ソフトバンクがイー・モバイルのLTE網を利用する『ダブルLTE』導入を発表 「つながりやすさ No.1」の背景を説明し「ネットワーク No.1」を宣言

ソフトバンクがイー・モバイルのLTE網を利用する『ダブルLTE』導入を発表 「つながりやすさ No.1」の背景を説明し「スマホ時代のネットワーク No.1」を宣言

ソフトバンクモバイルは3月21日、記者発表『モバイルネットワークに関する説明会』を開催。ソフトバンクグループ代表の孫正義氏が『スマホ時代のネットワーク No.1へ』と題したプレゼンテーションを行いました。この中で、同社がイー・アクセス買収により取得したイー・モバイルのLTE網をソフトバンクのLTE網と併用可能にする『ダブルLTE』のサービス開始を発表。さらに、テレビCMなどで訴求している「つながりやすさ No.1」の背景を説明し、「スマホ時代のネットワーク No.1」を宣言しました。

“2車線”で都市部の混雑を緩和

『ダブルLTE』を発表

『ダブルLTE』は、ソフトバンクが提供する2.1GHz帯のLTEに加えて、イー・モバイルが提供する1.7GHz帯のLTEを併用できるようにするもの。ネットワークの混雑状況を共有して、混雑の少ない方のネットワークへ接続することで、つながりやすさを向上、“パケ詰まり”を解消します。

パケ詰まりとは

“パケ詰まり”は、圏外ではないのにネットワークに接続できない状態のことで、ネットユーザーの間では定番化しているフレーズ。この日の発表では孫氏自らが“パケ詰まり”という言葉を使ってネットワークにつながりにくい現象があることを認め、同社の対策を説明する場となりました。同社は“パケ詰まり”について、「アンテナバーは立っているがデータが流れない状態」と定義しています。

ダブルLTEの効果を高速道路にたとえる

孫氏はネットワークの混雑を高速道路にたとえ、『ダブルLTE』により2.1GHzと1.7GHzの“2車線”にすることで、ネットワークの混雑を回避すると説明しました。『ダブルLTE』は発表日の3月21日から運用を開始。『iPhone 5』、『iPad mini』、Retinaモデルの『iPad』を対象としています。質疑応答ではサービス提供エリアについては主に都市部の混雑したところ、特に山手線周辺のエリアから開始し、端末は今後発売される1.7GHz帯に対応したAndroidスマートフォンにも対応を広げていくとコメントしました。

「つながりやすさ No.1」の背景

音声接続率の調査結果 パケット接続率の調査結果

この日最も説明に時間を割いたのは、最近テレビCMで盛んに訴求している「つながりやすさ No.1」について。「音声接続率」と「パケット接続率」が3キャリアで1位になったとアピールする成果が出た背景には、プラチナバンド(900MHz帯の3G回線)の基地局数を計画より前倒しで増設していること、1つの基地局で100人分の接続を担う小セルの基地局を導入することによりトラフィックの分散に成功していることを理由に挙げました。

音声接続率の調査方法

「音声接続率」と「パケット接続率」調査の詳細についても説明しました。「音声接続率」は、イプソス社が調査を実施。各キャリア1万人のモニター計3万人の中からスマートフォンユーザー1万2400人を対象に、1人につき月間15回発信するテストを行い、月間19万件の結果を解析した結果とのこと。『iPhone 5』の利用者2500人を対象に解析した結果では、auの97.1%に対してソフトバンクは98.6%という結果が出たことも明らかにしました。

パケット接続率の調査方法

「パケット接続率」は、ソフトバンクグループのAgoop社が解析を実施。Yahoo! が配布する『防災速報』とAgoop社が配布する『ラーメンチェッカー』の各アプリを利用する各キャリア3万6000台、計10万8000台を対象に、月間1億5000万件のアプリ通信ログを解析した結果であることを発表しました。パケット接続の可否は、30分ごともしくは移動時に端末から位置情報を送信して、圏外もしくは10秒間通信できない場合につながらなかったと判定しています。このログには地図情報、建物情報、基地局情報、時間情報が含まれ、解析結果を基地局の設置計画に活用しているとのこと。「パケット接続率」についても、『iPhone 5』ではauの95.6%に対してソフトバンクは97.4%と優位であったことを明らかにしました。

このほか、地域別の解析結果ではトラフィックが多い関東・東海・関西で1位、北海道・北陸・中国・四国・九州で1位、駅や大学、ショッピングモール、コンビニ、高速道路のサービスエリアなどランドマーク別の解析結果で1位となっている項目を次々に挙げていきました。

通話よりデータ通信の比率が高くなるスマートフォン。2008年から2012年3月までの間に音声通話のデータトラフィックは1.3倍の伸びであるのに対して、データ通信は60倍に伸びているというデータを示し、スマートフォン時代のつながりやすさは「パケット接続率でNo.1になることが重要」と発表会の冒頭で示した孫氏は、これらの調査結果に「偶然ではなく必然のNo.1」と自信を示しました。「No.1」を裏付けるデータを相当数用意し、特に『iPhone 5』での優位性をアピールしたソフトバンク。iPhoneユーザーには注目できる発表内容だったのではないでしょうか。

画像:ソフトバンク報道資料より引用
http://www.softbankmobile.co.jp/ja/news/conference/

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shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

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