有色人種は冬季オリンピックから阻害されている
上村愛子がハナ・カーニーの得点を上回らなかった理由を様々な評論家がコメントを述べている中、長野五輪女子モーグル金メダリストの里谷多英が、バンクーバー以降ターンのトレンドが上半身のぶれの大きいカーヴィングターン(スキーを縦方向に滑らせるターン)から上半身のぶれの少ないスライドターン(スキー板を横にスライドさせるターン)に変わったからだと言っていたが、最近のターンのトレンドを反映した審査基準によると、上村愛子は上から3つ目のランクに位置すると審査員に教育がなされていたようだ。
今回のソチ五輪での女子モーグルの採点基準がおかしいと感じ始めた理由は、決勝ではなく準々決勝にあった。2007-2008シーズンで上村愛子がW杯総合優勝を決めた時のかつてのライバルのニコラ・ストヴァは、上村愛子と同じカーヴィングターンを使う数少ない選手だ。予選でのカーヴィングターンは全く評価されないという風評を覆したかに見えたが、これには審査員と基準点という見えない味方がいた。
ニコラ・ストヴァ 準々決勝21.82(ターン:12.0 – エア:4.08 – タイム:5.74)
上村愛子 準決勝21.15(ターン:10.9 – エア:4.68 – タイム:5.57)
ターンの審査員は、アメリカ、フランス、ロシア、オーストラリア、チェコ。エアの審査員は、フィンランド、カナダ。ちなみにニコラ・ストヴァはチェコの選手だ。上村愛子のカーヴィングターンは、予選以来一貫して大きなミスなく精度もスピードも上がって行った。にもかかわらず準々決勝でニコラ・ストヴァが獲得したレベルのターンの得点がなぜか上村愛子には与えられることはなかった。その謎を解き明かしてくれたのが以下で割り出したターンの基準点だった。
今回のソチ五輪で明るみになったW杯ランキングに基づいた各選手に与えられたターンの基準点というものを、予選から決勝までの得点から自分なりに割り出した。実は予選の時点で上村愛子のライバルになるだろうと目をつけていた選手がいた。ユリア・ガリシェワという、第二エアにフロントフリップという大胆な技を繰り出す新進気鋭のカザフスタンの選手だ。準決勝まで安定した力を発揮していたが、ブリトニーコックス(豪)との兼ね合いでふるいにかけられたのではないだろうか?
その原因は、恐らく日本人と同じ黄色人種だからだろう。ターンの基準点の高い選手を順に並べてみると加、加、米、米、チ、加、加の順になっている。これではメダルは、カナダとアメリカの選手が獲って下さいといっているようなものだ。採点は基準点からプラスマイナス1.0することになっているようだ。上村愛子とハナ・カーニーとは2.0の差があり、相手が決定的なミスをして、自分が最高の滑りをしない限り同じレベルには達し得ない。
モーグル競技にはエアは要らないと思っている。ただ単にコブを早く滑り終えたものが勝ちという単純明快な競技にすべきだと思う。ジャンプでも飛型点という訳の分からない採点基準がある。モーグルと同様にフィギュアでも採点基準があいまいな所は多々感じられる。冬季五輪では選手と同じ国の審査員というのがまかり通っているところが疑問だ。いっそのこと審査員を全員黒人にするとか、ゼッケンをなくし、ウェアーも黒一色にして審査員からは、誰が滑っているか分からないようにすれば公平な審査が出来ると思う。
ちなみにソチ五輪女子決勝6人中の最速タイムは、上村愛子の30秒46なので、タイム上の金メダルは上村愛子なのである。
順位 予選 準々 準決 決勝 基準点
1.ジャスティン・デュフォーラポイント 12.3 11.3 11.7 12.1 12.0
2.クロエ・デュフォーラポイント 12.3 12.1 12.0 12.1 12.0
3.ハナ・カーニー 12.6 11.6 11.3 11.1 12.0
4.上村愛子 10.7 10.4 10.9 10.6 10.0
5.ブリトニー・コックス 10.4 10.2 10.8 10.2 10.0
6.エリザ・アウトリム 11.1 11.7 11.2 9.9 11.0
7.ユリア・ガリシェワ 10.4 10.8 10.8 - 10.0
8.レジーナ・ラヒモワ 10.4 10.9 11.1 - 10.0
9.ニコラ・ストヴァ 10.9 12.0 11.8 - 11.0
10.オードリー・ロビショウ 11.0 10.9 10.9 - 11.0
11.デボラ・スカンツィオ 9.7 9.8 9.6 - 10.0
12.マキシム・デュフォーラポイント 11.3 10.9 9.8 - 11.0
モーグルの採点方法
1.満点は30点(小数点2位まで)。
2.ターン(50%)、エア(25%)、スピード(25%)の3つの要素の得点の合計で競う。
7人の審判が採点にあたり、5人がターンの採点をする。それぞれが5点満点で採点し、最高と最低の得点を除いた3人の審判の合計点がターンの得点。満点は15点。
(自分が算出した各選手の基準点は3人の審判の合計点)
エアは2人の審判が採点する。それぞれが7.5点満点(1回のエアが3.75点満点で採点し、その平均点がエアのポイントになる。
スピードは速いほど高得点となり、7.5点満点。選手のタイムを特定の計算式で7.5点満点になるよう換算する。
※この記事はガジェ通ウェブライターの「mabumaro」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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