体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

ボーカロイド曲が演劇化! 人気楽曲『ココロ』の世界とは?

初音ミク起動シーン

 『ニコニコ動画』で100万再生を超える人気楽曲『ココロ』をご存じだろうか。人間のように歌うソフトであるボーカロイド『鏡音リン』で歌われた曲で、ある科学者によって作られたロボットが数百年の時を超えて人の心を手に入れるというストーリー性の高い歌詞が特徴だ。このストーリーは、作曲者がいて初めて声を出せる『鏡音リン』自身の立場を連想させ、聞くものに大いなる感動を呼んだ。この『ココロ』が舞台化されるときいて、取材に行ってみた。

舞台化を行うのはココロ舞台化計画という集団だ。水戸を中心に活動する劇作家と、オーディションで集められた役者で作られた専用の劇団となっている。『ココロ』の舞台は第一弾が『水戸市芸術祭演劇フェスティバル』で上演され、今回は東京での再上演となる。舞台に用いられる楽曲は原作者のトラボルタPが新作含め全面協力、イメージイラスト・衣装デザインはredjuice氏が行った。

練習風景

練習の様子は真剣の一言で、緊迫感につつまれていた。本格的な軍隊の動きを訓練する場面では、軍曹のようなコーチの鋭い指示が飛び、何度も姿勢を見直していた。他にはギャグシーンではアドリブで演じられた台詞を、舞台を仕切る演出と周りの役者がポンポンと素早いやりとりで練り直していた。出演者をみてみると主演となる鏡音リン役の女性は非常にキュートで、舞台が楽しみになる練習風景だった。

ココロPV

『ココロ』の舞台が生まれた背景は『ニコニコ動画』の文化と密接な関係がある。『ニコニコ動画』では一つ人気動画が生まれると、多くの派生作品が創作されてくのが特徴だ。たとえば、人間の声で歌ってみる、楽曲をギターなどで演奏する、イラストをつけてみる、踊ってみる、機械にしてみるなど、あらゆるクリエーターが思うがままに二次創作を行っていく。まるで文化祭前夜のように、みんなで世界を作っていく楽しさがある。

『ココロ』はその二次創作文化のなかでも特徴的な展開を見せた。『ココロ・キセキ』という『ココロ』のストーリーの続きを描いた楽曲がジュンPという作者により投稿されたのだ。その楽曲は『ココロ』と同時に再生するとユニゾンするように作られており、曲としても話としても深まるという構成だった。これを元にした非常に完成度の高いPVも投稿され、物語としての『ココロ』が広がっていった。

演劇風景2

今回の演劇は、『ニコニコ動画』の文化祭文化の結実の一つだといえる。なぜなら、演劇は総合芸術と言われるように、演技、ダンス、曲、舞台装置、衣装、脚本などあらゆる要素が詰まっているからだ。これまで、ボーカロイド楽曲は『悪ノ娘』『ペテン師が笑う頃に』が舞台化されており、どちらも成功をみせた。今後、ミュージカル『テニスの王子様』の片岡義朗氏がニコニコ動画のスタッフに加わりミュージカル化を狙っているように、演劇は『ニコニコ動画』で活動する多くのクリエーターの出口の一つになる可能性があるのではないだろうか。ネット発の文化が世に届く様を見届けたいかたは、ぜひ劇場にも足をはこんでみてはいかがだろう。

【日時】2010年5月8日(土)~9日(日)(全4回公演)
【場所】シアターサンモール(新宿)
【価格】前売券 3,800円 当日券 4,300円 全席自由
http://eplus.jp/sys/T1U14P0010843P0100P002039040P0050001P006001P0030001
【出演】寺門文人 中村嘉宏 伊藤翼 大高邦広 美弥乃静 矢口愛奈 倉敷あみ 冨士枝千夏 夕起ゆきお 増田悟士 後藤達也 稲本航 大津文明 小椋亮平 齋藤伸明 藤井理代 石川秀樹
【原作】トラボルタ ココロ(作詞作曲・トラボルタ)
【脚本・演出】石沢克宜
【音楽】トラボルタ
【イメージイラスト/コスチュームデザイン】redjuice
【サイト】ココロ舞台化公式サイト

執筆:伊予柑([NKH]ニコ生企画放送局)
 

■最近の注目記事
『ブラウザ三国志』オフ会レポ~『ニコニコ動画』運営もゲームにハマって数百万円つぎこむ
予算1万円! 全身ユニクロでさわやかリア充に変身してみた
アニメ『けいおん!!』を全裸で待機した男が現れる
イベントってどうやって開催するの? 『空フェス!』主催してみた
テレビ終了のお知らせ? 『朝ダダ討論会』が開催される

  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。