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阿部選手の目で暗示できた日本シリーズ

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2013年日本シリーズは40年ぶりの日本一連覇を狙う巨人と、レギュラーシーズン24勝0敗1セーブの驚異的な成績を残した田中投手率いる楽天との戦いになった。

ドラフトで自分が指名されなかったことが発端となり現役時代から巨人をライバル視してきた楽天・星野監督は日本シリーズ開幕前日に行われたKスタ宮城での監督会議から仕掛けてきた。星野監督の呼びかけから巨人・原監督が応じる形で、8年ぶりとなる全戦予告先発が決定した。連戦の場合は試合後、移動日は午後3時に日本野球機構(NPB)から発表される。

 

第1戦の楽天の先発投手は今年ルーキーでレギュラーシーズンの開幕投手を務めた則本、巨人はエースの内海。試合は5回表に1番長野のタイムリーと8回表に4番村田のホームランで数少ないチャンスをものにした巨人が2-0で勝利した。則本は8回4安打3四死球2失点、10奪三振の好投を見せたが、ランナーを背負いセットポジションになると不安定なピッチングになり、巨人打線はそれを見逃さなかった。内海は6回6安打2四死球0失点で粘りの投球を見せ、巨人は4投手の継投で楽天打線に得点をあたえず、2対0で勝利した。

巨人 000 010 010  2

楽天 000 000 000  0

 

第2戦の楽天の先発はエース田中、巨人はルーキーの菅野。試合は第1戦目と同じく投手戦となった。好投していた菅野だったが、6回裏に3番銀次にタイムリーを打たれて降板。5回1/3を6安打2四死球1失点。7回裏の楽天の攻撃、2アウト1・3塁の場面で、2番藤田の二ゴロが微妙な判定で一塁がセーフ。巨人・原監督の珍しい猛抗議も実らず、楽天に追加点が入る。田中はリードが2点に広がった直後の8回表に2番寺内に一発を浴びたが、3安打4四死球1失点で12奪三振を奪い、127球で完投。試合は2対1で楽天が勝利。

巨人 000 000 010  1

楽天 000 001 10x  2

 

移動日を挟んで舞台を巨人の本拠地である東京ドームに移した第3戦は楽天が美馬、巨人が杉内の先発。2回表に杉内が楽天打線に捕まり、1回2/3を6安打3四死球4失点で早々とノックアウト。一方の美馬は5月23日の巨人との交流戦のとき、1回6安打6失点で降板している苦い経験があった。普段は140キロ台のストレートを中心に変化球を混ぜていくピッチングスタイルなのだが、この日はカーブなどの変化球を多投し、前回の対戦と全く違うピッチングで巨人打線を幻惑した。6回裏に3番阿部の打球を右足甲に受けてマウンドを降りたが、嶋の好リードもあり、5回2/3を4安打0四死球で巨人打線を0失点に抑え、楽天が5対1で勝利。

楽天 040 000 010  5

巨人 000 000 010  1

 

第4戦は楽天がハウザー、巨人がホールトンの両外国人投手の先発で試合が始まった。巨人は3戦まで不振だった打線をテコ入れし、3番阿部、4番村田、5番高橋のクリーンナップを3番坂本、4番阿部、5番村田に変え、不振が目立つ高橋、ロペスなどをスターティングメンバーから外して大幅に打線を入れ替えた。楽天が初回に4番ジョーンズの3ランで先制するが、両先発投手の調子が悪く、お互いのピッチャーが3回でマウンドを降りる波乱の展開。組み替えた打線が功を奏して巨人が5回裏に1番長野の2点タイムリーで逆転する。6回表に楽天は追いつくが、7回裏に2番寺内の適時打で再び巨人が突き放す。楽天の投手陣は12四死球を出すなど乱調で、試合時間も4時間を超えた。試合は6対5で巨人が勝利して対戦成績が2勝2敗の五分となる。

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巨人 100 220 10x  6

 

第5戦の先発は楽天が辛島、巨人が内海。この試合も先制したのは楽天。3回表に1番岡島と3番銀次のタイムリーで2点を先制。楽天は5回まで1安打に抑えていた辛島から第1戦に先発した則本を6回から投入。しかし、7回裏に5番村田が追撃のソロホームランを打たれる。9回裏にワンアウト1・3塁でまたしても5番村田にピッチャー強襲のタイムリー内野安打で同点とされて試合は延長戦へ。10回表に巨人クローザーの西村が普段は打席に立たないピッチャーの則本にファワボールで先頭打者を歩かせてしまい、動揺したのか2番藤田にはデッドボールでピンチを広げ、3番銀次のセンター前ヒットと4番ジョーンズの内野安打で2点を取って逃げ切った。4対2で勝利した楽天が3勝2敗で日本一に王手をかけた。

