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ユーグレナ社長のあふれるミドリムシ愛 「感覚的にはパートナーであり、大事な娘に近い」

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ユーグレナ社長のあふれるミドリムシ愛 「感覚的にはパートナーであり、大事な娘に近い」

ユーグレナといえば、ミドリムシを使ったクッキーで知られる会社だが、その名前はミドリムシの学名だという。実はムシではなく藻の一種で、ビタミン・ミネラル・アミノ酸など、59種類の栄養素を持つ夢の食品と言われるそうだ。今月18日からはファミリーマートで、ユーグレナ入りの「抹茶スフレ」も販売されている。

2014年11月13日放送の「カンブリア宮殿」(テレビ東京)は、ミドリムシの大量培養に世界で初めて成功し商業化したベンチャー企業「ユーグレナ」の出雲充社長(34)のミドリムシをこよなく愛する姿と、世界を栄養失調から救いたいという高い志を紹介した。
バングラデシュで「飢える子どもたちを救いたい」

9年前に設立し2012年に東証マザーズに上場したユーグレナは、いまや70人の社員を抱えるベンチャー企業に成長。出雲氏は嬉しそうに、ミドリムシへの愛を語る。

「緑で可愛らしいので、感覚的にはパートナーであり、大事な娘に近いです。美人ですよー」

ミドリムシをここまで突き詰めたきっかけは東大1年の時、「貧しい国の現状を確かめたい」とバングラデシュを訪問したことだった。米はあるので飢餓ではないが、毎日わずかな野菜と豆の薄いカレーで、十分な栄養が採れない。

栄養失調に苦しむ子どもたちをなんとか救いたいと夢の食材を探すべく、文系から農学部へ移籍。そんな中、「ミドリムシがある」と教えてくれたのが、1年後輩の鈴木健吾氏だ。

出雲氏は「お前の頭はミドリムシのためにある」と鈴木氏を説得し、共同研究を始めた。卒業後も働きながら研究を続け、成果の出ない日々が5年続いたが、研究者たちに教えを乞う全国行脚を夜行バスで行い、協力を得ながら特別な培養液の開発に成功した。鈴木氏は現在もユーグレナの研究開発責任者として、出雲氏を支えている。

2005年に人類史上初の大量培養に成功しユーグレナを設立し、サプリメントとして売り出そうとしたものの、当初はムシだと勘違いされ全く売れなかった。2年間で500社を巡るが、すべて門前払いを受けて「明日倒産するか」という日々だったという。

それでも出雲氏は、「明日ブームが起きる。今日やめたら、ミドリムシがデビューできなくなる。あと一日だけやってみよう」を2年繰り返したのだと語った。
燃料や環境対策、医薬品の材料にも

一転したのは、大手商社の伊藤忠商事が理解を示し、取引が始まってからだ。それまでが嘘のように商談が成立し、いまではカルビーやリケン、伊藤園など大手の食品会社が菓子や加工食品にこぞって採用している。

ミドリムシは自然界に100種類以上存在し、体内にため込む成分の違いによって人類の様々な問題を解決しうる可能性を秘めているのだという。それは栄養食品だけでない。

油をため込む性質のものは「燃料」に、二酸化炭素を取り込む性質は火力発電所の「CO2削減」に、品種改良し「医薬品の材料」として使える特性を持つものは、大手製薬会社タケダと医薬品の共同開発も決まった。

この春、ユーグレナは「自社製品が1つ売れたら1食分を子供に寄付する」というプロジェクトに取り組んでいる。バングラデシュの貧困地域にある小学校で、2500人の子供たちにユーグレナのクッキーが毎日1食分ずつ配られている。年間1000万円近い負担になるが、出雲氏は絶対に継続すると力強く宣言する。

「どんなにお金が掛かっても歯を食いしばって、100万人まで増やす」

究極の目標は、やがて「国連と政府がこれに取り組み、今世界にいる栄養失調の10億人に広げるプログラムにしたい」と真剣に語る。
「ミドリムシになった夢を見た」

ミドリムシは食物連鎖の最下層に位置する生物で、「光合成するので他の生き物を食べないんですよね」と村上龍が話を振ると、出雲氏は嬉しそうにこう話した。

「謙虚で、ホントけなげで可愛らしい子ですよね」

あまりにもミドリムシのことを考えすぎて、「私、ミドリムシになったことがあるんですよ」と真顔で話す。ミドリムシになった夢を見たことがあるという話だったが、こんなにもミドリムシを愛している人は他にはいないと思わせる。

毎週さまざまな経営者が登場するこの番組だが、ここまで自社製品を愛する経営者も珍しかったのだろう。村上龍は編集後記に、「ミドリムシへの愛を感じた」と記していた。(ライター:okei)

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