ニコニコ動画で有名になっても良い事がなかった話

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ニコニコ動画で有名になっても良い事がなかった話

今回は、『はてな匿名ダイアリー』から転載させていただきました。

ニコニコ動画で有名になっても良い事がなかった話

ニコニコ動画やニコニコ生放送で有名な人っていっぱいいるよね。
見る側の人間から見れば、ちやほやされてて羨ましい、自分もあんな風になりたいと思っている人も多いと思います。

でも私は言いたい。

有名になっても良い事はないよ。
(正確には、私の場合は良い事はなかったよ、という意味です。)

お前だれ?

今から書くのは基本的に愚痴なので匿名希望。

MAD関連の動画で有名になりました。

どうやって有名になったか

私の場合は、何となく作ったMAD動画を投稿して、投稿後しばらくは「あ、再生数が10になった、誰かが1getってコメントした、でもマイリストは全然増えないなー」って感じでPC画面を眺めてたんだけど、仕事から帰ってきたら、総合ランキングの5位くらいに入ってて、ビックリした覚えがある。

今ではその動画は100万再生を超えていて、たまにランクインして未だに楽しんでもらっているみたい。

ランクインでかなりテンションの上がった私は、作り貯めておいた動画を数日起きに投稿。

どれも1作品目と似た内容の動画だったためか、すんなり受け入れられて、いずれも上位にランクインした。

「またお前かw」なんていうコメントが付いて嬉しかった。

今思い返せば、「ニコニコ動画で有名になるための◯つの心得」みたいなことが実践できていたのかも。

本当にそんなものがあるかどうか知らないけれどw

つまり、

1. 動画は派手で目に着きやすいけど、言いたいことはシンプル。
例えば、ゆのっち可愛いよ?って事だけ言いたい、とか。

2. 動画の作り方、アプローチが他の人と違う。
他の作者と差別化出来るものがあった。
ここに関しては特定を避けるためにこれ以上は詳しく書きません。

3. 忘れ去られてしまわないように短い間隔で定期的に動画を投稿する。
これってかなり重要で、日々大量の動画を投稿されるニコニコ動画では、
見る人はたった1個の動画で有名になった投稿者の名前なんて全く覚えてくれない。怒涛の勢いで投稿して名前を印象づける必要がある。

4. 見る人の期待に応える。
ある程度有名になってくると、見る人は「私は◯◯な感じの動画を作る」という見方をしてくる。その期待を裏切らない。1回だけ完全に媚びた動画を作ったが、これは総合ランキングの1位をとる事が出来た。

…といった感じで、後はこれらに運が加われば、誰でも有名になれると思います。
まぁ結局は運次第なところが大きいか。

有名になってから

ランクインを重ねて名前が売れたのだから、さぞチヤホヤされて良い思いをしたのだろうと予想されると思います。

確かにチヤホヤされました。

オフ会の誘いは来るし、コラボ(動画の共同制作)の話は来るし、ちょっとプロっぽい方面からのギャラありの依頼も来ました。

そういった話とは程遠い世界にいた私は、とりあえず、オフ会というやつに参加してみました。

まあ同カテゴリの動画投稿者やファンの方たちで飲み会をするっていうだけです。

個人的には結構楽しめました。

私は基本的に他人に興味ありませんというタイプなので、相手の方から興味を持って話しかけてくれたのはありがたかったです。

何回かオフ会をすると、顔見知りになる人もいて、友好関係が築かれます。

オフ会の場は気分も盛り上がっているので、コラボしようっていう口約束を軽いノリですることが何度かありました。

今思えば、コラボしようってあたりから、良い事が無くなって来たんだっけ。

コラボ作品制作が無性につまらなかった

ニコニコ動画を見ていれば、コラボ作品っていうのは良く見かけます。

よくあるのが、複数のゲーム実況者が一緒にプレイとか、初音ミクの作品では、例えば、作曲、演奏、イラストが分担されているとか。

ランクインするコラボ作品は、各投稿者の良さがちゃんと表現されていて、投稿者の目線から見ても、楽しめるものが多いです。

私が関わったコラボ動画は、それぞれのMAD動画を1つの動画内で流そうというものでした。

最初の時点で怪しい感じがしました。

まとめ役1人と、私がを入れて他3人。

私以外は、はっきり言って無名の投稿者です。

私は他のMAD投稿者とは違うスタイルの動画を作っていたため、自分のスタイルで作れると思っていたのですが、まとめ役に、「みんな同じスタイルで行こう。」と言われました。

私がが「自分は◯◯なスタイルだから、それで行きたいんだけど、」というと、「1人だけ違うと統一感ないから、俺たちに合わせてね。」と一蹴。

もう、嫌々でした。

この頃には自分の強みが何で、見る人は何を望んでいるかを把握できていたので、自分のスタイルを崩して動画作成するのは、しんどかったです。

こうすれば良くなるっていう考えは大量に思い浮んだけど、言う気にすらなれないくらい、とにかく早く終わって欲しかった。

でもオフ会で約束した以上、完成させないといけない。
(ちなみに、他の知り合いの投稿者の話を聞くと、コラボ作品でやる気がなくなることって、意外と多いみたいです。)

ようやく動画を完成させて、まとめ役が動画を投稿。

で、結果は散々。

再生数は数千止まり。マイリストは100もいかなかったかなあ。

コメントには、「良さが出せてない」「前みたいな動画を作るべき」といった厳しい意見もありました。

約束したのは1件だけではなかったため、そんな動画をいくつか作ってしまった。

結果は似たり寄ったり。不発。

今でも不発に終わったコラボ作品が、私の作品リストに登録されている。(消しても良い?)

