普段はアメリカ一辺倒だが、温暖化になるとホッキョクグマ(中部大学教授 武田邦彦)

普段はアメリカ一辺倒だが、温暖化になるとホッキョクグマ(中部大学教授 武田邦彦)

今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
※この記事は2014年01月09日に書かれたものです。
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普段はアメリカ一辺倒だが、温暖化になるとホッキョクグマ(中部大学教授 武田邦彦)

日本の報道はどうしてここまで意固地になったのだろう? かつて、温暖化を主張するいい加減な学者に騙されたことは仕方がないのだから、そんなことにいつまでもこだわっていないで、正確な情報を伝えてほしいものである。

普段はアメリカ一辺倒だが、温暖化になるとホッキョクグマ(中部大学教授 武田邦彦)

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アメリカは大寒波に襲われ、各地で日本にも影響があるような被害が出ている。「ニューヨーク市で氷点下16度を記録。各地で例年の平均気温より14~19度低く、ロイター通信によると、寒さによるとみられる全米での死者は9人に達した。」

「米石油最大手のエクソンモービルは寒さにより石油精製が一時的に停止。南部オクラホマ州ではプロパンガスの供給が底をつき、ファリン州知事が非常事態を宣言。無許可の運送業者に対しても急きょ、プロパンガスを輸送することを認める措置を取った。」

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一方、南極は記録がある範囲(約40年)でもっとも氷の面積が大きくなり、観光用砕氷船が氷に閉じ込められ、アメリカから救難砕氷船が向かっている。北極の氷はやや減り気味だが、南極の氷は増え続けている。

地球全体としては「極地に氷がある」という状態は、地球の歴史から言えば異例の寒冷期に当たっていて、氷があること自体が地球が極端に寒いことを意味しているが、北極・南極を合計した氷の量はこのところほとんど変化していない。

このように、気温の変化や地球の状態は大きな目で見なければならないのに、北極だけ、しかもここ30年ぐらいだけを見て「ホッキョクグマが可哀想」というような幼稚園レベルの報道が続いている。

たとえば日本経済新聞は2014年1月6日に、「地球温暖化により北極を覆う海氷の縮小傾向が続き、絶滅の恐れが指摘されているホッキョクグマの生存が一層の危機にさらされている。北極の海氷は2012年夏に観測史上最小を記録。専門家からは、人工的な給餌や本来の生息地からの移動など、抜本的な対策を取らなければ絶滅から救えないとの声も出始めている。」と報じたが、地球の気温が15年間、やや低下気味であり、温暖化が進んでいないことには触れていない。

また「経済」という意味ではアメリカの寒波や南極の観光等の方が重要であるのに、これまであまりに誤報を続けたので、それから逃れられなくなっている。この裏には東大の教授が「9月には北極の氷は史上最低になる」(現実ではなく、単なる間違い)で裏付けられている。つまり「ウソに裏付けられたウソの報道」まで進んでいる。

北極の氷は全体として少し減っているけれど、まだ冬は全面結氷、夏は2割ぐらい減少した状態でそれほど危機的な状態ではない。もっとも北極の氷が少なくなっても地球の平均気温は下がっているのだから、地球全体に及ぼす影響はほとんどないし、まして日本はまったく影響はない。

日本のマスコミは過去の間違いを認めるか、認めないで誤魔化しても良いから、一日も早く中立的な報道に戻る必要がある。国民のための情報提供に徹して欲しい。また、正確な事実を伝えることによって、事実の認識を統一し、なにが対立点なのかはっきりするのが大切だ。「合意を目指して事実を確認する」ことが大切であることを知らなければならない。

執筆: この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年01月13日時点のものです。

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