体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

はやぶさ帰還ニコ生中継・観測編

野尻blog

今回は野尻抱介さんのブログ『野尻blog』からご寄稿いただきました。
この記事は、以下の記事のつづきとなっておりますので、こちらも合わせてお読みください。

はやぶさ帰還ニコ生中継・準備編
http://getnews.jp/archives/65649

『はやぶさ』ニコ生中継・観測編
『ニコニコ生放送(以下ニコ生)』中継班はnecovideo氏、その助手(通称“猫奴隷”)のボクネコ氏、三才ブックスの斎藤氏と私の4名になった。necovideo氏が航空券、レンタカー、ホテル宿泊を手配してくれた。空路でアリススプリングスに入り、そこからレンタカーで680km走ってクーバーペディに行く。ここを拠点に観測地をロケハンすることになった。さらに心強いことに、宇宙開発ジャーナリストの松浦晋也氏と、『はやぶさ』理学チームの先生方2名がプライベートで現地を訪れるというので、アリススプリングスから合流することになった。6月10日夜に成田を発ち、11日朝に乗り継ぎのケアンズに着く。そこから『ボーイング717』で大陸中央のアリススプリングスへ、2時間半ほど飛ぶ。

『はやぶさ』ニコ生中継・観測編

アリススプリングスはアウトバック(outback、オーストラリア内陸部)の中心地として、以前からあこがれていた場所だ。初冬の澄みきった青空と酸化鉄で赤く染まった大地のコントラストがまぶしい。平原から突き出した岩山はよく風化していて、日本の山のような険しさがない。全体の雰囲気はアメリカ・ユタ州の荒野に似ている。世界有数の古くて安定した陸塊ではないだろうか。

12日、斎藤氏と交代で運転しながらほぼ一日走り、夕方クーバーペディに入った。道路の両側に小さなコニーデ火山のような土の山が無数にあるのに首を傾げた。鉱物好きの私としたことが、世界有数のオパール産地に来ていることをすっかり失念していた。採掘跡転落注意の標識がひんぱんに出ている。路肩で油脂光沢のある灰白色の石を拾った。オパールなど付着していないが、これが母岩になるのだろう。

『はやぶさ』ニコ生中継・観測編

スチュアート・ハイウェイから街に入る手前に電光掲示板があった。「ここから138km先、6月13日の22〜24時まで通行禁止」とある。通行止めの区間は60kmだから、その中間、つまり168km先が『はやぶさ』の進入コースと交差しているのだろう。ようやく具体的な情報が得られた。

『はやぶさ』ニコ生中継・観測編

クーバーペディは丘の上にある小さな街だ。中心部にはオパールの売店が並んでいる。黄昏(たそがれ)の中を一人で散歩してみると、アボリジニの一団がたむろしていて、そこだけはやや不穏な雰囲気だった。保護下に置かれた先住民族というのは、あまり健全な状態ではない。ギリシャ料理の店に集まって夕食を取る。英語に堪能な先生方がうまく注文してくれて、いろんな料理を堪能できた。オーストラリアの生活習慣はイギリスに近くて、ファーストフードはフィッシュ&チップスが多い。ジャンクフード好きな私はオーストラリア入りして以来、喜んで何度も食べていたが、少々飽き始めていたところだった。

翌朝、『ニコ生』中継組が準備に手間取っているうちに松浦氏と先生方がロケハンから帰ってきた。スチュアート・ハイウェイを南下して二つ目の休憩所、インゴマー(Ingomar)が好適、という。我々も出発し、100kmほど走ってその休憩所を確認した。申し分ない。それからさらに南下して通行止め区間の開始地点に行き当たる。ここにも電光掲示板があった。まだ通行止めではないので、そこから30km先、『はやぶさ』進入コースの直下点とおぼしきあたりまで行った。

1 2 3 4 5 6次のページ
寄稿の記事一覧をみる

記者:

ガジェット通信はデジタルガジェット情報・ライフスタイル提案等を提供するウェブ媒体です。シリアスさを排除し、ジョークを交えながら肩の力を抜いて楽しんでいただけるやわらかニュースサイトを目指しています。 こちらのアカウントから記事の寄稿依頼をさせていただいております。

TwitterID: getnews_kiko

  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。
GetNews girl / GetNews boy

オスカー2018年晴れ着撮影会