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中高生の「きずな依存」自我形成を阻む

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「ネット依存」中高生は51万人以上。「きずな依存」が深刻

「ネット依存」に陥っている中高生は51万人以上。そのうち、依存度が「中」以上の割合は50%以上ともいわれています。多くの中高生の間では、ネットは身近なものを通り越して、生活や心の中にまで押し寄せている状態です。

単に「ネット依存」といっても、その種類は複数あります。オンラインゲームをやめられない「ゲーム依存」や、動画やアプリ、ネットサーフィンの接続時間が長い「コンテンツ依存」など。

このような中高生のネット依存で問題視されているのが、「きずな依存」とも呼ばれる、LINEやFacebook、TwitterなどのSNSに依存するパターンです。

すべては「つもり」。SNSの「絆や友情を築く力」は弱い

私のところへカウンセリングに来る子どもたちの多くがスマートフォンを持っています。そんな彼らに「SNSの良い点」を聞くと、このような意見が聞かれます。

○気軽に多くの人や友人にリアルタイムに情報を届けられ共有し合える
○友人との距離が縮まる
○仲間と気持ちを共感できる(つながれる)

しかし、その多くが「つもり」に過ぎません。

○リアルタイムな情報を「共有できた」のではなく、「共有したつもり」
○友人との距離が「縮まった」のではなく「縮まったつもり」
○仲間と気持ちを「共感できた」のではなく「共感できたつもり」

人と人との絆や友情は、確かに「共有や共感」などの繰り返しで築かれていきますが、SNSは持つその力は低いと考えます。

「きずな依存」は、自我の確立とは間逆の方向へ向かわせる

絆を築くには、相手の情報を知るだけではなく、個々に違った自我を持った者たちが同じ空間の空気や感覚を五感すべてで感じながら、相手の心理を探り、自分の心も伝え、理解し合えるように努力をすることが必要です。そのことが共有・共感を生み、最終的に絆が築かれるのです。

自我が確立されており、絆が築かれた人同士のSNSは、彼らが言うようにとても便利なツールだと思います。しかし、まだまだ自我を形成途中の中高生では、「相手に合わせる自分作り」「相手の時間に合わせる自分作り」など、自我の確立とは間逆の方向へ向かわせしまう危険があります。

現実世界で味わう「共有・共感する嬉しさ」をプレゼント

では、子どもたちに、このことをどのように理解させれば良いのでしょう?子どもたちの好奇心や流行を追う気持ちには絶対勝てませんし、全国の中高生からネットを取り上げるは不可能です。「みんな持っているから」「みんなやっているから」という子どもたちの言い分もわかる気もします。

「きずな依存」を解決する唯一の方法は、「真の共有や共感とは何か?」を現実世界で味わうことができる体験を子どもたちにプレゼントしてあげることだと思います。

運動会や遠足、クラス発表や音楽会など、昔から催されている行事が、とても良い機会です。これらを、単なる行事として 淡々と行うのではなく、「子どもたちの共感・共有、そして自我や個性を育み、そして最終的には、絆を構築できる最高の機会」と、まずは私たち大人が再度、見つめ直すことが大切です。

本当の「共有・共感する嬉しさ」「絆のありがたみ」を知れば、子どもたちはその方向へ、きっと向かってくれるでしょう。

(つだ つよし。/心理カウンセラー)

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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