結局売名っていうか、有名な人と関わりを持ちたかった人に利用されたんだよね。

あわよくば他人の人気にあやかって自分も注目されたい、そう考える人は間違いなく存在します。

あるオフ会で、コラボした人がとにかく俺は再生数が欲しいって言っているのを小耳に挟んじゃったし…。

完全に愚痴だけど、オフ会で知り合った人同士が、次のオフ会で「私達付き合ってます」とか言い出すし。これは別に自由だけどさー、合コン会場じゃねぇぞここは。

動画の作り方や演出方法、作品制作の楽しさについて語りたい私にとって、だんだんオフ会は息苦しい場に感じるようになって来てしまった。

面白くないオフ会やら動画制作やらをやっていたら、だんだん創作意欲も失せてきて、動画を一切投稿しなくなってしまった。

もう潮時なのかもなーと思った。

それでも作品を作りたかった

消え失せた創作意欲も、1年くらい時間が経過した頃には、本来の意欲が戻ってきていた。

動画を作らない期間はいろいろと考えていたんだけど、結局のところ、私がニコニコ動画に動画を投稿した目的は、「自分が作ったものをたくさんの人に見てほしい」だけってこと。

別に、チヤホヤされたいわけでもなく、人脈を広げたいわけでもなく、プロっぽい方面に進みたいわけでもなかった。

そりゃ、オフ会行ったって、コラボ動画作ったって楽しめる訳ねーよなー。

目的と手段が合っていないんだもん。

そこで原点回帰。

自分が表現したいことを、自分のスタイルで、見る人の期待に応えつつ、クオリティも可能な限り上げて。

動画を作っている間は、完成が待ち遠しくて、ヤバいくらい楽しかった。

作成者である私自身が、もはや動画のファンになっていたという感じ。

コラボ動画を作っていた時期には全く味わえなかった感覚だった。

完成した動画を投稿。

久しぶりの投稿もあり、最初は再生数やマイリストの伸びもゆっくりだった。

まあ、1年もすれば他の面白い動画がたくさん出てきて、俺の存在なんて忘れられちゃっただろうなあ。

でも作るのを楽しめたからまあそれで良いとしよう。

そんなことを考え、その日は動画編集の疲れをリフレッシュさせるためにドライブに出掛けた。

しかし、ドライブから帰ってきて再度PCを立ち上げると、投稿した動画はニコニコ動画のトップページに表示されていた。

上位ランクインだ。

またたくさんの人に見てもらうことができた。

「いいなー」「感動した」「またお前かw久しぶりw」

そんなコメントで溢れかえる動画。

そう、これでいいんだよ。最初からずっとこれがやりたかったんだよ。

これから

自分がとてつもなくわがままな人間である事を理解した上で、1人でMAD動画の制作を続けるつもりです。

私が表現したいことはシンプルで、文字に書けば、10文字に収まるようなこと。

たったそれだけの事を、バカみたいに時間をかけて、作品として表現したい。

だっていいじゃん。

みんなが楽しんでくれるんだから。

こっそり追記

私が作成した動画と同様、この文章もたくさんの人に読んでもらえて良かったです。

特にtwitterで、多くの共感や厳しい意見もいただきました。

なお、本文には一部フィクションを含みました。

しかし、私がニコニコ動画で有名になったこと、考えの異なる他の人と関わることで感じたこと、私が動画作りが好きで、自分の作品が大好きであることは、全て事実です。

もちろん、オフ会で知り合った人は基本的に皆いい人ばかりでした。貴重な体験でした。

私の動画を見たのをきっかけに、作品づくりに興味を持ってくれた人もいました。

雨の日のオフ会で傘を貸してくれた人がいたことを、今思い出しました。

あー、結局のところ私は、「ニコニコ動画で有名になったら良い事があった話」を書きたかったんだ。

その中にたまたま自分の作品づくりの意欲を削ぐ出来事があったというだけで。

最終的に自分の望むスタイルに戻れて良かったと感じます。

何かをやっている際中って、目的を見失いやすいです。

いつもそうやって、後から大事なことに気付かされます。

転載元:こちらは匿名投稿『はてな匿名ダイアリー』からの転載です。

画像:NICO NICO DOUGA live program.『flickr from YAHOO!』
http://www.flickr.com/photos/mujitra/4196971117/

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