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映画『極道大戦争』三池崇史監督インタビュー 「お疲れでしょうから、たまにはこんな映画もどうぞ(笑)」

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かまれたら、全員ヤクザ! 三池崇史監督、市原隼人主演の映画『極道大戦争』が6月20日(土)より全国ロードショーとなります。本作は、“ヤクザヴァンパイア”にかみつかれた人間が、次々とヤクザ化してしまうという奇想天外、予測不可能な完全オリジナルストーリー。ガジェット通信は、今作を「自身の原点回帰」と位置づける三池崇史監督にインタビューを実施。その中で、“ヤクザヴァンパイア”誕生のいきさつや三池監督の意外な一面が明らかになりました。

<ストーリー>
海が近くうら寂れた毘沙門仲通商店街は、街の人々からの信頼が厚い神浦玄洋(リリー・フランキー)を組長とする神浦組が牛耳っていた。神浦の舎弟である影山亜喜良(市原隼人)は、敏感肌ゆえ刺青も入れられない若衆止まりの半端者。神浦に憧れて極道の世界に入ったものの、映画のような誇り高い仁義や任侠心に満ちあふれた理想の世界からほど遠い現在のヤクザ社会にうんざりしていた。退屈な毎日を送っていたある日、神浦の命を狙う刺客たちが次々と毘沙門仲通商店街に現れる。死闘の果て、影山の前に八つ裂きにされた神浦が横たわっていた。駆け寄った影山の首筋に、瀕死の神浦が突然かみついた瞬間、影山に神浦の血が逆流する……「ヤクザヴァンパイアとして生きろ!」神浦はそういい残し絶命する。かくして“血の儀式”が行われ、街中を巻き込んだ刺客たちとの新たな闘いがはじまろうとしていた―

実はホラーが苦手?

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――まずは“ヤクザ×ヴァンパイア”という発想のきっかけを教えてください。

三池:何かと何かを掛け合わせるって意味では、ありがちですよね(笑)。哀川翔と竹内力を絡ませてみたいという発想と同じですよ。

――でもヤクザvsヴァンパイアではなく、かまれたら全員ヤクザというのがまたぶっ飛んでますよね。

三池:お酒の席のバカ話から始まった企画ですからね。映画人としてじゃなくて、ひとりの観客としてこんな映画があったら面白いんじゃないかって。どうでもいいものを真剣に作るのって、今の時代だと難しいんですよ。今作も何かヒットしたマンガを原作にしているのと違ってオリジナルだから、“日活”以外だとまず企画が通らないでしょ(笑)。そういう意味で、役者を含めた現場の人間は窮屈さを感じてると思うので、たまには良いかなと。

――ヤクザ映画のイメージはもちろんあるんですが、ヴァンパイアものもお好きなんですか?

三池:いや、実を言うと怖いものはあまり観ないんですよ(笑)。

――えっ!? ホラー作品も監督されているじゃないですか!

三池:撮りながら、怖えぇって思ってますよ。怖がりだから観客の反応を予想して撮れるってのもありますけどね。でも、わざわざお金を払ってまでホラーを観る人の気が知れないです。昔、チャップリンの『街の灯』を見る予定だったのに満席で、不用意にも『悪魔のいけにえ』を観ちゃって、そのトラウマが未だに残ってます。でもほかのモンスターと違って、ヴァンパイアは独特な“品”があるんですよ。哀愁や切なさを背負っていて、色気もありますし。

――そういう意味では、市原隼人さんは“ヤクザヴァンパイア”にぴったりのキャスティングですね。

三池:主役が市原隼人でなければ、周りの役者の芝居もあそこまで炸裂しなかったと思いますね。『神様のパズル』(’08)で一緒に仕事をした頃と比べて基本は変わらないですけど、根っこが太くなったというか、役者で生きていく覚悟を感じました。役者で生きてくって難しいですよね。人気を取るためだけの芝居はしたくないだろうけど、人気がなければ芝居ができないっていう。でも彼はうまくバランスを取りながら、自分がいるべきポジションをちゃんと分かってきたんだろうなと思います。

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よしだたつき

記者:

PR会社出身のゆとり第一世代。 目標は「象を一撃で倒す文章の書き方」を習得することです。

TwitterID: stamina_taro

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