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「99%」でも安心とはいえない? 数字のカラクリとは

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 商品の値段やその効果、そして使用者からの評価まで、私たちの消費活動の中の様々なところに数字が使われています。もちろん数字は“世界共通の言語”とも言われるほど絶対的なものですから、その「意味」を取り違うことはほとんどないはずです。
 ところが、少し表現を変えるだけで、その数字から与えられる印象が大きく変わってしまうことがあるのです。そして、時にはその数字によって私たちは騙されてしまうこともあります。
 『仕事に役立つ統計学の教え』(斎藤広達/著、日経BP社/刊)から、その数字のカラクリを取り上げてみましょう。

■「99%」と「1%」から受けるイメージの違い
A:この手術は99%の確率で命に別状はありません。
B:この手術は1%の確率で死亡します。
 以上の2つの文章は、同じことを言っています。しかし、どちらの文章の方が恐怖感を覚えるでしょうか。多くの人は「B」と答えるでしょう。
 こうした同じ確率であるのにもかかわらず違った受け取られ方をすることを、行動経済学では「プロスペクト理論」として研究されています。この場合、「99%で生存」と「1%で死亡」は同じことなのですが、死亡という言葉に引っ張られて恐怖を抱くようになります。人間は得をするよりも、損をすることに過剰反応してしまうものなのです。

■「99%」でも安心といえるのか?
 「99%は成功」と聞くとちょっと安心してしまいますよね。しかし、本当に問題ないかというと、実はそうではありません。
 本書では様々な事象を「偏差値」に換算して考えています。受験で学校の学力ランクを示す数字としてよく使われる偏差値ですが、これは基本的に「正規分布図」というもので表されます。偏差値50を平均値とし、数字が高くなればなるほど、偏差値も高くなります。ただ、単純に数字が高くなった分だけ偏差値も上がるのではなく、数字の散らばり具合から「標準偏差」がはじき出され、平均値近くになるにつれて、その偏差値に当てはまる数は多くなります。
 99%という数字の場合、偏差値73となります。つまり、73以上が100回に1回の世界になるわけです。今度はこの数字を身長で置き換えてみましょう。男子平均身長を170センチ、標準偏差を6センチと仮定したときの偏差値73は、184センチ。つまり、100人に1人が184センチ以上の身長であるということになります。でも、184センチ以上って、意外といるように思いませんか?
 99%という数字は「ほぼ100%」と同じと思ってしまいがちですが、実はそうではありません。1%は意外と多いのです。

■数字がないときは楽観的に考えてしまう傾向も
 これまでは数字が出ている状況での話でしたが、ここでは数字が出ていない状況での話を紹介します。
 「オープンカー効果」を知っていますか? これは、無意識のうちに楽観的に考えてしまう人間の心理です。あなたは貯金をはたいて、昔から欲しかったオープンカーを購入することになりました。そして、穏やかに晴れた日。気持ちの良い風を浴びながら…そんなドライブシーンを想像するはずです。
 しかし、1年のうち、絶好のオープンカー日和といえる日はどれくらいあるのでしょうか。暑すぎる夏や寒い冬はもちろんNG、雨の日は幌をかぶせて運転はできますが、オープンカー日和とはとてもいえません。曇りの日も…と考えていくと、気持ちよく晴れ、適温な日は20%にも満たないのです。しかし、オープンカーを購入する人は、この確率をもっと高く感じているといいます。

 こうした心理的な効果は、悪用されやすい部分があります。目の前にある商品や前から欲しかった商品も、実はこうしたバイアスがかけられた上で、陳列されている可能性があります。
 数字を正しく理解し、正しく解釈することは、賢く生活していく上で重要なこと。目の前にある数字のイメージに惑わされないようになりたいですね。
(新刊JP編集部)



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