雑誌と同じコーデなのに似合わないのはナゼ? パーソナルスタイリストが提案する「TPPOS」

服やアクセサリーを買う際、ファッション誌やモデルのブログを参考にしてアイテムを選んでいるけれど、いざ自分が着てみるとしっくりこない。クローゼットに入りきらないほど服はあるのだけれど、着たい服がない…。そんな悩みを抱えている人に対してコーデやショッピングのアドバイスをするパーソナルスタイリストという存在をご存知でしょうか? 2001年にファッションデザイナーだった政近準子さんが提唱した新しい職業で、現在では專門の学校も設立されています。

そんなパーソナルスタイルストの基本を知るため、アプリ『スマポ』のユーザーを対象に勉強会を開催。登壇した”旅するパーソナルスタイリスト”河内尚子さんによると、「服を着る理由としては、所属を表すことと、他者と差別化して自己表現するためが挙げられますが、好きな服を着るということで本当にいいのでしょうか?」と問いかけ、「ファッションはコミュニケーション。出会う相手との調和やバランス、公共性や社会性を考える必要があります」と強調します。

そこで登場するのが「TPPOS」という概念。VANのデザイナー・石津謙介氏が提唱した時・場所・場合の「TPO」に、個人(Person)と社会(Social)を加えたもので、服を着ていくシーンを具体的にイメージして合わせていくというもの。「例えば浴衣はカジュアルな服なのでホテルなどはNG。でもパーティーなどのシーンによってはくだけた雰囲気を演出できることもあります」と河内さんは話し、「ファッションは”ギフト”であるというのがパーソナルスタイリストの考え方。その場の格を上げるための装いを常に考えます」とのこと。自己表現よりも、社会や他者からの見え方を優先した装いを意識するのがポイントのようです。

その上で、自分に合った服を知ることが大切。「サイズが合っていること、色があなたを引き立てること、形が体型の短所を隠し長所を引き立てること、全体としてパーソナリティーに合っていること。それを把握するためには、自分の体型の長所と短所を3つ挙げてみるのが役立ちます」(河内さん)といい、自身を引き立てるアイテムは何か考えることが大切とのこと。

また、河内さんは「服を買って着てみたけれど、しっくりこない。そうするとテンションが低くなってしまう。それを繰り返すと服がたくさんあるのに着るものがなくなってしまいます」とメカニズムを分析し、毎回ショッピングで失敗をしてしまうという人に向けた対策も提案。
アイテムごとに調査分析・計画・購入・使用・お手入れ・終了判断を繰り返し、改善案・追加イメージを膨らまして、常にブラッシュアップしていくという、まるでビジネスにおけるPDCAサイクルのような考え方を持ち込みます。
河内さんは「利用頻度の低い服はどうしてなのか考えることが重要です。体型に合わなくなったことが認められなくて残しているということもあるでしょうし、他のアイテムと合わせられないとか、トレンドに合わないというものもあるでしょう。そういったものも、買った皆さんの責任です」とキビしい一言。さらに「自分のパーソナリティーと体型に合っているものを選べば、来年以降の自分の定番として着ることができます」と述べ、それぞれのスタイルに合ったアイテム選びを考えることの重要性を力説しました。

一朝一夕では成らないけれど、ワードローブに不満がある際に見直すきっかけになりそうなパーソナルスタイリストの思考法。ショッピングが下手だという意識を持っているビジネスウーマンに馴染む考え方でもあり、これから個人で学ぶ人も増えていくのかもしれません。

ちなみに、河内さんによると今冬の注目のカラーは「ロイヤルブルー」、アイテムはハットとのこと。特に後者は「小顔効果も期待できます」というので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

Jetset Closet Blog (河内さんのブログ)
http://jetsetcloset.net/blog/


来店ポイント スマポ
http://www.smapo.jp/

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ふじいりょう

乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。

ウェブサイト: https://note.com/parsleymood

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