ビール好きに朗報? 原料に含まれるホップは認知症に効果ありと研究結果
認知症。一昔前には痴呆症ともよばれたこの病気は厚生労働省の調査によると、2012年の時点で患者数が460万人にもおよぶらしい。認知症にかかると計算能力や記憶能力に障害があらわれ、日常生活を送るのに大きな困難が生じることはご存知の方も多いだろう。そんな厄介な病気である認知症を食い止める効果がホップにあるという研究結果をサッポロビールが発表した。
認知症を予防する効果のあるホップ
ホップというとビールに含まれているイメージが強いが、実はサプリメントや医薬品にも使われている。例えばハーブを主体に作られた鎮静剤のパッケージを見てみると成分にホップが使われているのを確認できるだろう。今回、サッポロビールがアメリカの科学誌『プロス・ワン』に掲載した実験に使われたのは、ホップの雌株に含まれるエキスで生薬名をヒシュカという。このエキスが認知症の予防に効果を発揮するらしい。
マウスに使ったら認知症の進行を遅らせた
アルツハイマー病のマウスを使った実験によると、水だけを与えたマウスは生後9ヶ月目で記憶や学習能力の低下が起こったが、ホップエキスを混ぜた水を生後1か月半から与えたマウスは生後15ヶ月目まで能力をキープしていたらしい。
ビールを飲めば認知症を予防できる?
サッポロビールが発表した研究報告であり、ホップといえばビールの原料として有名なので「ビールには認知症を予防する効果がある!」と考えてしまいそうだが、そう上手くはいかないようだ。研究に使われたエキスはビールにはほとんど含まれておらず、ビールを飲んだだけでは認知症の予防効果は期待できないと報告されている。
残念ながら、現段階ではマウスを使った実験ということもあり、ホップの認知症に対する効果は未知数の部分が多い。それでも、サッポロビールによって認知症に効果のあるビールというのが発売されることを期待せずにはいられない。
※画像は『足成』より引用 photo by サヨ
http://www.ashinari.com/2011/10/14-351512.php
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