などを入れるには少し心許ない容量なので、物によっては助手席足元に置くなどの工夫が必要になりそうです。

ロールトップの脱着はとても簡単で、その名の通りコロコロと転がすように装着します。力も必要としないので、女性1人でも脱着可能だと思われます。

シートはセミバケットシートとなっています。2シーターなので、リクライニング幅はほとんどありませんが、腰と座面にしっかりとしたホールド感があり、結構な横Gが架かったとしても十分に支えてくれそうです。カラーリングは落ち着いた配色のアシンメトリーで上質な雰囲気を醸したしています。

座面は、他の車では考えられないほど低床になっています。ドライバーが車の動きの“支点”に近くなることで、車の動きをよりダイレクトに感じ取ることが出来ます。

運転席は、ハンドルを中心に必要最低限のインターフェースがドライバーを向くように設置されています。今回はMTモデルではなかったのであまり関係ないのですが、左手をハンドルからスッと動かすだけでシフトレバーに届き、とても自然な形で運転することができます。また、普通の運転時には必要無いのですが、サイドブレーキの位置もちょうど力が入りやすい絶妙な位置に配置されています。

CVTモデルには、オートマチックながらもMT感覚を楽しめるパドルシフトが取り付けられています。さらに“SPORTモード”へ切り替えることにより、アクセルとエンジンのレスポンスが飛躍的に向上します。メーターの配色がレーシーな赤色へと変化し、レブインジケーター*としても機能するようになります。
※レブインジケーター:上限回転数を知らせてくれる機能。『S660』の場合、回転数の針がメーターの赤い部分に入ったら発光して教えてくれる。

中央のモニタには、アクセル開度やブレーキ圧、そして前後左右の加速Gといった情報を表示する「本気仕様」。付属のHDMIポートにタブレットなどを接続し、ナビとして使用することもできます。

標準装備されたADVAN“ネオバ”が、『S660』がスポーツカーであることを物語っています。

走ってみた

MR車は、駆動輪である後輪の上部にエンジンが配置されているので、タイヤに架かる力が地面に伝わりやすくなっており、加速時に力強いトラクションを発生させます。
さらに『S660』の場合、850kg(MTモデルは830kg)という軽車重も相まってスタートダッシュに優れています。さらに中回転域からはターボが効いてくるので、低速から高速までムラの無いキビキビとした加速を体感できます。サスペンションやボディ剛性はかなりハードにつくられているため、ロール幅がとても少なく、高速旋回中も地面に吸い付くような走りです。

軽自動車とは言っても、MR特有の優れたトラクションとクイックなハンドリングがもたらす挙動は、はっきり言って「本格的」とかいうレベルは超えており、「スポーツカー」そのものです。
低床シートは車の挙動をドライバーに伝えやすくするだけでなく、足を伸ばす姿勢でペダル操作を行えるので、よりダイレクトな操作感を得ることが出来ます。車体とドライバーとが限りなく“一体化”に近い状態で運転できる、スポーツカーとしてこの上ない条件を備えた車と言っても過言ではありません。

『S660』最大の特徴は、これが「軽自動車」であることです。経済的な利点はもちろんのこと、“低排気量”という物理的な制約が車の限界を抑えており、『S660』の敷居の高さを排除しているように感じられます。すべての挙動が軽自動車レベルで発生するので、運転するために極限まで集中力を研ぎ澄ましたりする必要はなく、他の一般的な車と同じ様に、気楽に運転を楽しむことが出来ます。

アクセルをグイッと踏み込んだだけで信じられない加速をしたり、車重によりブレーキングで車が止まらなかったり、ドライバーに恐怖心を与えるようなことは、ほとんど無いのではないでしょうか。あえて言うなら、調子に乗りすぎても軽自動車以上のスピードは出ないので、よほど無謀な運転でもしない限り、一般的な運転手のコントロールを離れてしまうことは無いでしょう。

もちろん、車を運転する時は「安全運転」を心がけることが一番大切です。それ程までにドライバーを楽しませてくれるのが、この『S660』なのです。公式に“ゴーカートの様な感覚”という表現が使われているのですが、ストイックなスポーツカーらしさと、カジュアルな運転しやすさが共存している『S660』は、まさしく“公道を走るゴーカート”と言えます。

S660(ホンダ公式サイト)
http://www.honda.co.jp/S660/ [リンク]

まがりんの記事一覧をみる ▶

記者:

『カーレビュー』担当。

ウェブサイト: http://getnews.jp/mcn

TwitterID: magarin_14

  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

記事をシェアしよう!

TOP