【旅レポ】上水道は全て地下水! 火の国 熊本の”水”のここが違う!
九州のほぼ中央に位置し、阿蘇山を有する ”火の国” 熊本は豊富な水源を持つ ”水の国” でもあります。特に政令指定都市の熊本市は全ての水道水源を地下水で賄っている、世界的に見てもかなり珍しい地域です。今回、水源地ツアーである『水たび くまもと』に参加し、熊本の水源を回ってきましたのでご紹介させていただきます。
健軍水源地
『健軍水源地』は熊本市全体の約25%(約6万トン)の水源を供給している施設です。熊本の水道水は「蛇口を捻ればミネラルウォーター」と言われるほど美味しく、他県から来た人々にも人気が高いです。
施設内の『健軍5号井』は自噴井戸としては日本最大級。
『配水池』は震度7クラスの地震が起きても壊れない構造をしています。震度6弱以上の地震を感知すると緊急遮断弁が作動し、緊急貯水槽として12000立方メートル(熊本市民が1日3リットルの水を使ったとして5日間生活できる量)の水を確保します。
地下水は、水道法に則って塩素処理をしていますが地層が天然のフィルターになっているため、そのままでも飲めます。硬度79の軟水で後味は円やか、髪を洗えばコンディショナーがなくてもサラッサラになるそうです。
水前寺成趣園
細川忠利公、光尚公、綱利公の3代にわたって造営された『水前寺成趣園』。東海道五十三次を模していると言われており、水が湧いているのは大名庭園としては非常に珍しいです。
園内では伝統野菜『スイゼンジナ(水前寺菜)』の栽培も行われています。
園内の老舗料亭『泉里』にて昼食。『スイゼンジナ』のお浸しは少し粘り気があり、濃厚な味わいでした。他にも貴重種の『スイゼンジノリ』や手打ちそばをいただきました。
江津湖
日量40万トンもの水が湧き出る広大な湧水地『江津湖』。水源が地下水なので水温が年間を通して約18.5℃と常に一定で夏は涼しく、冬には温かく感じます。
生い茂る芭蕉の木がどこか異国的な雰囲気を醸し出しています。
市街地にありながらとても多くの生き物が見られます。休日には水遊びする子ども達や釣りを楽しむ人の姿も。
川上商店
熊本のお酒を多数取り揃えている『川上商店』。店主が利酒師をしており、お酒について様々なお話しをしていただきました。美味しい日本酒を作るためには美味しい軟水の水が不可欠であり、熊本の水はとても合うそうです。
店内には様々なお酒が棚に並んでいます。熊本には日本酒の酒蔵が9ヶ所、焼酎の酒蔵が28ヶ所あるとのことです。
熊本古来の酒造りをしている『香露』。多くの吟醸酒に使われている熊本酵母発祥の蔵としても有名です。
白川中流域ざる田
白川中流域の水田は特殊な地質構造により、ザル田と呼ばれています。ザル田は通常の水田と比べて約5倍の浸透能力があります。
白川水源
環境省選定の名水百選の一つ『白川水源』からは、熊本市内を流れる白川の最上流部で毎分60トンもの水が湧いています。
湧水は自由に持ち帰りができるため県外から水を汲みにくる人も多いとか。
池山水源
『池山水源』も名水百選に選定されている水源です。樹齢200年以上の杉の巨木が立ち並び、大野川の源流の一つとして毎分30トンの水が砂を舞い上げながら湧き出しています。
水は極めて透明度が高く、神秘的な雰囲気を醸し出しています。
水温が約13.5℃と江津湖と比べるとやや低め。触るとひんやりします。
水の国 くまもと
地下水は河川水と比べて水質が安定しやすく、水温が一定で採水が容易です。そんな地下水によって水源を賄っている熊本は全国的に見ても水資源に恵まれた地域。そして名水によって育まれた野菜や畜産は非常に美味です。阿蘇山にばかり目がいってしまいがちですが、豊かな水源地に注目しながら熊本を探索してみるのはいかがでしょうか。
『水の国くまもと』公式サイト
http://mizukuni.pref.kumamoto.jp/
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