大学を卒業して20年たつとわかる、終身雇用なんて、幻想だった。
今回は竹内 健さんのブログ『竹内研究室の日記』からご寄稿いただきました。
大学を卒業して20年たつとわかる、終身雇用なんて、幻想だった。
自分は大学院を卒業して20年たつのだけれども、同期の連中の身の振り方をみると、終身雇用で会社に勤めあげる人なんて、ほんの一部。
就職した時には、東大の工学部の同期たちは、自分も含めて、いわゆる大手企業、メーカーや金融機関、商社などに就職して行った。
その時は、特にメーカーは世界の中で競争力があったし、日本メーカーの間で転職はできないとも言われていたので、就職した会社に一生勤めるのは普通だ、という認識だったと思う。
つまり、ほとんどの人は、終身雇用のつもりで、就職をしていた。
それが、20年後の今では、最初に就職した会社に勤め続けている人は、同期の中でも1/3も居るかどうか。
就職した時と、その後の展開は、全然違ったものになりました。
まず、90年代、私たちが20代の時に、金融バブルがはじけ、盤石だと思われていた、大手の金融機関がバタバタと倒れて行った。
特に、東大生は長銀に就職した人が多かったので、長銀の倒産で、かなりの人が、会社を辞めて、外資系企業などに移って行った。
一方、90年代は、メーカーは金融機関ほどは経営が悪化しませんでした。
メーカーの技術者の友人たちで、会社の経営が悪化したというより、新しいチャンスを求めたり、自分のスキルアップのために、自ら転職していく人が増えたのが、30代。
このグループは大体、人数にすると、1/3くらいですかね。
新しいチャンスを求めて転職する人は、一度ではなく、何度か転職をしている人が多いような気がします。
自分もこのグループの一人。
もう一つ、残念ながら、30-40代で増えたのは、自分の意図とは関係なく、転職せざるを得ない人たち。
事業が不振のため、他の会社に売却されたり、別の企業になったり。
気づいたら、違う会社になっていた、というパターン。
そして、40代。
これから増えそうなのが、メーカーの事業の不振で、リストラで退職を余儀なくされるケース。
あと数年もしたら、就職した会社にずっといる人なんて、ほんのわずかになるんじゃないかと思う。
会社を変わる理由は人それぞれだけど、結局、終身雇用って、幻想だったんでしょうね。
一方、これだけ変化が激しいのに、それでも、「安定」や「終身雇用」を求め、「会社が何とかしてくれる」と思っている人もいる。
そういう学生に会うと、本当に、大丈夫なのか?と思ってします。
20年前から、すでに、終身雇用なんて幻想だったのだから、今では、もうあり得ないでしょう。
それに、早く気が付いた方がいい。
執筆: この記事は竹内 健さんのブログ『竹内研究室の日記』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年04月23日時点のものです。
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