私設文学賞が今熱い!「文壇バー」「クィア」「俺的」? ちょっと変わった文学賞をご紹介します

私設文学賞が今熱い!「文壇バー」「クィア」「俺的」? ちょっと変わった文学賞をご紹介します

「クイア文学賞」という私設の文学賞が設けられたようです。ツイッターのアカウント以外情報が一切ない点が、なかなか興味深いかも?

ほかの賞といくつかまとめて「ちょっと変わった文学賞」をご紹介します。

クィア文学賞

こちらは現在ツイッターのアカウントで公募されており、応募方法はメールで送信という私設の文学賞です。クィアとは「Queer」の意。かつては性的マイノリティに対する否定的な言葉として用いられることが多かったようです。しかし、近年では性的指向・性自認を示す上で肯定的な言葉へと変化してきました。理念は下記の通りです。

クィアが描く未来は、クィアを必要としない。だから、いま、クィアにしがみついて境界を撹乱する言葉をわたしは綴る。

少数派であるクィアにとって本来描きたい未来とは、「クィア」といった言葉で限定されない未来だ、という意味が込められているのでしょう。クィアという少数の特別枠に規定されない未来、そこではもう「クィア」という言葉は用いられない。普遍的な存在でありたい、という信念が込められているように感じられます。少々解釈が難しいようですが、応募者はクィアに限られていません。規定枚数は原稿用紙30枚以内の短編で、締切は7月20日と猶予があります。大賞にはAmazonギフト券(¥10,000分)と明示されており、テーマを踏まえれば魅力的な賞かも?

月に吠える文学賞

日本一敷居の低い文壇BARが主催する、日本一小さな文学賞。それが「月に吠える文学賞」です。ジャンルやテーマは問いません。難しく考え過ぎず、まとまり過ぎず、飾り過ぎず、書きたいことを自由に表現してください。 そこに作者の本気の想いが込められていれば、文章は文学に昇華し、物語は魅力を放ち、読者は心を揺さぶられるでしょう。あなたの本気が詰まった作品に出会えることを心待ちにしています。

こちらは何とも粋なBARの主催する文学賞です。原稿規定は400字詰め原稿用紙換算100~300枚で8月31日締切。テーマを問わずとあるので、自由な発想で作品を書きたい人にはうってつけでしょう。

こちらの文壇バーでは作家やライター志望者の為に、出版社や編集者からの情報提供を呼びかけています。作家と編集者をつなぐ場を提供しようという試みが素敵なBARですね。書く前に立ち寄ってみるといいかもしれません。

俺的小説賞

一般の方が個人で設けた小説賞です。募集はSNSや大型掲示板で公示され、賞金は主催者のバイト代から支出されます。一般の個人が小説賞を私設するという試みそのものが目新しく秀逸です。主催者は夜間大学の一年生とのこと。

受賞者なし、なんて逃げもしません。選考を行えるだけの最低限の応募があれば、必ず選考を行います。そういったわけで、募集要項を注意事項まで良く読んで、気軽に応募してくれたらと思います。

出版社や団体と違って「普通の、ごく一般人」が「個人」として開催している時点で、受賞作は私たちにとって身近な存在として感じられます。締切は8月5日。「ジャンル、短編、長編、既発表、未発表を問わず」募集されています。この賞、投稿歴の長い方ほど魅力が感じられるのではないでしょうか。世の中には、発表時期も不明で選考結果が何年経っても為されない…といった賞もあるからです。本当に審査員が読んでくれるのかな? といった不安がない点でも頼もしい賞と言えるでしょう。

千代田区の「ちよだ文学賞」

私設文学賞ではありませんが、「千代田区の持つ文化的・歴史的な魅力をアピールする」ことが条件として織り込まれている千代田区主催の賞です。過去の受賞作「森崎書店の日々」は映画化されており、なかなかの力の入りよう。原稿用紙換算120枚以内という規定で、なんと大賞は200万円。直木賞と芥川賞が賞金100万円であることを考えれば、これは太っ腹。審査員に逢坂剛氏などの著名な作家を迎えており、文学賞としても格式が高いと言えるでしょう。第6回の応募総数393点に対し、第7回は626点と応募者が増えています。第8回の公募は終了していますが、次回応募に向けて今から準備しても遅くないでしょう。取材がてら千代田区を観光するのも楽しいかも?

小学館 12歳の文学賞

こちらは企業による賞です。その名の通り小学生限定の文学賞。将来を担う「12歳世代」が今の時代注目を浴びている、として設けられた賞とのこと。応募規定は400字詰め原稿用紙で5枚~100枚程度まで。小学生と言っても、低学年と高学年では文章力にも差があります。しかし5枚以上から応募できるので低学年でもトライしやすいでしょう。

更に、「一作品につき、一枚のはがきに手書きで」書いて応募できる「はがき小説部門」も設けられています。はがき一枚からどんな作品が生み出されるのか、応募資格のない大人にとっても興味深いかも? 締切は9月30日。8月も半ばだというのに息子や娘の自由研究が終っていない…というときに、この賞を提案してみるのも一興かも。

 

 

いかがでしたでしょうか?

これらの賞の面白いところは、応募者以上に主催者側の期待感、わくわく感が伝わってくるところ。これらの賞を参考に、あなただけの賞を創設するのもいいかもしれません。

賞への応募を検討される方は必ず公式のホームページで規定を確認しましょう。健闘を祈ります。

 

 

 

 

●クイア文学賞
https://twitter.com/queerbungaku 【リンク

●月に吠える文学賞
http://bar.moonbark.net/award.html 【リンク

●俺的小説賞
http://oretekisyousetusyou.web.fc2.com/ 【リンク

●ちよだ文学賞
http://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/bunka/bunka/bungaku/index.html 【リンク

●「森崎書店の日々」 公式サイト
http://www.morisaki-syoten.com/ 【リンク

●小学館 12歳の文学賞
http://family.shogakukan.co.jp/special/12saibungaku/outline/concept.html 【リンク

●画像素材 足成 【リンク

※この記事はガジェ通ウェブライターの「小雨」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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