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教科書が無味乾燥である理由

Zopeジャンキー日記

今回はmojixさんのブログ『Zopeジャンキー日記』からご寄稿いただきました。

教科書が無味乾燥である理由
「高校世界史レベルの知識を即成でインストールする方法」 『Togetter』
http://togetter.com/li/69858

という、trickenさん *1 という人のツイートのまとめが、『はてなブックマーク』 *2 などで人気のようだ。

*1:tricken氏 『Twitter』
http://twitter.com/tricken

*2: 「Togetter -「高校世界史レベルの知識を即成でインストールする方法」」 『はてなブックマーク』
http://b.hatena.ne.jp/entry/togetter.com/li/69858

レベル1:〈通史〉
レベル2:〈テーマ史〉
レベル3:〈論述〉
という3段階で“世界史を頭にインストール”すればよい、といった内容になっている。

これに対して、

「「世界史教科書を通読せよ」などという教師は」 『はてな匿名ダイアリー』
http://anond.hatelabo.jp/20101118234516

という反論があり、教科書の無味乾燥な記述を興味を持って読めるのはごく一部の人間であり、それを新書のように通読しろというのは無理がある、といった意見が述べられている。

この2つの見方のズレは、

1)受験勉強:教科書を軸とした受験用の勉強
2)楽しむ勉強:その学問に興味をもち、理解して、楽しむための勉強

という、勉強に対する2つのアプローチのズレになっていると思う。

1)のいわゆる受験勉強は、いちいち掘り下げたり、興味を持たせるヒマもなく、とにかく教科書的な知識の羅列を頭にたたき込むというアプローチだ。

いっぽう2)の“楽しむ勉強”は、ほんとうにその学問に興味を持ち、理解して楽しむために、効率を犠牲にしても、特定のテーマや人物などを掘り下げていくというアプローチだ。

私は高校・浪人のときは1)の“受験勉強”をやり、大学以降は2)の“楽しむ勉強”を主にしてきたが、この2つの勉強の仕方は、たしかに大きく違う。

私は受験勉強もそれほど嫌いではなく、わりと楽しんでやっていた。しかしいま考えると、受験勉強というのは“知的訓練”としては意味があるかもしれないが、“教育”としては意味が薄かったように思う。あまりにも表面的で、そこで学んだことがほとんどアタマに残らないからだ。

2)の“楽しむ勉強”しかしていない、いまの私から見ると、教科書というのはまさに無味乾燥で、ほとんど辞書みたいなものである。すでにその学問に興味を持っている人が、辞書のように使いこなすには有用だろうが、まだその学問にそれほど興味がない人に対しては、教科書が“興味を持つきっかけ”にはなりそうもない。

高校生は、2)の“楽しむ勉強”などする余裕がなく、ひたすら1)の“受験勉強”をさせられる。これはかわいそうだし、このために勉強が嫌いになっても不思議はないと思う。かつての私のように、それを“受験ゲーム”としてスポーツ的に楽しめばいいと割り切ることができれば、まだ苦痛が少ないだろう。しかし、そういう割り切りができないと、“受験勉強”が面白くないということによって、勉強や学問そのものを嫌いになってしまいかねない。

かといって、高校の“受験勉強”を一切やめて、“楽しむ勉強”に切り替えられるのかというと、これもむずかしそうな気がする。これは文部科学省による教科書やカリキュラムの縛りという以上に、“楽しませる”ためには、教師の側に才能を求められるからだ。無味乾燥な教科書というのは、実は教える側もラクなのであり、(おしかりを覚悟の上で言えば)あまり才能がいらないのだ。

無味乾燥な教科書で、勉強に“興味を持たせる”ことはまずできないと思う。しかし、それが無味乾燥であるからこそ、大規模で標準的な学校教育ができているのだ、とも言えるかもしれない。教科書が無味乾燥である理由のひとつは、おそらくこれだろう。

いまの制度がそうかんたんに変わるとも思えないので、無味乾燥な教科書で勉強しなればならない高校生は、せいぜい“受験ゲーム”として、無味乾燥な勉強を割り切って楽しむ方法を見つけてほしいと思う。

いっぽう、特に受験するわけでもなく、勉強を楽しみたい大人にとっては、無味乾燥な教科書というのは、あくまでも辞書的な意味しかないように思う。すでに興味を持っている人が使いこなすならいいが、興味を持つきっかけにはなりそうもない。特定のテーマを掘り下げた本などを読むほうが、はるかに面白いだろう。

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