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消費増税延期、株価にもたらす光と影

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「GDPショック」で株価急落。消費増税の先送りは確実に

先週末まで、報道各紙・各メディアが衆議院の解散、消費増税1年先送りを予想したことから株価は高騰、日経225平均は17,490.83円迄上昇しました。週明け11月17日の7月~9月GDP速報値は、まさかの二期連続のマイナス成長。年率1.6%減の発表で、不意打ちに遭った市場は、「GDPショック」で同日の東京株式市場は売り一色になり日経平均株価終値は前週末比517円安い16,973円に急落しました。下げ幅は、2月4日に付けた610円安以来で今年2番目の下げ幅でした。これを受け、安倍首相の消費増税の先送りは確実となりました。

先週まで、投資家は「衆院解散」と「増税先送り」は株価に対しプラスとして、買い進んできましたが、今回の「GDPショック」により、株価を下支え、経済の成長を図るため必要な施策に変化しました。もしここで、安倍首相が先送りせずにいると、アベノミクスの生命線である株価上昇が下げに転じることがありえると考えます。

短期的には株価も徐々に回復?しかし、持続性に欠ける

翌18日には日経平均株価は前場で285円高と前日の下げの半分以上戻しました。市場が今回のショックを消化すれば、7-9月期の大企業業績の多くは増収増益でしたし、今回のGDPのマイナス成長は、民間在庫の調整のマイナス寄与のため、在庫が減ってきたなら、10-12月期はGDP成長がプラスに転じることが予想され、短期的には株価も徐々に回復に向かうものと考えます。

ただし、消費増税の先送りは、時間を買う政策です。現況の株価は、ファンダメンタルの改善によるものではなく、日銀黒田総裁の「ハロウィーン緩和」と同日に発表した年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のポートフォリオ変更によりもたらされたもので、株価回復は持続性に欠けるものになりそうです。

株価は騰落の変動が大きく、上昇も限られたものに?

現在の円安レベルは、輸入原材料費の高騰を招き、すでに生活品物価の上昇を引き起こしています。原油等エネルギー価格の値下がりで、上昇幅は抑えられていますが、これ以上円安が進めば、家計や企業にとってマイナスの影響が増加します。

先送りにより、税収が増えませんから、経済界が期待した法人税減税も先送りの可能性があります。何よりも、税収が増えない分は国債発行で賄わなければならず、債務残高が積み上がります。日銀の国債買い入れはすでに中央銀行としての禁じ手である財政ファイナンスのレベルで、国の財政規律に対する投資家(国内・海外)の信頼を損ね、最悪の場合インフレ率の急騰を引き起こしかねません。

このように、先送りは株価に良い効果だけでなく、マイナス要因も大きいので、株価は騰落の変動が大きく、かつ、上昇も限られたものになりそうです。アベノミクスの第三の矢の実効と消費税10%が実現するまでの間、わたしたち一般投資家は購入時期の分散、資産の分散などでリスクに備えることが必要と考えます。

(吉野 充巨/ファイナンシャルプランナー)

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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