コンテンツビジネスのカギはムスリム!? AT-X岩田圭介社長が注目する『Tenkai Knights』『琉神マブヤー』

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テレビ東京系列の有料アニメ専門チャンネルAT-Xの岩田圭介社長が2014年2月12日にデジタルハリウッド大学国際アニメ研究所が開催した『アニメ・ビジネス・フォーラム+2014』に登壇。アニメ制作の現場の立場から海外展開のあり方を中心にした講演になりました。

『新世紀エヴァンゲリオン』『ポケットモンスター』『NARUTO』など数多くのテレビ東京アニメ番組をプロデュースしていることで知られる岩田氏。2013年は『進撃の巨人』の成功など明るい話題もあったとして、角川グループの合併や『のんのんびより』『きんいろモザイク』といった日常系作品の人気、動画配信サービス『Crunchyroll』(クランチロール)がチェーニング・グループ傘下となったことなどもトピックとして挙げていました。
また、経済産業省が立ち上げたクールジャパン推進機構にも触れ、「言葉がひとり歩きしているが」と前置きした上で、『巨人の星』のインド版の制作などローカライズ(現地版)だけでなく、日本のコンテンツを流す放送局の設立などプラットフォームも海外展開の動きも指摘しました。

北米放送の日本産アニメ『Tenkai Knights』

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これまで「地上波キー局初出し、局間の厚い壁、テレビとネットの溝、メーカー会社間の壁があった」というアニメビジネス。この常識が激変している例として岩田社長が挙げたのは、日本では2014年春に放送予定の『Tenkai Knights』(テンカイナイト)。
この作品、実は原作がカナダの玩具メーカーのスピンマスター社。レゴのようなブロックのおもちゃが既に北米では発売されており、そのアニメを日本の小集プロやゴンゾが制作。最初に北米で放映し日本に上陸するという流れだけでなく、セガトミー関連会社のトムズだけでなく、バンダイグループのハピネットが参加することも「セガトミーグループと組むのが普通だが、北米での『爆丸』の成功などさまざまなファクターで展開が変わっている」と指摘します。
今後一年以内に1年以内で世界展開達成を意識している『テンカイナイト』。アニメも『NARUTO』の英語版制作を手がけたスタジオポリスが参加するなどグローバルを意識した動きになっており、新たなビジネスの枠組みとして注目されます。

Tenkai Knights by Spin Master
http://www.tenkaiknights.com/ [リンク]

マレーシアにローカライズ! 『琉神マブヤー』

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もう一つ、岩田社長が事例として挙げたのは、琉球放送の特撮ヒーロー『琉神マブヤー』。沖縄ローカルということもあり、知る人ぞ知るという作品ですが、これが『RYUJIN JUWARA』としてマレーシアの『BANANANA!Channel』で放映されることに。ローカライズにあたり、マレーシアのプロダクションが制作し、第一話は沖縄で撮影。『マブヤー』の世界観やエッセンスを継承しつつも、肌を見せないなどイスラム圏の文化に合わせた内容になっています。

2030年には22億人と世界人口の26%を占めるという予測もあるムスリム。中でもアジア太平洋圏には全ムスリム人口の6割強を占め、「早く手を付けた方がいいのかなという気がしている」と強調した岩田社長。「最初から文化の違う商圏で、その文化を合わせた形でやる。日本のメーカーがちゃんと作ってやればうまくいくのではないか」といい、グローバル化に対応した制作の重要性を再三に渡って指摘していました。クールジャパン政策もあり、ローカライズ版の制作などが今後どのように展開されていくのかにも注目したいところです。

『琉神マブヤー』公式サイト
http://www.mabuyer.com/ [リンク]

アニメ・ビジネス・フォーラム+2014 (デジタルハリウッド大学)
http://www.dhw.ac.jp/e/anime_business2014/ [リンク]

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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