『人生オワタ\(^o^)/の大冒険』作者に『IWBTG』作者から感謝のメール「あなたのゲームにインスパイアされた」
『YouTube』『ニコニコ動画』などのプレイ動画から日本でも人気に火がついた、海外のパソコン(PC)ゲーム『I WANNA BE THE GUY』(以下『IWBTG』)。即死する障害物やトラップが満載の“死にゲー”として知られ、海外では同様のシステムを持ったインディーズゲームが数多く作られていますが、『IWBTG』がある日本のFlashゲームに影響を受けて制作されたことは、あまり知られていません。
そのFlashゲームとは、『2ちゃんねる』で人気となった『人生オワタ\(^o^)/の大冒険』(以下『オワタ』)。『IWBTG』作者のKayin氏が「『2ちゃんねる』のFlashゲームを遊んで作った」とサイトに記載しており、ユーザーの間では「『オワタ』のことでは?」と憶測を呼んでいましたが、このほどKayin氏から『オワタ』作者のキング ◆KING75wl/Q氏(以下キング氏)に感謝の意を表すメールが届き、この憶測が真実だったことが明らかになりました。
『オワタ』が最初に公開されたのは2007年の元旦で、これを見たKayin氏が『IWBTG』を制作し、公開したのが2007年末ごろ。この時点では両者の関係は明らかではありませんでしたが、キング氏は未完成なバージョンとして公開していた『オワタ』を2009年9月に完全版として公開した際、ゲーム内に『IWBTG』のグラフィックを組み込んだステージを追加し、オリジナルを“逆輸入”。ことし5月に入ってそれを知ったKayin氏が、キング氏に感謝のメールを送りました。
キング氏に取材したところによると、メールは次のように始まります。
『オワタ』に『IWBTG』ステージがあるのを発見して浮かれてしまいました。『IWBTG』はあなたの作品にインスパイアされたものなんです。
『IWBTG』が『オワタ』に影響されたことが明言されました。メールはさらに続きます。
私にインスピレーションを与えてくれた『オワタ』が、今度は『IWBTG』をイジってくれて楽しかった。私を爆笑させてくれたこと、『IWBTG』のステージをクレバーにブッ壊してくれたことがありがたいです。さらにあなたの作品に感謝、そしてたくさんのオールドゲームの中で『IWBTG』に触れてくれているのに感謝します。ありがとう、そして今後のプロジェクトに幸運を!
キング氏はガジェット通信の取材に対して、「IWBTGがオワタの大冒険を参考にして作られたとはウワサ程度には聞いていましたが、改めてこういったメールをもらえるとやっぱり嬉しいですね!僕もなんとなく知った上でオワタの大冒険にIWBTGステージを追加したのですが、こうやって本人から直接連絡をもらえた事を考えるとやって良かったなって思います」とコメント。その後Kayin氏に、感謝の気持ちと次回作を楽しみにしているという内容で返信したそうです。お互いを知るまでには少し時間がかかりましたが、ゲーム作者同士の国境を超えた交流が今後も続いていくことでしょう。
「パクった」「パクってない」ということが議論を呼びがちなゲームの世界ですが、このように元ネタへのリスペクトと感謝を表明することが、不毛なパクり議論を不要なものにするのではないでしょうか。そもそも、どちらのゲームもレトロゲームへの“リスペクト”が満載……そんな話は無粋ですね。ところで、Kayin氏が『オワタ』の『IWBTG』ステージに気づくのに時間がかかったのは、『オワタ』の攻略に時間がかかったからかも。遊んだことがない方も、以前遊んだ方や完全版を知らない方も、改めてその激ムズっぷりを楽しんでみてはいかがでしょうか。
『人生オワタ\(^o^)/の大冒険』(Flashゲーム)
『I WANNA BE THE GUY』(PCゲーム)
http://kayin.pyoko.org/iwbtg/index.php
宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
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