「成功法則本」を読んでも成功できないワケ

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「成功法則本」を読んでも成功できないワケ

 「お金持ちになりたい」というのは多くの人々が願っていること。
 この願望を実現させるために、まずやらなくてはいけないのが「自分にどんな才能があるのかを把握すること」。
 この才能を磨いていくことで、より早く経済的な成功を収めることができるわけですが、「自分の才能」って自分ではなかなかわかりませんよね?
 
 『才能は開ける』(ロジャー・ハミルトン/著、宇敷珠美/監修、フォレスト出版/刊)はそんな人ために、自分の才能の見つけ方と磨き方を教えてくれます。今回はこの本を監修した宇敷珠美さんにお話をうかがい、成功をつかむためのアドバイスをいただきました。

――『才能は開ける』についてお話をうかがえればと思います。自分にどんな才能があるかを知ることは、思っているよりもずっと難しいことです。自分で自分の才能に気付くために、どんなことが大切になるのでしょうか。

宇敷:とにかく、色々な経験を積むことです。経験を積むことで「あ、これ得意かも…」とか、「この作業、辛すぎる」というように自分の能力が明確に理解できるようになってきます。
私の場合は後者でした。自分ではあまり不得意なことがない人間だと思っていたのですが、以前にインターナショナルプリスクール(英語の幼稚園)のディレクターを任されたことがあって、その仕事が全然自分に向いていなかったんです。
母親であり、英語も話しますから、就任前は「自分にピッタリの仕事」だと思っていました。でも実際にやってみたら全然ダメで、子どもやそのお母さんとうまくコミュニケーションが取れません。子どもとふざけあったり、一緒におもしろがることはできたのですが、「ケアをする」という接し方ができなかったんです。
性格が内向的な人は、私のように「苦手なことを把握することで自分の才能に気付く」ケースが多いと思います。反対に外交的な人はストレートに「得意なこと」から自分の才能に気付くことが多いです。

――本書を読むと、巷に溢れる「成功法則」について考えてしまいます。宇敷さんからみて、自分に合わない成功法則を実践したことで成功できない人は、やはり多いですか?

宇敷:多いです。律儀で他人の言うことを聞きすぎてしまう人やトレンドや情報を必要以上に重要視する人、社交的な人などは特に、自分に合わない成功法則の本に影響されやすいかもしれません。

――「自分の才能とレベルを把握することで、自分に合った成功法則を選択する」という本書やり方は、とても理にかなっていると思います。たとえば、タイプとしては合っているものの、レベルが合わない取り組みをしてしまうことで、どんな事態が起こりえますか。

宇敷:たとえば、高いお金を払ってセミナーに行ったはいいものの、話を理解できなかったり、理解できたとしても今の自分では実行できなかったりといったパターンです。
これは私も経験があって、会社を立ち上げたばかりの頃にマーケティングのセミナーに行ったことがあったんです。そこでは集客のアイデアをたくさんくれるわけですが、立ち上げたばかりで何もかも一人でやっているような状態でしたから、全然実践できないんですよ。チームで動けば難なくできることだったのですが、自分も会社もまだそのレベルではなかったということです。
成功を収めたくていろいろな取り組みをしているのに、自分のレベルに合わない情報を信じることによって、成功がかえって遠ざかってしまうというのはよくあることです。

――「自分を変えよう」と一念発起して、つい身の丈に合わないハイレベルなことに取り組みたくなるということもありますよね。

宇敷:そうした気持ちはわかるのですが、物事には段階がありますから、計画的に一つずつレベルを上げていきましょうということですね。よく自分の夢を叶えるには独立する必要があると言って起業する人がいますが、これも「レベルに合っていないことをしている」ケースかもしれません。起業というと聞こえがいいですが、こういう人は目標を追っているように見えて、目の前の課題から逃げている場合が多々あるのです。

――ただ、本人はそれに気付かず、あくまでも自分が目標に向って前に進んでいる気になっていたりします。

宇敷:そうですね。実は逃げているだけだということに本人が気付かないと、どんどん成功は遠のいてしまいます。それに、そういう人がいくら夢を語っても、本当に成功している人から見れば中身が伴っていないことはわかってしまうものです。

――経済的な成功に対して自分がどのレベルにいるのかということも、本書を読むと一目瞭然です。ほとんどの人が9段に分かれたピラミッドの下層の3段、つまり経済的な成功から遠い位置に当てはまっていて、妙に納得してしまいました。

宇敷:先進国に住んでいる人の80%以上はこの本で「基礎プリズム」と呼んでいる下層の3段に当てはまります。ただ、誤解しないでいただきたいのですが、今いる下層から出られるようにしなさいというつもりはありません。会社員として幸せな人はたくさんいるわけで、今の自分に納得しているのであれば何の問題もないわけです。
ただ、毎日不平不満を言いながら仕事をしていたり、本当はもっと経済的に豊かになりたいのに「自分はこれでいいんだ」と無理に自分を納得させているようなら、それは不幸なことなので、自分の目指すレベルに行けるようにしましょう、ということですね。
だから、この本ではそれぞれのレベルの「特典」と「コスト」を挙げて、自分がどのレベルに行きたいかがわかりやすいようになっています。
(後編につづく)


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