ついにグリーが赤字に転落 来期予想を開示できず

ついにグリーが赤字に転落 来期予想を開示できず

今回はA.杉本さんのブログ『東京のはじっこで愛を叫ぶ』からご寄稿いただきました。
※この記事は2013年08月14日に書かれたものです。

ついにグリーが赤字に転落 来期予想を開示できず

8月14日、グリーの年度決算が発表されました。いつか来るんじゃないかと思われていた赤字転落が、遂に訪れてしまったようです。

「グリーの前期、純利益53%減 大幅減配、ゲーム絞り込みで減損」

グリーが14日に発表した2013年4~6月期連結決算は、最終損益が3億1100万円の赤字と、上場来初の赤字となった。不採算タイトルや事業に関わる減損損失を102億円計上した。経常利益も前四半期比で21%減。(スマホ)のゲームが不振で、従来型携帯電話向けのゲームの落ち込みを補えなかった。

「グリーの前期、純利益53%減 大幅減配、ゲーム絞り込みで減損」 2013年08月14日 『日本経済新聞』
http://www.nikkei.com/markets/kigyo/gyoseki.aspx?g=DGXNASFL140NU_14082013000000

直近四半期が3億円の赤字であります。

通年の数字もとにかく酷い。

売上高 | 営業益 | 経常益 | 最終益 | 1株益
-3.8% | -41.2% | -35.0% | -53.1% | -53.2%

目を覆うばかりの惨状です。他にもゲームコインの消費が減り続けているんですね。理由はドリランドを始めとする既存タイトルの低迷です。

また、約155億円という巨額の特別損失を計上していまして、ウェブゲーム14本、ネイティブゲーム38本が開発中止となりました。付随して広告メディア収入も落ちています。

グリー(東:3632)が14日に発表した2013年6月期の連結決算によると、純利益は前期比53%減の225億円だった。一部タイトル関連資産の減損等、約155億円を特別損失として計上したことが影響した。

ウェブゲーム事業では新たなヒットタイトルを創出するも、既存主力タイトルが落ち込んだ。また広告メディア収入も減少した。

「グリー:13年6月期、純利益は53%減、大幅減配、一部タイトル関連資産の減損など約155億円を特損計上」 2013年08月14日 『Sakura Financial News』
http://www.sakurafinancialnews.com/news/3632/20130814_8

まぁ、要するに何もかも全部落ちているんですね。業績低下の理由を、グリーは「新規タイトル投入の遅延」としていますが、理由になってません。海外のタイトルだけじゃなくて、日本の開発タイトルも大量に開発中止にしているってことは、要するにガチャバブルが終わって、次のビジネスモデルが描けてないということになります。

さあ、これまでと同じように、当たったソフトのコピーを出しまくって、稼ぎを出す方法が通じるのでしょうか? 成功体験から抜け出せるかどうか、グリーのポテンシャルが問われることになりそうです。

■来期予想をあきらめたグリー

さて、来期いったいどうするのか? グリーの回答はこれでした。

14年6月期通期の連結業績と配当の予想を開示しなかった。

「事業の選択と集中の進み具合などで業績が変動する可能性があり、現時点で合理的な算定ができない」と説明している

来期予想を非開示! いいのか、それ。一部上場企業にあるまじき行為でしょう。

ま、一応、次の四半期だけは、「13年7~9月期は売上高が微減、営業利益は横ばいとの計画だ。」ということらしいですが。

懸案の海外市場については、「USスタジオは5月に単月黒字化を実現」としていますが、細かい数字がよくわかりません。

一応、「海外事業全体は拠点を再編し2013年12月までに単月黒字化を予定」などとしていますが、「本年中の黒字化を予定」なんて言葉は去年からずーっと言ってることです。失敗からどう路線を変更したのかわからないと、ただの御題目になってしまいますよね。

とにかくグリーは、「不確定要素が多すぎて、予測が出せねえ」なんてこと言ってないで、早急に来期予想、特に海外市場の詳細な展望を示して欲しいものです。

執筆: この記事はA.杉本さんのブログ『東京のはじっこで愛を叫ぶ』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年08月27日時点のものです。

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