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「ダサ」発言の漫画家vs編集者のガチ対談が実現「佐藤秀峰×新保信長」

ダサ。発言

『ガジェット通信』の記事をきっかけに、ガチ対談がおこなわれることになりました。この対談の様子は生放送する予定です。司会は、編集の経験もあり、漫画原作者でもある鍋島雅治さんにお願いしました。

「ダサ。」ガチ対談『漫画家:佐藤秀峰×編集者:新保信長』詳細ページ
11月20日(土) 15時30分より開始予定
司会:鍋島雅治(漫画原作者)、 進行:深水英一郎、 サポート:ソーシャルメディア大学

この対談のタイトルにある「ダサ。」という言葉は、もともと対談相手の佐藤秀峰氏が新保信長氏に対して発した言葉。さてさて、なぜそのようなことになったのでしょうか。みなさん、マンガ雑誌の最後のページに目次があって、そこに漫画家の方々のひとことコメントが掲載されているのはご存知ですよね? 実は漫画家の佐藤秀峰氏、そこへひとことコメントを書くことを拒否していたのです。それに対して、編集者であり、漫画評論家でもある新保信長氏が、ツイッターで質問したところ、いくつかのやりとりの末、最終的に佐藤氏が「ダサ。」と発言したのです。この出来事はネットでちょっとした話題になりました。

そのときのやりとりを再現してみましょう。

新保氏: 佐藤秀峰先生だけ、なぜいつもコメントなしなんですか?

佐藤氏: 僕は思考停止しなかっただけ。

新保氏: わざわざお返事ありがとうございます。思考停止とは何を指すのですか? コメントも楽しみにしている読者がいるとは思いませんか?

佐藤氏: 自分で考えれば?

新保氏: 編集部との関係がどうあれ、読者サービスとしてコメント書くぐらいの手間は惜しむべきではない、と私は考えます。たとえそれが無償であっても。どうしても無償がイヤなら交渉してみればいかがですか? そのへんの事情がわからないから質問したのですがムダでしたね。

佐藤氏: ダサ。

完全に決裂しているように見えます。これは2010年6月のやりとりですが、以降しばらくはやりとりなどはなかったようです。が、ガジェット通信の記事をきっかけとして、再びやりとりが始まりました。

ガジェット通信の記事をきっかけに再びやりとりが

その記事とは、佐藤秀峰氏の連続インタビューです( http://getnews.jp/archives/81710 )。この記事を読んだ新保氏と、漫画家のいしかわじゅん氏がツイッターで以下のようなやりとりをおこなったのです。

新保氏: 出版社の在庫には税金かかるって知ってるのかな。社員価格77%って業界一律の話じゃないけど。とか、いろいろツッコミどころはあるけど、試行錯誤するのは悪いことじゃない、とは思う。

いしかわじゅん氏: 面白いインタビューだけど、「みんな」こうだとか根拠のないことをいいすぎ。インタビュアーが紙の本に記念以外の意味がないとか偏った考えすぎ。

新保氏: ですね。

その新保氏の疑問に答える形で、このインタビューを担当したガジェット通信記者、深水がツイッターで説明をおこない、同時に新保氏へいくつかの質問を投げかけました。しばらくやりとりが続いたのち、新保氏が以下のような長めのメッセージをツイートされました。

新保氏: 佐藤氏が売れたのは、もちろん佐藤氏自身の力が大きいですが、出版社の力も無視はできないと思います。そもそも単行本を出すに当たってリスクを負うのは出版社です。著者は通常、一冊も売れなくても初版分の印税は受け取れます。が、もし半分くらいしか売れなければ、その赤字を背負うのは出版社です(採算分岐点の設定にもよりますが)。たとえば吾妻ひでおさんのヒット作『失踪日記』は、どこも出す出版社がなく、それをイースト・プレスが引き受けました。ただし、実売印税という形です。それは一見ひどい条件、あなたの言う「搾取」のようにも見えますが、そのおかげでタイミングよく増刷することができ、ベストセラーとなりました。 「君の本じゃないから」という出版社の発言は極端というか、ほかに言い方があるだろうとは思いますが、あながち間違ってるとは思いません。いろんな人の力があってヒット作は生まれるんです。
それを自分一人の力だと思うのは勘違い。まあ、今後、自分で作品を売っていくのは自由ですし、もともと出版社に頼らず、同人誌で描きたいものを描いて十分な利益を得ている作家も大勢います。講談社版の『ブラックジャックによろしく』が増刷されていないとのことですが、それは後ろ足で砂をかけるようにして出ていった作家の本を増刷したくないということであり、商品としての価値うんぬんとは別の判断じゃないかと推測します。そういういろんな背景をわかってないのか、あえて無視したのか知りませんが、あのインタビューのように一面的なことを言われても説得力ないなあ、と私は思いましたので、ちょっとコメントしてみた次第です。

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深水英一郎(ふかみん)

記者:

見たいものを見に行こう――で有名な、やわらかニュースサイト『ガジェット通信』発行人。トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

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