自由という思考停止(メカAG)

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自由という思考停止(メカAG)

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

自由という思考停止(メカAG)

自由自体は俺も好きなんだよね。だからずっと言論やネット活動の自由を訴えている。そもそも生物の進化が自由競争なのだから、これ以上実績のあるメソッドはおよそ考えつかない。

ただね…自由という言葉で思考停止しているブロガー&ジャーナリストが多いように思う。何かわからないが自由にすればすべてよくなる、みたいな。

まあ「すべてよくなる」という主張をしてもいいんだけど、そのプロセスというかメカニズムの分析が欠けている人が多い。やっぱ予測する以上は、こうするとこうなって、これがああなるから、最終的にこうなるはずで、それはよいことなんだ、というものであるべきだと思うんだよね。その分析が脳天気なほど楽観的ななものであってもいいのだけど、全然そういう分析をしないのはどうかと思う。

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なんというか「自由にすればなんでも良くなる!」というだけなら馬鹿でも言えるわけだよね?「俺は馬鹿よりは少しは考えてるんだ」と示したいなら、「馬鹿では言えないこと」を少しは主張に含めたらどうなんですか、と。

それとも「馬鹿でも思いつくことを、壊れたレコードのように大声で繰り返し主張することが俺の生き方なんだ」という人たちなんでしょうかね、ブロガーとかジャーナリストというのは。

(馬鹿との)差別化を考えないんでしょうかね…。

「自由」とか「平和」というのはあまりにも強力な言葉過ぎて、それに頼ると思考停止しちゃう。思考停止しても(つまり馬鹿で言えることしか言わなくても)人々の支持を得られてしまう。どんどんその安易な世界に浸っていくことになる…。ブロガーやジャーナリストに堕落をもたらす麻薬だよね。

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自由というのはマクロ的なものであって、それはミクロ的にみるとむしろ不自由をもたらすものだ。例えば先物市場に導入されているサーキットブレーカー制度。変動幅が大きすぎると冷却期間として取引を中断する。ある意味自由を制限する仕組みだ。

でもマクロ的に見ればこれも自由の一つなんだよね。つまりサーキットブレーカー制度を導入するか否かが自由意志の結果なわけだ。いいかえればルールを設定する(変更する)自由があるということであって、ルールがないという状態ではない。

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ひとつ確実なことは「自由にすればなんでも良くなる」と叫んでいるだけの間は、そこから何も思考が深まっていかないということ。

なんか固い岩盤を避けて、横にだら~んと広がっていくだけに見えるんだよね。「自由」を叫んでいる限り、ある深さより先には掘り進められない。そうするとやることがなくなってしまうので、横方向に手広く広げていくしかなくなる。

まあ、それでいいならいいんですけどねぇ。そんなんで他と差別化して、グローバル社会を生き残れるんでしょうかね。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年06月20日時点のものです。

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