コンセプト性と繊細な技術に高い評価! 『球体関節ストッキング』制作デザインの『タブロヲ』が注目されるワケ

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人形の膝の可動部を描くというフェティッシュさが耽美好き女子の間で人気の球体関節ストッキング(球スト)。人形作家ハンス・ベルメールの展覧会に触発され「自分の手で人間を人形にしたい」という願いから上野航さんがデザインしたものですが、自身が一足一足を手ずからエアブラシで塗装して制作しているため入手する手段が限られており、一部では模造品も登場する事態となっています。

『オタ女』では、上野さんの球体関節ストッキングについて2012年より取材しており、ワークショップの模様や人気の理由についても記事にしています。

人気沸騰で品切れ続出!?今話題の『球体関節ストッキング』って何? – オタ女
http://otajo.jp/9401 [リンク]

一足ずつエアブラシで塗装!?作者が語る『球体関節ストッキング』ができるまで – オタ女
http://otajo.jp/13559 [リンク]

雑誌『KERA』(インデックス・コミュニケーションズ)のスナップにも登場し、10代~20代前半の女子の一部に熱狂的な支持があるバンド・アーバンギャルドのボーカル浜崎容子さんとのコラボモデルを発表するなど初期の頃から注目され、2013年には東京・浅草橋のパラボリカ・ビスで2回に渡り個展も開催され、アートとしての評価も得ています。

専門学校の卒展から一貫して『着る絵画』というコンセプトで衣服やアイテムを制作している上野さんは、視覚を歪ませるだまし絵のような服を次々に考案し、球ストもそのアイディアの一つ。
2013年9月の個展では、画板をイメージさせるようなバッグを展示・発売。真っ白なキャンパスに持ち主が絵などを描き込むことも想定されており、パラボリカ・ビスでその後に開催されている企画展では画家が作品を加えるといったコラボレーションも展開されています。「ファッションは心の窓」といい、持ち主の考えが反映されるという上野さんらしいコンセプトの作品といえるでしょう。

同じく個展で発表されたセーラーサスペンダー。セーラーの部分を上から着けるだけでTシャツなどもセーラー服っぽくなるという遊び心のある作品です。これも上野さんが多大な影響を受けたという画家・中村宏さんが提唱する「タブロオ(絵画、四角)機械論」が生きづいたデザインといえるでしょう。一般に発売されるかは未定ですが、絶対に欲しいという層は確実に一定数いるのではないでしょうか。

このように、コンセプトが独特なだけでなく、工業製品では再現できないような濃淡を込める技術も持ち合わせているので、単なる服やアイテムに留まらない魅力を放っている上野さんのプロダクト。そのデザインは表層だけを真似しても表現することは出来ないといっても過言ではありません。

球体関節ストッキングをはじめとする『タブロヲ』のアイテムはパラボリカ・ビスのほか、selfer、マッチングモール、アビエタージュ、夕顔楼、CLCS、アヒルヤアパートメントが正規取り扱い店。
特にパラボリカ・ビスでは上野さんの作品が常設展示されているほか、雑誌『夜想』とコラボしたモデルも扱われています。入荷が発表されるやすぐに完売というレアなアイテムですが、全関節をコンプリートしたという労作。上野さんのコンセプトに共感するファンにとっては、次回の発売を首を長くして待つしかなさそうです。

タブロヲ上野航 Tableaux Koh Ueno (夜想 yaso & parabolica-bis)
http://www.yaso-peyotl.com/archives/2013/09/ball-jointed.html [リンク]

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

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