“おもてなし”スリラー『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』不幸を隠して幸せなフリ…今の家族問題を描いた理由を明かす

『ゲット・アウト』『M3GAN/ミーガン』など数々のヒット作を生み出し、ハリウッドのホラー界を牽引するブラムハウス・プロダクションズの最新作『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』 が、12月13日(金)より全国公開となります。

英国アカデミー賞ライジング・スター賞受賞のジェームズ・マカヴォイ(『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』、『スプリット』)が、最恐の“おもてなし”をするパトリックを怪演。監督には『バイオレンス・レイク(未)』『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』など英国出身でサスペンスの名手ジェームズ・ワトキンス。作品全編に散りばめられた違和感、手に汗握る緊張の連続、そしてこの家族の闇が暴かれたとき、逃れられない絶望へと変わる。想像を絶する恐怖へと引きずり込む“おもてなし”スリラーが今年の冬、日本を震撼させます。

ジェームズ・ワトキンス監督が新たに“家族問題”を描いた理由とは?二組の家族の対比が織りなす本作の見どころに注目!

本作は、アメリカ人一家のベン(スクート・マクネイリー)、ルイーズ(マッケンジー・デイヴィス)夫妻、そして娘のアグネス(アリックス・ウェスト・レフラー)が、旅先で知り合ったイギリス人一家のパトリック(ジェームズ・マカヴォイ)、キアラ(アシュリン・フランチオージ)、息子アント(ダン・ハフ)に招かれ、彼らの自宅で“最悪なおもてなし”を受けることとなる、絶望的な体験を描いた物語。しかし、本作はおもてなし一家のヤバさだけではなく、ベンとルイーズ夫婦、そして娘のアグネスが抱える、我々の身近にも起こりうる問題を描いている部分も、特に注目すべき見どころの一つとなっています。

なぜ本作に彼らの“家族問題”、“夫婦問題”を取り入れたのか。監督のジェームズ・ワトキンスは、「誰だって不幸な状況を隠して幸せなフリをする。“幸せ”を投影して生きているんだよ。SNSがいい例さ。我が子や友人の写真を投稿しているだろ。着飾ってパーティーを楽しんでいる写真ばかりで、孤独な写真は誰も投稿しない。私はそこに興味を惹かれたんだよ」と説明する。ベンたち一家も、リゾート地でバカンスを楽しむ様子など、一見すると幸せそうなごく普通の家族に見えるが、物語を追っていくと彼らの真実の姿が浮き彫りとなる。ワトキンスは続けて「人間関係は難しいから、そういった闇に焦点を当てたかったのさ。善良な夫婦は苦しんでいるが、悪人夫婦は違う。彼らは自由を満喫していて、悩みとは無縁の生き方をしている。そこが興味深い対比になると思ったんだよ」と、生き方が大きく異なるベン夫婦とパトリック夫婦の対比も描きたかったことを明かしています。

ベン一家の“闇”の部分に焦点を当てると、荒々しくカリスマ性にあふれて野性的なパトリックと献身的な妻のキアラ、そして息子アントに旅行先で出会ったことが、彼らの人生を一変させるストーリーとなっている。ベンとルイーズは、パトリックの社交的な人柄とキアラの温かさに魅了されていき、次第に互いの家族間に友情が芽生え始める。特にベンは、自由な考え方を持つ新しい友人一家の姿が、自分たち家族に良い影響をもたらすと考えた。その後、パトリック夫婦に田舎にある自宅へと招かれると、ベンは「全て元通りにして再起動の機会となるかもしれない」と前向きに捉え、招待を受けることにする。パトリック一家の“おもてなし”は別の意味でベン一家に大きな変化をもたらすことになるのです。

現代の”家族問題“、“夫婦問題”に着目し、対比によって物語に深みを増している本作。ベンとルイーズの夫婦関係と娘の家族関係の行方にも是非注目を!

監督&脚本:ジェームズ・ワトキンス 製作:ジェイソン・ブラム、ポール・リッチー 
製作総指揮:ベアトリス・セケイラ、ヤコブ・ヤレク、 クリスチャン・タフドルップ
出演:ジェームズ・マカヴォイ、マッケンジー・デイヴィス、アシュリン・フランチオージ、アリックス・ウェスト・レフラー、ダン・ハフ、スクート・マクネイリー
原題:Speak No Evil(9月13日(金)公開)/日本公開:12月13日(金)全国公開  配給:東宝東和
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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

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