ファミ通批判で注目されるクロスレビュー! 点数はお金で買えないことが判明

okane

ゲームメーカーのセガ社員が「あのクロスレビューを書いた奴らはわかってない! 面白さが全然わかってない4人がレビューしているんです!」と発言し、事実上のファミ通批判をしていた件をご存知だろうか。これは人気のゲーム情報サイト『オレ的ゲーム速報@刃』の取材で明らかになったもので、ゲーム雑誌『週刊ファミ通』のゲーム批評コーナー『クロスレビュー』の評価に不満を持ったセガ社員が、『オレ的ゲーム速報@刃』の記者(管理人)に発言したコメントである。

『クロスレビュー』のコーナーではライターや編集者の4人がゲームをプレイし、おもしろさを10点満点で評価。1~3点は残念なゲーム、4~6点はもっと頑張って欲しいゲーム、7~8点はおもしろいゲーム、9~10点はかなりレベルの高いゲームという感じで評価されていると思われる。セガ社員は自分が担当したゲーム『ザ ハウス オブ ザ デッド オーバーキル』が6点だったことに対して不満があり、そのような発言をしてしまったようだ。雑誌や世間が何と言おうと、自分がおもしろいと思ったゲームに誇りと自信を持っているからこそ、そこまで言えたのだろう。

このことはインターネット掲示板『2ちゃんねる』や人気ブログの『痛いニュース』、『ねたミシュラン』などでも話題として取り上げられ、いまも注目されるニュースとなっている。だが、今回の一件で『2ちゃんねる』やブログでよく目にする言葉があった。それらの言葉を要約すると、「広告費をたくさんくれるメーカーのレビューは高得点になる」「現金をつめば高得点となる」という内容。つまり、『クロスレビュー』の点数はお金で買えるという考え(予想)だ。

ガジェット通信は以前『クロスレビュー』に詳しい人物に取材をしたとき、お金で買うことはできないというコメントをもらった。つまり、クロスレビューの点数はレビュアーの趣味趣向は影響するものの、金品で揺れ動くものではないというわけだ。しかし、ゲームを作るのもゲーム雑誌を作るのも人間である。広告をたくさん入れてくれるゲームメーカーは、クロスレビューでも高得点にされるのではないだろうか? 人の感情で、そのあたりが甘くなるのではないだろうか? そう思ってしまうのが正直なところだ。

だが、よくよく調べてみると、クロスレビューの点数はお金で買えないことが判明した。2009年5月28日に発売されたジャレコのWii専用ソフト『黄金の絆』は、ファミ通にこれでもかというくらい広告を出しまくり、かなりの広告費を『週刊ファミ通』に投じたと予測できるが、『クロスレビュー』の評価は5点、4点、4点、4点という悲しい結果に。4人全員が「たいしておもしろくない」という評価を下したのだ。つまり、いくら広告を入れてお金をつぎ込んでも『クロスレビュー』の評価は変化しないようである。「よくぞ広告を入れてくれた! 褒美としてレビュー点数をもう1点プラスする権利をやる」ということにはならないわけだ。

都市伝説という表現はおかしいかもしれないが、ゲーム業界では以前から「クロスレビューの点数はお金で買える」という噂が流れていた。嘘であってほしい噂だったが、やはり嘘だったのでちょっと一安心といったところか。ちなみに、『黄金の絆』で反省したジャレコは、気合を入れたニンテンドーDS用ソフト『ワイズマンズワールド』を開発中で、ジャレコ社長によると「かなりいいデキ!」とのこと。期待に胸を膨らませつつ発売を待ちたい。

『クロスレビュー』で6点をつけられた『ザ ハウス オブ ザ デッド オーバーキル』は、海外でとても高い評価を得ているという。欧米人と日本人とでは文化も違えば好みも違うわけで、欧米と同じ評価を日本でも得られるとは限らない。今回の6点という評価も、日本人の趣向からすると妥当な点数といえるかもしれない(プレイせずにいい加減な評価はできないが)。

建前や企業間の関係ばかりを気にしてハッキリと物事をいえない世の中で、バッサリとホンネを語って『クロスレビュー』に物申したセガ社員、なかなか豪快で粋な男ではないか! ガジェット通信は『バイオハザ……』じゃなくて、『ザ ハウス オブ ザ デッド オーバーキル』とセガ社員を今後も応援していくぞ!

撮影: 横尾和慶
モデル: 原憲彦

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