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続々・善悪の誕生(メカAG)

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今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

続々・善悪の誕生(メカAG)

よく「感情のままに行動するのは動物と同じだ」とかいう。同時に「気持ちを大切にしましょう」ともいう。前者は感情のまま暴力を振るうのを戒める時に使われる。後者は弱いものをいたわる時に使われる。

しかし根拠はどちらも「感情」だ。確かに人間は損害を被れば腹が立つし、弱い者が助けを求めていれば助けたくなる。はたして感情は否定されるべきものなのか、肯定されるべきものなのか。

これは社会の入れ子構造に起因する。まず個人がいて、その周りに家族や共同体などごく親しい関係のグループがある。そしてその外側には他のグループを含むより大きなグループがある。国とか世界とか。

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グループ内部では協調を主体としなければ、そのグループは求心力を失って自壊してしまう。同時に他のグループとは競争をしているから必ずしも協調とは限らない。協調戦略もあれば裏切り戦略もある。スポーツに例えれば、チーム内で内紛していては、試合で他のチームに勝てない。共同体内部の結束を固めるには仲間同士助け合わなければならないし、外部の他の共同体との争いに勝利するには、仲間の犠牲を払う必要もある。国家間でいえばいわゆる戦争ですな。

この入れ子が何重にもなっているので、グループ内の戦略とグループ間の戦略は一致しない。個人の感情と社会規範の不一致は、この中の一番内側の不一致だ。

もっとも個人の脳内にもこの入れ子構造は続いていると思う。人間があーでもない、こーでもないと悩んでいる時は、脳の中のあうグループと別なグループが争っている時なのだ。勝利したグループが個人の行動を決める。

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しばしば個人の行動と集団(国家)の行動が似ているのもそのためだろう。内部でまとまり、外部の問題に対処する。自然と分業が進む。社会の自己組織化。人間の脳内の自己組織化でもある。よく人間の悩みとして「自分の居場所がない」とかが上げられる。これは集団内での分業体制を模索している途中なわけだ。

分業体制が整わない状態を人間の感情は「不快」と感じる。それによって安定解を探そうとあれこれ試行錯誤をし、体制が整っていく。自然と組織化が行われる。脳内も国家間。この仕組みはスケーラブル。個人の頭の中で悩みが絶えないのも、国家間で争いが絶えないのも、この自己組織化という性質を持っているから。組織が完成すれば安定し、悩みはなくなり平和になる。

しかし外的条件は時々刻々と変化するから、適応にはまた別な組織形態が必要になる。新たな自己組織化(変革)に迫られ、再び個人は悩み、国家は争い合う。

家族はともかく共同体や企業、国家などの組織が無から自然と組み上がるのは不思議なものだ。それはこれらが自己組織化という性質をもっているからで、単細胞生物から多細胞生物に進化した時から、いやそもそも化学物質から細胞というものが生まれた時から、こうした悩み(争い)はあったのだろう。化学物質がジレンマに悩み、押し合いへし合いした結果生まれたのが細胞という組織なのだろう。

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なんで永遠に悩まなければならないのか、なんでこんな無限地獄のような世界に生まれてしまったのかと嘆きたい気持ちはわかるが、前回も述べたけれど、この世界がそういう仕組を持っているから存続しているわけで、逃れられない運命というしか。「生きることは苦痛」というのは正しい。本当は社会も生物も生き残るために苦痛に感じる仕組みを持ってるわけだけど。

関連記事:
「善悪の誕生」 2014年08年13日 『メカAG』
http://mechag.asks.jp/847944.html

「続・善悪の誕生」 2014年09年11日 『ガジェット通信』
http://getnews.jp/archives/664720

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年09月11日時点のものです。

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