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女性カフェ店主の本音の言葉集【この日のガケ書房】(8月10日)

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昨今、ライフスタイルは形骸化され、その爽やかなイメージがあちこちで切り売りされています。例えば、書店の現場でも<シンプル><ていねい><おしゃれ><かわいい><カフェみたいな>暮らしを提案した本が女性たちのナルシシズムを満たすアイテムとして幅を利かせています。しかし、そこには理想しか載っていません。理想の暮らしを空想し、気持ちよくなるアイテムとして存在しています。では、その理想の暮らしを実際に実行したらどうなるのか? 短期間ではなく、覚悟を決めて毎日のこととして。例えば、仕事としてカフェみたいな暮らしそのものを体現してみたら。

カフェ/喫茶店経営というのは、女性にとって自己実現のひとつの象徴かもしれません。自分の居場所を自分でプロデュースして、自分のサービスを提供する。僕たちが組んだ編集企画グループ『ホホホ座』[リンク]が作った『わたしがカフェをはじめた日』は、実際にその大きな一歩を踏み出した女性7組の物語です。

彼女たちのカフェ文化への目覚め~修行時代~紆余曲折~実店舗オープンの日までを男目線からインタビューで聞き出しました。お話を伺ったお店は全部、京都で一人(もしくは二人)で経営している個性的な女性店主たちです。新米店主からベテラン店主までそれぞれの事情・エピソードが存在します。女性が一人で店を切り盛りするということは、今、流行の<小商い>のスケールを越えてしまっているかもしれません。家賃や仕入れ代などの経済的負担。技術・サービス・センスなどの体力精神的負担。皆、プロフェショナルとして場所を提供したいと思っている人たちです。だけれども、そんな彼女たちにも現実がある。裏の心理がある。<カフェみたいな暮らし>は、お客さんにとって楽しいかもしれませんが、彼女たちにとっては毎日の仕事でその<カフェみたいな暮らし>の夢の部分を提供する立場です。この本は、そこの部分が既存のカフェ本には抜け落ちているのではないかという問題提起の本です。

知り合いの男性カフェ店主の言葉に「カフェ業務はアスリートと同じ」というのがありました。彼女たちももちろん彼と同じような現場で働いています。そこに男女の区別は存在しません。しかし彼女たちから吐かれた真実の言葉は、決して重く苦しくはありませんでした。現実を真正面から受け止め、時にはサラッ流し、自分の居場所を自分なりの方法論で作ろうとしていました。皆、一様に実は<超人見知り>の人たちというのも面白い発見でした。そういう人たちがなぜカフェという場を選んだのか? それを知れる一冊です。

レイアウトにも凝ってみました。コンピューターソフトを極力使わず、手書きの一昔前の不器用だけれども魅力的だったあのレイアウト。きれいな写真主体ではなく、時にはいびつでもあるユーモラスなイラストを使いました。サイズは、A4判。卒業アルバムのような上製本です。時代性をなくすために全てモノクロです。

実際のメニューがそのまんま載っています。もちろんおすすめの一品も。

もう一つの読みどころは、彼女たちにアンケートで聞いた30の質問です。これは見ようによっては少し意地悪な質問もあります。その質問に彼女たちは、それぞれの独自センスの言葉で返しています。インタビューの<話しことば>とは違う<書きことば>なので余計に彼女たちの思想や個性が浮き彫りになっています。これは一覧表形式で読めるようになっています。

最後に、素敵なゲストが登場します。作家のよしもとばななさんがこの本に関わってくださいました。カフェを懸命に(もしくは賢明に)営む彼女たちの覚悟やヒストリーを読んで、ばななさんなりの感想をくださいました。必読のコラムです。

この本は、8月15日(金)から今のところ、京都ではガケ書房、恵文社一乗寺店、コトバヨネット、100000t、nowaki、マヤルカ古書店。大阪では、FOLK、長谷川書店。埼玉では、Agosto。広島では、READAN DEAT で販売する予定です。
(お取り扱いご希望の店舗さまは、ガケ書房 gake32@r5.dion.ne.jp まで
 ご連絡くださいませ。カフェや雑貨店など本屋さん以外でも結構です。)

8月26日(火)には、女性店主たちを招いてトークイベントも開催します。
ご予約受付中です。

イベントの詳細や、本をご予約のお客さまはこちら!(初回版特典付)
http://gake.shop-pro.jp/?pid=75594454

『ガケ書房』について

店名:ガケ書房
所在地:〒606-8286 京都市左京区北白川下別当町33
電話:075-724-0071
ウェブサイト:http://www.h7.dion.ne.jp/~gakegake/ [リンク]

ここにはその目的の本はありません。
しかし目的外の面白い本があります。

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