ストーキングの動機はどこにある?ストーカー心理の4パターン
2011年に長崎県西海市、2012年に神奈川県逗子市で発生したストーカーによる殺人事件を契機として、すでに施行されていたストーカー規正法の不備が指摘されるようになった。そして今年の6月24日に与野党間でストーカー規正法の改正案がほぼ合意し、改正案は成立する見通しになった。2000年にストーカー規正法が成立して以来、初の改正になる。 ストーカーという存在は1990年代の後半にストーカーを題材にしたドラマの放送をきっかけにして多くの人に知られるようになったが、心理パターンについては「粘着質」という画一的な認知しかされていない印象を受ける。ここでは、オーストラリアの医師でストーカー研究の第一人者であるミューレンの説をベースにストーカーの心理パターンを4つに分けて紹介していきたい。
ストーカーの心理パターン ①拒絶型
元恋人や元妻から拒絶されたことでストーキングをするタイプで、一番多いタイプでもある。2012年に発生した逗子での殺人事件も拒絶型のストーカーによって行われたと考えられている。拒絶型は最初によりを戻そうとする行為をとることもあるが、最終的には自分をふった相手に対して復讐をするようになっていく。心理的な背景には相手への執着心、自尊心を傷つけられた被害者意識、関係喪失をつなぎとめる為の悪あがき等の要素が複雑に絡んでおり、傷害事件や殺人事件に発展してしまう危険性が一番高いタイプ。
ストーカーの心理パターン ②憎悪型
あまり親しくない人やほとんど知らない人に対して、相手に恐怖や混乱を与えることを目的としてストーキングを行うタイプが憎悪型である。ストーキングを起こすきっかけになる出来事(ささいな被害を相手からうける)を通して自分は被害者なので、ストーキングは当然という風に正当化し、日常のストレスや不満をストーキング対象にぶつけるタイプが憎悪型である。
ストーカーの心理パターン ③親密希求型
親密希求型は相手と相思相愛になることを目的とし、一方的に自分の好意を押し付けてくるタイプである。ストーキング対象を過度に理想の相手と見なし、自分の孤独感や窮状を救ってくるのは彼女(彼)しかいないという考えに取り付かれ、ストーキング対象に保護者的な愛情を求めているパターンが多い。ストーキングを孤独感からの逃避手段として行っている傾向が強い。
ストーカーの心理パターン ④無資格型
人格障害などの精神的な疾患が原因で、相手の立場を理解することができずに自分の欲求を相手にぶつけるためにストーキングをするタイプが無資格型である。ストーキングすることに対して罪悪感はなく、相手は自分の欲求に答えるのが当然であると考えている身勝手なタイプともいえる。
理由は解明されていないが、ストーカーの約8割が男性であるということも分かってきているので、女性の方は特にストーカーに注意していただきたい。上記したミューレンの説以外にも国内の研究者では福島章などがストーカーに関する著書を何冊も書いている。興味のある方は一読してみるのはいかがだろう?
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photo by anieto2k
※この記事はガジェ通ウェブライターの「浅川 クラゲ」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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