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巨人 000 000 101 0  2

 

Kスタ宮城に戻った第6戦。楽天の先発は田中、巨人は菅野という第2戦と同じ顔合わせになった。楽天は2回裏ワンアウト2・3塁で8番嶋のサードゴロの間に3塁ランナーがホームインして先制すると、その後もファーストのロペスがエラーをしてこの回2点が入る。巨人は5回表8番ロペスのツーランホームランで同点にすると、さらにヒットが続き、この試合3番に入った高橋がタイムリーを放って逆転した。6回表にも8番ロペスのサードゴロの間に追加点。菅野は7回3安打2四死球2失点の好投。巨人は8回に山口、9回ワンアウトからはマシソンを投入して2回以外は点を与えず、4対2で巨人が勝利。田中は160球を投げて完投したが12安打1四死球4失点で負け投手。田中の連勝記録よりも菅野がシーズンで連敗しないというジンクスが勝った。対戦成績は3勝3敗となり巨人が逆王手。

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ついに運命の第7戦。勝ったほうが日本一となる楽天の先発は美馬、巨人は杉内。初回にツーアウト2・3塁からショート坂本のエラーで楽天がこの日も先制。2回裏にも1番岡島のツーベースヒットで追加点。杉内は第3戦のリプレーを見ているかのように2回もたなかった。楽天は4回裏に2回途中から登板している沢村から9番牧田がソロホームランで3点目。巨人は5回裏からエース内海を中2日でリリーフで起用。楽天・美馬は6回を1安打4四死球の0失点で交代し、7回からは中2日で則本を送り込む。そして、9回に前日160球を投げた田中がマウンドに上がり、ランナー2人を出したが抑えた。楽天が3対0で勝って4勝3敗として球団創設初の日本一。

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楽天 110 100 00x  3

 

今年の日本シリーズは第1戦以外の他の6試合で楽天が先制点をあげている。終始楽天が試合のペースを握る展開が多かった。今回のシリーズで巨人が受け身になっているのが、はっきりわかる場面があった。

それは第5戦の10回表の楽天の攻撃、ワンアウト1・2塁のとき、3番銀次にカウント2ボール2ストライクで追い込んでから巨人の西村が投じた際、捕手の阿部が体勢を崩しながら不自然なキャッチングをした。恐らくフォークのサインを出していたのに、西村がストレートを投げてしまったのだろう。このときのマスク越しから見える阿部の目は「こんな大事な場面でサインミスするか?」と引きつっているようにも冷めたようにも見えた。もちろん阿部は動揺しないように西村に声をかけたが、巨人の投打と精神的な柱でもある阿部が一瞬でもあんな顔をしたということは、相当追い込まれているのを露呈していた。その後、3ボール2ストライクになってから銀次にタイムリーを打たれたわけだが、相手が動揺していることを察知した銀次は緊迫した場面で優位な立場を確認でき、思いっきりバットを振ることができた。その分、打球は早く、センターへ抜けた。一方の巨人打線は田中のようなキレのある球にコンパクトなスイングを心がけようとするあまり、かえって的を絞れなくなり、いろんなコースに手を出して、ボール球を振り、スイングはボールを追いかけて振り遅れているシーンが目立った。第2戦で田中に球の力でねじ伏せられ、巨人打線に狂いが生じた。

そして、第6戦で不敗神話の中田から4点を取りはしたが、4勝のうち2勝を美馬にあげられてしまった。(美馬は今シリーズMVP)田中をあまりにも意識しすぎて美馬をマークしていなかったのかもしれない。

戦前の予想では戦力の厚い巨人に対して不利といわれていた楽天・星野監督は巨人を倒して初めての日本一。中日のときに2度、阪神時代にも1度監督として日本シリーズに出ているが、日本一に恵まれず短期決戦に弱いという烙印を巨人相手に消すことができた。

 

※画像は『ニコニコ動画』より引用(http://www.nicovideo.jp/watch/sm22160955?group_id=deflist

 

※この記事はガジェ通ウェブライターの「赤いからす」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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